Nadia's Skyrim

  -スカイリムRP妄想日記-
【スカイリム独立戦争編】

カテゴリ: -スカイリム独立戦争編-

1

ホワイトランはスカイリムの中央に位置する街で、物流の中心として有名である。
スカイリム中のありとあらゆる物がここを通り各都市へと流れていく。

物が集まれば当然人も集まってくる。
商人やキャラバン、傭兵に流れ者、巡礼者や物乞い。

そして大きな金の貯水池であり、様々な支流を抱えている。

さらに政治的にも大きな力を持つ場所である。
名家として名高い【バトルボーン家】と【グレイメーン家】があるが、
内戦の影響で二つの家が、帝国側と反乱側に別れて互いにいがみ合っている。

街の中心にあるギルダーグリーンと呼ばれる一本の木は、
この街の平和の象徴として称えられ、何者もこの木を傷つけることを禁じられている。

ヘイムスカーと言う男が、日がな一日タロスについて演説しているのもこの街である。

またこの街には【同胞団】と呼ばれる戦士ギルドがある。
彼らはジョルバスクルという大きな建物に住んでいる。
ホワイトランという街はこの建物の周辺から始まったのだと言う。
かなり古くからあるギルドで、代々の首長も彼らには敬意を払ってきた。
とは言え、彼らはこの街における政治的な問題には一切関与しないことでも有名である。

衛兵の数も現在の首都であるソリチュードに劣らぬほどの数で守られている。
様々な事柄が交差する都市にしては、犯罪件数は他の都市と比べると極端に少ない。
街中で子供が走り回れるほどである。
これはスカイリムにとってどの勢力に属そうとも中立的な立場であるからと言えるだろう。

2

そして、この街を治めているのが【バルグルーフ】という一人の男である。
ホワイトランを円滑に且つ絶妙なバランスで保っているのも彼である。
よって人々は彼の事を尊称して【偉大なる首長】と呼び。彼に付き従う者は少なくなかった。

現在彼は帝国、反乱どちらにも与していないが、どちらの言い分にも大儀があると明言はしていた。
とは言え、スカイリムの情勢は刻一刻と変わりつつある。
いかにバルグルーフと言えど、決断の時は迫りつつあった。

その日、バルグルーフは一通の手紙にややも憤慨していた。

3

バルグルーフ
『くっそぉ!テゥリウスめ!我々をいったい何だと思っているんだ!』

イリレス
『何を言ってきたの?』

バルグルーフ
『我々にファルクリースに攻め込んで、これを獲ってこいと言ってきた!』

イリレス
『また同じ内容なのね・・・でもファルクリースは要害ではないわ、ホワイトランの兵で十分攻め取れる場所よ』

バルグルーフ
『そんなことはわかってる。俺が気に入らないのは、帝国が我々に対し特になにかをしてくれるわけでもないのに、
帝国側につきたいならファルクリースを手土産で持ってこいと言ってることだ』

イリレス
『でも、実際時間の問題であることには変わりないわ。あなたもそろそろ決断する時なのよ』

バルグルーフ
『ダメだ!少なくとも、我々が出兵している間にこのホワイトランを保護してくれるだけの援軍でも来ない限り、オレは動く気にはなれない!』

プロべンタス
『しかし、あまり時間を掛けると我々が何かを企んでいると思われ兼ねません』

バルグルーフ
『俺がそんな男に見えるか!?この街を円滑に運営しているのは、この俺だぞ!』

バルグルーフにとっては内戦どうこうよりもホワイトランの安全が第一なので、中立という立場が崩れてしまうことを何よりも恐れていた。

4

リディア
『随分と荒れてますねバルグルーフ首長^^』

バルグルーフ
『リディアか。ナディアはどうした?』

リディア
『実はナディア様の使いで来たんです』

バルグルーフ
『お前を使いにするとはな。何をたくらんでる?』

リディア
『できれば・・・お人払いができるといいのですが・・・』

バルグルーフはリディアを睨んだ。

バルグルーフ
『それはできん!今は誰が敵で誰が味方か判断が難しい。要件はなんだ!俺は今忙しいんだ!』

リディア
『わかりました。実はナディア様も首長と同じことで悩んでおられます』

バルグルーフ
『なるほどな・・・
ナディアは英雄だ。その功績は計り知れないものがある。
となれば、どちらについても彼女の影響は大きい。
それはつまりどこで誰が見ているかわからんというわけか』

リディア
『はい・・・』

バルグルーフ
『悪いがみんな下がってくれ』

5

プロべンタスと衛兵たちは二階に上がっていった。
だがイリレスだけは残った。

6

バルグルーフ
『イリレス、みんなと言ったはずだが』

イリレス
『私は残るわ。あなたを守るために私は人生を捧げてきた。あなたを裏切る理由なんてないもの』

イリレスはリディアを怪訝そうに見つめる。
バルグルーフはため息をついたが、それについては何も問わなかった。

バルグルーフ
『すまんなリディア。そういうことだ』

リディア
『私はかまいません^^』

バルグルーフ
『で?ナディアはどう考えている?』

リディア
『それについてですが、手紙を預かってきました』

リディアはなんの気無しにバルグルーフに手紙を手渡しした。
バルグルーフが手紙を受け取り中身を開いて見る。
イリレスがそれに目を奪われた瞬間、バルグルーフがいきなり怒鳴り声をあげた。

バルグルーフ
『リディア!どいういうことだこれはっ!?』

7

リディアは二人の隙を見事につくようにバルグルーフの首筋に剣を立てる。
彼は瞬時に背筋が凍った。

イリレス
『いったい何のつもり!』

リディア
『イリレス!動かないで!』

8

人払いしたはずなのに、いつの間にか衛兵の一人がイリレスの後ろにいた。
しかもその剣は彼女の後ろ首を一突きしようと向けられている。

リディア
『立ってください首長』

バルグルーフ
『いったいなんのつもりだ!?』

リディア
『立ってください!』

バルグルーフは仕方なく玉座を立つ。
同時にリディアはバルグルーフの後ろに回り、右手を抑え、首筋に剣を横走りさせた。
そして二階にいる衛兵に叫んだ。

9

リディア
『私に何かあれば首長の首が飛ぶ!わかったら全員武器を捨てろ!』

二階から衛兵が弓矢でリディアを狙おうとしていたが、プロペンタスが止めにかかった。

プロペンタス
『よせ!撃つんじゃない!やめるんだ!』

リディア
『武器を捨てろっと言ってるんだ!!』

リディアはさらに一括した。

10

プロペンタス
『首長の命が危ない。みんな武器を捨てろ!捨てるんだ!』

ガチャガチャと衛兵は武器を捨て始めた。

11

ドラゴンズリーチの監獄から外にでようした衛兵も捕まってしまった。

12

リディア
『あなたもよイリレス^^』

イリレスは完全に裏をかかれた事に腹の底から怒りが込み上げていたものの、バルグルーフを犠牲にはできないと判断し武器を捨てた。
ひざまずき両手を頭にのせる。

イリレス
『おのれ・・・卑怯者め!!』

腹いっぱいの憎しみを込めて言い放った。

???
『卑怯者っていうのは、首長でありながらいつまでも決断できず、城に籠って怒号ばかり吐いてる人のことを言うんじゃないですか?』

13

???
『始めましてバルグルーフ首長』

イリレス
『なんなのこのガキは・・・?』

14

ポエット
『私はナディア様の従者でポエットと言います^^』

バルグルーフは頭の中で必死に事を整理し理解しようした。

バルグルーフ
『まさか・・・お前みたいなガキがこの事態を招いたというのか?』

ポエット
『ガキガキって、そのガキに捕まったのはあなた達ですよw』

リディアはバルグルーフの右手を更に強く抑え込んだ。

バルグルーフ
『くっ!いったい何を企んでる!?』

15

バルグルーフは息を飲む。
彼の目の前にウィグナー・グレイメーン、そしてその家族と彼を支持する者が立ちふさがった。

ポエット
『バルグルーフ首長、本日付であなたには首長の座を辞任してもらいます』

イリレス
『なんですって!?』

16

バルグルーフ
『ふざけるなっ!』

ポエット
『ふざけてなどいません。これから街に出てあなた自身の言葉でそれを宣言してもらいます』

ポエットは演説の内容を書いた用紙をバルグルーフに見せた。

ポエット
『簡単ですから。暗記してください^^』

それを見た彼は再び激高する。

バルグルーフ
『こんなことを俺が言うわけがないだろう!!!』

17

ポエット
『あれ?お手紙お読みにならなかったのですか?』

バルグルーフは顔が青ざめた。

18

そいえば昼間から子供たちの姿を見ていない・・・
バルグルーフはテゥリウスからの手紙の内容で頭がいっぱいだった。

ポエット
『安心してください。子供たちの命まで取ろうとまでは思っていません。
ですが、拒否した場合は・・・保証ができなくなるかもしれません・・・』

信じ難い事実だったが、さすがのバルグルーフも子供を人質にとられたのでは遇の根もでなかった。

19

ウィグナー
『バルグルーフ。これはお前さん自身のプライドの高さが招いた結果だ。お前もノルドなら男らしく受け入れろ』

20

町民A
『首長だ』

町民B
『え?あれが首長さんなの?』

町民
『めずらしいなこんなところに出てくるなんて』

21

ポエット
『みなさん!これよりバルグルーフ首長から大事なお話しがあるそうです!』

バルグルーフは腸が煮えくり返そうだったが、子供たちを事を思いひたすら我慢した。

バルグルーフ
『わ、私は今の状況を考慮に考慮を重ね。重臣たちとも相談し。今日あることを決断した。
それはつまり本日付で首長の座を辞することにする・・・』

町民
『ええ?それっていったいどういうことなんだ!?』

22

バルグルーフ
『私には皆の命を危険に晒してまで、この戦争に参加する意義を見出せない』

23

バルグルーフ
『ノルドでありながら、ノルドらしい生き方を追い求めても、それを追求することができないのだ』

24

バルグルーフ
『私個人としては、正直ウルフリックとの友情を優先したい。それこそが真のノルドの生き方だからだ』

25

台本棒読みに近かったが、込み上げる怒りを額の汗に変え、とにかく終わらせようとした。

26

バルグルーフ
『だが私には、それをやる資格がない!よって今日より、名家であるウィグナー・グレイメーンにその座を譲り渡すことにする!』

27

真昼間の出来事に、町民たちはにはいったい何がなんのか理解できず唖然とし、誰一人反論するものはいなかった。
実際、町民達にとっても目前の仕事や用事で忙しく、首長にカマっていられるほど余裕もないのだ。
ただ一人、タロスを敬愛している男の大きな声だけがホワイトランに木霊する。

28

ポエット
『即興で覚えた割には上出来でしたよバルグルーフ殿w』

彼はもう首長ではない。

バルグルーフ
『子供たちは無事なんだろうな・・・』

ポエット
『心配いりません。ソリチュードに向かっております。エリシフ首長に手紙もしたためてありますので^^』

バルグルーフ
『俺たちをどうするつもりだ!?』

ポエット
『あなた方には、しばらくの間グレイムーア砦の監獄に入っていただきます^^』

29

バルグルーフ
『おい!ここは無人の砦のはずだ!』

衛兵
『心配すんなってw飯はちゃんと運んでやっから。トイレはそこにあるし。じゃあなw』

バルグルーフ
『おい!待て!ナディアに会わせろ!』

衛兵
『俺にその権限はねーよ』

30

ホワイトラン制圧はここに完了した。

31

アルギス
『ほんとにホワイトラン落としちまったよ・・・』

イオナ
『ええ・・・とんでもない娘が来たわね』

カルダー
『あいつスゲーなぁ・・・』

リディア
『脱帽ものよね^^』

ジョディス
『あの娘がいれば、ナディアが本当に上級王になるかもしれないわ・・・』

32

ウィグナー
『まさかこうも簡単にホワイトランを制圧してしまうとは、お嬢ちゃんには恐れ入ったわい^^』

ポエット
『いえいえ、これも皆さんのご協力あってのおかげです^^』

33

ポエット
『まず初めにやることは、ホワイトランを落とします』

みんなで
『なんだって!?』

さすがのリディアもポエットのこの発言には驚いた。

アルギス
『おい、ポエットぉ~いくらなんでもそりゃ無理だぜ・・・』

ポエット
『どうしてですか?』

アルギス
『だってよぉ~あそこはハッキリ言って要害だぜ。衛兵の数が多すぎだ!頭の悪い俺でもわかるぜ!』

ポエット
『私はなにも、武力で奪うとは言ってませんよ^^』

アルギス
『う~ん・・・』

イオナ
『でも、ウィンドヘルムはどうするの?今あそこは危ないのよ』

ポエット
『それはよくわかっています。だからこそホワイトランを奪い取らないといけないんです』

34

ポエットの考えはこうである。
現在ウィンドヘルムは帝国軍と睨み合いの状況にある。
兵も持たないナディア達が援軍に駆けつけても、なんの意味もないことはわかっていた。
そこで帝国をウィンドヘルムから離す作戦を取ったのである。
ホワイトランはスカイリムの中心であり。ここを獲れば文字通り地図上の中心を取ったことになる。
もしこのまま兵を北上させれば、帝国軍の喉元であるソリチュードを伺うには最短の距離を得ることができるのである。
このことをテュリウスが知れば、ウィンドヘルムから兵を引かざる得ないのである。

ポエットはホワイトランを奪うために実に緻密な作戦を実行した。

35

まずは帝国びいきのバトルボーン家の排除である。

そのためには賄賂を使うほうが効率が良かった。
ナディアに金の工面をお願いしてみたところ、二つ返事でOKしてくれた。
むしろ好きなように使ってくれとまで言われた。

36

ポエットが最初に接触したのは、ホニングブリュ―ハチミツ酒醸造所のオーナーであるサビョルンである。
彼は以前、ナディアに醸造所の地下の害獣駆除を依頼してきたことがあり、その借りはまだ付けのままだった。
さらに彼は新しいお酒の研究に余念がなく、試飲会をちょくちょく開いていたのである。

37

次にポエットは、ホワイトランで働きもせずプラプラしている者に目をつけた。
ノルドの”シンミール”とレッドガードの”アムレン”である。
シンミールは日雇いで稼いでは、その日にバナードメアで費やす日々を送っている。
アムレンは以前、ナディアに父の形見である剣を、山賊から取り返してもらった義理があった。

シンミールには1000セプティムを握らせ、アムレンには義理立てを口実に参加せることにした。

38

さらにポエットは雑貨店の店主べレソアをも巻き込んだ。
彼は生粋の商人ではあるが、利益になるならなんでもする小悪党な商人でもある。
ナディアは彼のところにちょくちょく顔をだしては、不用品を山のように売りつけていたために上お得意様になっていた。
だが、金には汚い面があるため、念のため軍資金として2000セプティムを渡した。
実はこの金額には彼の下で働いている雑用係のシグルドの分も含まれていた。
その点には深く触れず、ただ彼も参加させてあげてと軽く頼んでおいたのだ。
人数は多いほうがイイ。
ポエットはべレソアの性格上、猫糞してでもシグルドを連れて行くだろうと読んでいた。
彼を作戦に加えたのにはもう一つ理由がある。
彼はあくまで商人である。名家との接点を持ちたがるのは当たり前だからである。

彼らにはバトルボーン家の男共(オルフリッド、イドラフ、ジョン)全員を呼び出し、
ホニングブリュ―ハチミツ酒醸造所にて試飲会を開き、徹底的に酔いつぶして欲しいと頼んだのである。

バトルボーン家には女性があと2人と男の子が1人いる。

39

リリス・メイデン・ルームという謎の老女がホワイトランにはいた。
彼女はすれ違う人々に、”いつでも話相手になってあげるよ”とぼやいている。
おそらく寂びいしいのだろうとポエットは単純に考えた。
そこで、家長であるオルフリッド・バトルボーンの妻ベルグリッテをお茶会に誘ってはどうかと提案してみた。
お互い年齢も近いのか、リリスは見事に誘い出してくれた。

40

次は長男のイドラフの妻であるアルフヒルドだが、噂では義理の父親と床を共にしているらしい。
真偽のほどは確かではないが、この噂を広めて彼女をホワイトランから追い出すという手もあった。
が、彼女は毎日実直にバトルーン農場に働きに出ていくため、夕方まで姿を現すことはまずない。
しかもバトルボーン農場はホワイトラン郊外の裏側に位置するため、城内で騒ぎが起きてもまったくわからない場所だった。
さらに彼女は嫁いで来た身でもあるため、この内戦にはあまり興味をもっていないらしいで、ほおっておいても問題ないと判断した。

41

ポエットはさらに買収を進めた。

ドラゴンズリーチ内で掃除婦として働いている2人の侍女である。
彼女たちには現在の首長からもらっている毎月の給料を聞き出し、
その一年分の半分を今払うから、作戦の間はバルグルーフの子供三人をグレートポーチに誘い出してくれと頼んだのである。
彼女たちは今まで見たことのない金塊を見て喜び、お菓子や食べ物を大量に買い込んで子供たちを誘い出してくれた。

この時、ナディアの養子であるルシアとソフィを使い、バトルボーン家長男の息子であるラーズを誘い出させた。
もちろんナディアの了解の元である。

バルグルーフをグレイムーアへ移送すると、彼女たちはバルグルーフの子供三人を連れてソリチュード行の馬車に乗せた。
この時に残りの半額を支払った。

侍女二人に支払う賄賂を二回に分けたのは、彼女たちが宮仕えの使用人のためポエットの警戒心からである。

42

ポエットは子供たちの移送に護衛として二人の傭兵をつけることにした。
ダンマーのジェナッサとノルドのウスガルドである。
お互い同業同士でもあるので途中争いが起きないよう、普段の倍額を支払った。
そして子供たちを無事にソリチュードへ送り届けたら500セプティム。
エリシフにきちんと手紙を渡したらもう500セプティム。
と分割して条件を出し、ホワイトランに帰って来た時にこれらの金額を支払うと約束させた。

43

さらに宮廷魔術師のファレンガーには今後の研究費用を倍額払うことを約束させて黙らせた。
ついでにナディアが持っていたドラゴンの鱗と骨をつけてやったら、モーレツに喜んでいた。

44

ポエットが次に行ったのはウィグナー・グレイメーンとの接触である。
これにはナディアの同行が欠かせなかった。
彼は信じられないというように目を丸くして話を聞いていたが、ナディアの後押しがあると聞くとすんなり同意してくれた。
もちろん彼の家族も一緒にである。
ただし弟のエオルンドだけは同意はしてくれなかった。
本人が言うにはこれらの事柄に関与したくないからとのことだった。
それならとポエットは念書にサインをさせることにした。
こんなことまでする必要があるのかと反抗し睨まれたが、彼女は強気に出た。

45

ポエット
『これから行おうとすることは、お兄様の命にも関わってきます!
あなたは親族でありながら、それを無視すると言いました!
信用するとかしないとかの問題ではなく、大人としてのケジメをつけてもらうために必要なものです!
もしこれに同意できないのなら、バルグルーフと同じようにホワイトランから追放処分しないといけません!!』

エオルンド
『なんだとこのガキ!!』

ポエットは精いっぱい彼を睨み返し、語気を強めて言った。
エオルンドは何か言い返そうとしたが、ウィグナーの必死の静止でなんとか宥めさせ素直にサインしてくれた。

その間にポエットはナディアの従者5名にグレイムーア砦の制圧を指示した。
これはバルグルーフ首長からの仕事の依頼であり、ナディアは既に受理していたのでこれを利用したのである。
なのでバルグルーフはグレイムーアが無人であることを知っていた。

46

ポエットが最も悩んだことが一つだけある。
衛兵の買収である。
そこでリディアに相談してみた。

リディア
『それは・・・かなり難しいわね』

最初に目に着けたのは衛兵隊長のカイウスである。
彼は怠け者の隊長として有名だったのだが、生粋のインペリアルであるため、帝国を裏切るとは考えられなかった。

衛兵のほとんどは顔がわからない。
それというのも兜がフルフェイスの為だ。
これは兵の買収を防ぐために各地の首長が行っていることだった。

リディアが言った。

リディア
『プロべンタスはどうかしら?』

ポエット
『プロべンタスって・・・執政の?』

リディア
『そう』

ポエット
『彼は何か弱みがあるんですか?』

リディア
『一人娘がいるのよ。戦乙女の炉で働いている』

ポエット
『ええ?あそこにはレッドガードの女性しか・・・あっ!養子ですか!?』

リディア
『違うわ。れっきとした娘よ。それにレッドガードじゃないわ。インペリアルよ』

ポエット
『インペリアル!?日焼けだったんだ・・・』

リディア
『日焼けより・・・たぶん炉焼けよ・・・』

炉焼け・・・そんなのあるんだ?とポエットは思った。

47

リディアが言うには、彼女の名前はエイドリアン・アヴェニッチといい。
ノルド人と結婚し、今の鍛冶屋を営んでいるとのこと。
ナディアやリディアもこのお店には随分と世話になったことがあり、お互いなーなーな関係でもあるとのこと。

ホワイトランにはエオルンド・グレイメーンという名匠がいる。
前述のウィグナーの弟なのだが、彼の作る武器はどれもスカイリムおいて業物の一品とされ有名である。
彼に憧れ尊敬する鍛冶職人はスカイリム中にいた。

エイドリアンはそんな彼の大ファンであり、将来は彼のようになりたいと常日頃考えているのだという。

つまりその点を餌にできないかと考えたのだ。

そこでポエットは執政のアヴェニッチ、娘のエイドリアン、その旦那のウルフべルスの三人を連れて密会を開くことにした。
これはポエットにとって材料の少ない危険な賭けではあったが、方法が他に思いつかなかった。

48

プロペンタス
『なんでその話を俺にする?』

プロべンタスはポエットを睨んだ。

ポエット
『今後、このホワイトランが反乱軍の手に落ちた後でも、娘さんの身の保証はするという意味です』

エイドリアン
『な!なんのよそれ!ナディア!あんたっ!』

ナディア
『うひっ><;』

リディア
『まぁまぁ、落ち着いて落ち着いて^^;』

プロべンタス
『そんなこたぁ当たり前だ!!だがな俺が聞いているのはそいうことじゃない!』

プロべンタス
『どうして俺がその話に乗ると思うのか?ってことだヨ!?』

プロべンタス
『娘は女房似でね。俺と違って辛抱強い。それに気も強いと来たもんだ。父親の俺なんかいなくてもちゃんとここまで成長してくれた』

プロべンタス
『嫁の貰い手が心配だったんだが、ウルフべルスが貰ってやると聞いたとき、どんなに嬉しかったか・・・;;』

エイドリアン
『お父さん・・・』

プロべンタス
『俺はよ!母親を早くに亡くしちまって、男で一つで娘を育ててきたんだ!だからよ!
娘が今の生活で幸せっだって言うなら、オレは喜んで自分を切り捨てるぜ!』

ポエット
『そ・・・それは・・・つまり?』

プロべンタス
『だから!娘が俺の弱点にはならねぇってこったヨ!』

ポエット
『あぁ~あぁ~なるほど^^;』

プロべンタス
『俺はインペリアルだ!どう転んだって反乱軍に手を貸すような理由はねーのさ』

なんだか先読みされてるとポエットは感じた。

49

ポエット
『なるほど、だからどうして聞かせたのか?ってことなんですね^^』

プロベンタス
『やっとわかったかお嬢ちゃん』

ポエット
『はい^^でもぉ~私思ったんです』

ポエットはゆっくりとした口調で話始めた。

ポエット
『バルグルーフ首長という人に私は一度も会ったことがありません。
でもおそらくかなり気性の激しい人なんじゃないかなぁ~って?』

プロべンタス
『・・・』

ポエット
『だってぇ~そうじゃないとぉ、このホワイトランっていう街が中立の立場を保つなんて・・・不可能ですよ^^』

ポエット
『そいう人を補佐するとなると、余計に辛いですよねぇ・・・キット。
どこまでも自分を抑えて抑えて・・・我慢に我慢を重ねて・・・ストレスを抱えているんじゃないかな?って』

ポエット
『だから・・・プロべンタスさん・・・もしかしてぇ~・・・辞めたがっていませんか?』

50

ポエットはプロべンタスの表情の変化を見逃さなかった。

ポエット
『バルグルーフ首長はあなたを重要な片腕だと思っているに違いありません。
このままいけば彼は死ぬまであたなを傍に置いておくでしょう。
彼と離れることができる唯一のチャンスではありませんか?』

プロベンタスはホワイトランの執政であり、バルグルーフのオモリ役でもある。
これは傍から見れば立派な職業に見えるが、当の本人にしてみれば毎日身を削るような思いを繰り返している。
バルグルーフが間違った道を歩まぬよう、道を正してやることが本来の仕事ではあるが、
時には彼の身代わりになり悪人役まで引き受けなくてはいけない。
そんな毎日を繰り返してきたことに、大概の人は誇りを持っているなどどと単純に置き換えるが、実際はそんな生易しい物ではないのだ。

それは彼自身を見れば一目瞭然だった。

ポエットは心の中であらゆる神様にお願いした。
おねがい!おねがい!おねがいだかさぁ~><;

51

プロベンタス
『どうすれば離れられる?』

ポエットは心の中でやったーーーー!!!とガッツボーズした。

エイドリアン
『お父さん・・・』

プロベンタス
『娘よ。俺はお前が思っているほど、我慢強くないんだ・・・それに、俺はスカイリムに居過ぎた。
お前をノルドに嫁がせたせいで、帝国には・・・帰る場所もないんだよ』

エイドリアン
『そんな・・・』

ナディア
『行くとこないなら家にきなよ^^』

プロベンタス
『そいつは・・・ありがたいんだがな・・・』

ポエット
『それはダメですよナディア』

ナディア
『なんでぇ~><;』

プロベンタス
『そりゃそうだ。お前さんは目立つからな。そんなところにオレはいられねーよ』

ナディア
『う~~~ん><;』

ポエット
『手配しますよ。内戦が終わるまで安全に住まえる場所を。あなたほどの人を埋もれさせるのは惜しい』

プロベンタス
『へっ!俺は引退間地かのジジイだ、できれば死んだことにしてほしい』

52

ポエットは彼の希望を全面的に受け入れることで同意させた。
プロベンタスには当日の兵の配置替えを頼んだ。

危うい瞬間を体験したが、思わぬ出来事を逆転させることに成功した。

52-1

これで当日の人の動きは、ほぼ制御できると判断した。

プロベンタスが、ホワイトラン衛兵の配置を内外問わず全て変更してくれたので動きが取り易い。
執政の命令ならば衛兵隊長のカイウスも反論はできない。
なので、こちら側からのスパイを潜り込まることもうまくできた。
衛兵を二階に連れて行き、片側の通路のみに集めさせたのは彼の指示だった。

バルグルーフが気性の荒い男だということは分かっていたので、
ポエットはワザと激高する文章をしたためてリディアに渡すよう伝えた。

イリレスの性格もリディアがよく知っていたので、
プロベンタスと衛兵は首長の命令を聞いても、彼女だけは残るだろうと予想していた。

バルグルーフの弟であるフロンガルは、殆ど2階にいることが多い。
武芸に秀でているが頭のほうはイマイチだと、プロベンタスは言っていた。
なので、彼の事は俺に任せろと一任してくれた。

そしてドラゴンズリーチから外に出るための監獄への道も塞いだ。

ホワイトランには二つの弱点がある。

一つはバルグルーフの気性の荒さ。
そしてもう一つは、交易のための人の出入りが激しいことである。
ホワイトランには定住している人の数は限られている。
こういう街を制御するには資本主義的でないと成り立ちにくい。
なので犯罪は少ないというものの、実際は格差も激しい街でもある。
町民にとってバルグルーフは、尊敬する存在ではあるが、
命を懸けて守るほどの価値は薄く、お飾り的にしか思われていないのが現実だった。

ポエットはこの二点をうまく利用し、ものの見事に制圧したのである。

53

しかしホワイトランの制圧には、もう一つだけやり残していることがある。
それは帝国側の偵察兵をテュリウスの元に返さないことである。
テュリウスはホワイトランの動向を必ず見張っているはずだとポエットは睨んでいた。

だが、ナディアだけは絶対に出したくなかった。
主君には制圧完了後、安全を確保できてからの入場をしてもらうためである。

とはいえ、バルグルーフご一行は四人、彼らを無事にグレイムーア砦に届けるには最低でも5人は必要だ。
それもかなりの手練れの。となるとどうしても従者の数だけでは回せない。

ジョディス
『一人いるじゃないw』

リディア
『ムリよ。昼間は嫌がるでしょ』

ナディア
『ああ^^セラーナがいたね^^』

ポエット
『セラーナさん?誰です?』

ナディア
『あ!来た来た^^セラーナ!』

54

セラーナ
『なんですの?』

55

ポエット
『えええ!うっそ・・・・き、き、きゅうけつき~~~!!
なんで吸血鬼がいるんですかぁ~!!??』

ポエットはとっさに机の下に隠れ、頭だけのぞかせた。

56

セラーナ
『嫌ですわ!太陽はお肌の大敵ですのよ!』

ナディア
『いつものフードかぶればいいじゃん^^』

セラーナ
『あなた私をなんだと思っているんですの!?00+』

なんだかんだ言っていたが、ちょっとだけという約束で穴埋めしてもらうことができた。




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<備考>

◎同胞団
ホワイトランにあるジョルバスクルに住んでいる戦士ギルドの一団である。
伝統高く格式の高い組織であるため、スカイリム中にその名は轟いている。
彼らのところにはスカイリム中から様々な仕事の依頼が来て、それらを解決することで収入としている。
同胞団の特に限られた者たちには獣の血を持つ者がいる。
獣の血とはウェアウルフに変身できる能力を持つ者である。
このことは一団だけの秘密であり、決して漏れることはない。

◎バナードメア
ホワイトランにある酒場件宿屋。
夕方近くになるとホワイトランにいる人たちの大半がここに集まってくる。
飲めや歌えやの騒ぎがほぼ毎日のように行われる。
ノルドらしい一面が見れる場所でもある。

◎ホニングブリュ―ハチミツ酒醸造所
ホワイトラン郊外にあるハチミツ酒醸造所。
ハチミツ酒を自社ブランドとして売り出しているが、よく妨害にあったりもする。
ライバルはリフテンのブラックブライヤーハチミツ酒。

◎ファレンガー
ドラゴンズリーチの宮廷魔術師
バルグルーフは彼にドラゴンの研究をさせている。
ややもマッドな面もあるが、魔法書などの販売からウィンターホールド大学への入学案内などもやっている。

◎エオルンド・グレイメーン
兄ウィグナー・グレイメーンの弟。
ホワイトラン斬っての名匠。
ジョルバスクル付近に自分専用のスカイフォージと呼ばれる鍛冶場を持っている。
同胞団お抱えの鍛冶職人でもあり、同胞団に所属する者はみんな彼の武器を持つことができる。
寡黙な性格で、人との関わりをあまり好まない。
彼の名前はスカイリム中に轟き、彼に憧れる鍛冶職人は多い。

◎アヴルスタイン・グレイメーン
グレイメーン家には実はあと二人の家族がいる。
アヴルスタイン・グレイメーンとソラルド・グレイメーンである。
ソラルドはノースウォッチ砦で囚われていたところをナディアに救われたが、自宅には戻らずどこかへ行ってしまった。
もう一人のアヴルスタインは、作者のスカイリムでひたすら探したのだが、コンソールを使用しても出てきてくれなかったので、
止む終えず存在しないことにした。

◎セラーナ
ディムホロウ墓地にて数百年間封印されていた吸血鬼。
ストーリー上ナディアは彼女を封印から解き放ち助け出すことになる。
タムリエルには吸血症という病がある。
その原因は吸血鬼に噛まれたせいではあるが、この病気をもたらしたのはモラグ・バルというデイドラである。
ハルコンは吸血症より吸血鬼になり、そして吸血鬼の王になった。
セラーナは彼の娘であり、モラグ・バルより寵愛を受けて純血種の吸血鬼となった。
これを【コールドハーバーの娘】という。
好奇心旺盛で何事にも積極的なところもあるが、基本的に吸血鬼なので昼間の活動は好まない。

1

バルグルーフ
『お前は・・・ブレナイン?』

ブレナイン
『あ?なんだぁ文句あんのか?』

バルグルーフ
『いや・・・』

ブレナイン
『まったくあんたらお城の人間は、毎日いいもん食ってるくせに、
牢屋に入ってもパンとエールだけは貰えるんだからな!羨ましいよなぁ~』

バルグルーフ
『なんだとぉ~!!』

2

プロベンタス
『おい!ブレナイン!ブレナイン』

ブレイナン
『ああ?なんだぁ~?』

3

プロベンタス
『お前、幾らで雇われたんだ?』

ブレナインは不機嫌そうにプロベンタスに言う。

ブレナイン
『なんでそんなこと聞くんだ?』

4


プロベンタス
『あそこにいる方はホワイトランの首長様だ』

ブレナイン
『ふん!”だった”だろうwそれぐらい知ってる』

プロベンタス
『ああ、そうだな。
だがバルグルーフ殿はスカイリム中で有名なお方だ。
帝国軍のテュリウス将軍も彼の事はよく知っている』

ブレナイン
『何が言いてんだよ?』

プロベンタス
『つまりだ、もしお前が我々に手を貸してくれれば、それ相応の礼をすると言っているんだ』

5

バルグルーフ
『そうだ!お前が俺たちの脱走に手を貸してくれれば、金と住む場所、それに仕事をやるぞ!』

ブレナイン
『へっ、あんたら牢屋の中だろうwどこにそんな金があるんだヨ?』

バルグルーフ
『イイかよく聞け!俺たちがここを出たら、向かうのはソリチュードだ。
そこでエリシフに事情を説明する。そしたらお前の事を話してやる。
ソリチュードは知っているだろう?』

ブレナイン
『そりゃあ知っているよ。首都だろう』

バルグルーフ
『そおだ!ソリチュードだぞ!スカイリムの首都にお前も家を持てるんだ!』

6

物乞いのブレイナンにとっては寝耳に水だった。
だからどうしてもバルグルーフの話を信用できない。
だが・・・心は揺らいだ・・・

ブレナイン
『ほ、ホントなんだろうなその話・・・』

バルグルーフ
『もちろんだ!俺が街の人間に嘘をついたことがあるか!?』

バルグルーフ
『偉大なる首長バルグルーフとまで言われてるんだぞ!』

フロンガル
『そうだ!兄貴は偉大なる首長なんだ!』

7

ブレナイン
『わかった!わかったよ!じゃぁ~どうすりゃいんだぁ?』

プロベンタス
『ロックピックを何本かもってこい!』

ブレナイン
『ロックピック?そんなもんどこにあるんだよ?』

プロベンタス
『戦乙女の炉を知っているだろう?ホワイトラン入り口にある鍛冶屋だ』

ブレナイン
『ああ、知ってるぜ』

プロベンタス
『外にいつも立ってる女性がいる。俺の娘だ!』

ブレナイン
『おお、あの女か』

プロベンタス
『俺が助けて欲しいから作ってくれと言えば、すぐ作ってくれるはずだ』

バルグルーフ
『そうだ!エイドリアンだ!』

ブレナイン
『あ~わかったわかった。』

8

ブレナイン
『ちゃんと約束守れよ!』

バルグルーフ
『わかっているから、早く行け!』

ブレナイン
『へいへい』

9

アルギス
『どうだった?』

ブレナイン
『ああ、ロックピック持って来いって言われたよ』

アルギス
『交換条件は?』

ブレナイン
『・・・ソリチュードに家をくれるって。それと、金と仕事を・・・』

10

アルギス
『そうか。どっちにするかはお前さんの好きだ』

ブレナイン
『・・・』

アルギス
『よし、じゃぁ・・・今日の夕飯を運ぶときに持って行ってやれ』

ブレナイン
『わ、わかったよ・・・』

11

ブレイナン
『なぁダンナ・・・』

アルギス
『ああ?』

ブレナイン
『どっちにしたほうがいいと思う?』

アルギス
『そんなもん俺には決められねーよ。お前が選ぶんだ』

12

ブレナイン
『選ぶって・・・どうやればいんだよ?
おらぁ~ずっと物乞いやってきたんだ。
それが急にこういう話だろ・・・
わかんねーよぉ~』

アルギスがため息をつく

アルギス
『そうだなぁ~俺だったらポエットの出した条件を飲むね』

ブレナイン
『なんでだ?』

アルギス
『だってよ。まずソリチュードまで行かなきゃならないんだぜ。
道中危険は付き物だ。バルグルーフにとってお前は目の上のコブにすぎないだろ。
ってことは途中で死んでも、あいつにはなんの痛手にもならないてことだ』

13

アルギス
『それに、ソリチュードに家だって?
ホントにもらえるのかどうかさえ怪しいもんじゃねーの?』

ブレナイン
『でも、エリシフ首長に話をしてくれるって言ってたぞ』

アルギス
『話をするって、お前、そのボロ以外の服って持ってるのか?』

ブレナイン
『・・・・いや・・・持ってない・・・』

アルギス
『じゃぁ宮殿には入れないだろ。
ってことは、バルグルーフがエリシフにその話をしてくれるかどうかだって解らないってことだろ?
ってことは、家も持てるかどうかも解らないってことじゃないのか?』

ブレナイン
『で、でも・・・約束してくれた!』

アルギス
『助かるって思えば。嘘でもなんでもつくさ』

ブレナイン
『くっそー!ひでー奴なんだな!』

アルギス
『いや、だから。
どうなるか俺には解らんよw
だがブリーズホームに住んで、子供の世話と広場の清掃の仕事で食べていけるなら。
そっちのほうが現実味があるんじゃないのか?
お前だってルシアとは顔見知りだろ?
ってことは友達もいる。話相手もいる。
俺だったら間違いなくそっちを選ぶよ』

14 17-3

ポエット
『リーチやハイヤルマーチからの襲撃の可能性はゼロじゃありません』

ウィグナー
『ワシが首長になったとは言え、兵も民もまだ安定しておらん。
民心を掴まなくてはホワイトランの運営も難しい』

ポエット
『お気持ちは最もです。ですがこれは決して無視できません。
せっかくホワイトランの実権を握っても、また取り返されては元もこうありません』

ウィグナー
『だがどうすればいいのだ?』

ポエット
『とりあえずはグレイムーア砦の守りが先決です。
最低限度、ここの守りを徹底してリーチからの侵入を防ぎましょう』

ウィグナー
『それぐらいなら何とかなるだろうが、まとめる者がおらん。カイウスは牢に閉じ込めたしの』

15

ポエット
『リディアさんにお願いしましょう^^』

ウィグナー
『そりゃありがたいが・・・お前はナディアの従者だろ?』

ナディア
『私は大丈夫だよ^^』

ウィグナー
『そう言ってもらえるとありがたいな』

16

ウィグナー
『バルグルーフはどうする?あのまま閉じ込めておくのか?』

ポエット
『いえ、彼らには早めに出て行ってもらいます』

ウィグナー
『どこかへ移送するのか?』

ポエット
『いえ、脱獄してもらいます』

17

ウィグナー
『な、なに!?だっ、脱獄!?脱獄させるのか?』

ポエット
『はい^^』

ウィグナー
『せっかく捕まえてるんだぞ。
交渉の道具やらなにやらで使い道はあるじゃろ?』

ポエット
『いいえ。ホワイトランには彼を支持する者もいます。
彼にホワイトランにいられては色々と迷惑なだけなんですよ』

ウィグナー
『だが、あいつを脱獄させたら、ホワイトランに戻ってくるのではないのか?』

17-1

リディア
『戻ってくるわけないじゃないですかw』

ウィグナー
『え?』

ナディア
『子供がソリチュードにいるもんね^^』

ウィグナー
『あっ!そうか!なるほどのぉ~w』

ポエット
『彼の口から直接ホワイトランを奪われたことをエリシフに話してもらうんです。
彼女はすぐにでもテュリウスに手紙を送るでしょう。となればウィンドヘルムから帝国軍は引いていきます』

ウィグナー
『子供たちを先に送ったんじゃなかったか?エリシフだって既に手紙を送ってるんじゃないか?』

ポエット
『エリシフにはバルグルーフが正式に帝国側につくから、戦火を免れるために子供を預かってくれという内容で手紙をしたためました』

ウィグナーは驚きを隠せなかった。

ウィグナー
『なるほどなぁ~・・・お嬢さんにはホトホト感服するの!ナディア!お前が羨ましいぞw』

17-2

ナディア
『ねぇ!!ポッポちゃんかわいいでしょカワ(・∀・)イイ!!』

ウィグナー
『あ、いや、そういう意味じゃ・・・』

ポエット
『ああ~もぉ~><;』

リディア
『あらら・・・』

14 17-3

ポエット
『えっと、それとですね^^;事前に了解していただきたいのですが・・・』

ウィグナー
『なにをじゃ?』

ポエット
『ホワイトランは”ナディア”が落としたということです』

17-4

ウィグナーは急に顔を強張らせた。

ポエット
『それはつまり・・・』

ウィグナー
『わかっておる!
名家、名家と言っても、所詮は名ばかりの一族じゃ。
なのにこの街の首長の座までくれよった。
ナディア無しにこれほどの事は成しえなかったであろう』

ウィグナー
『わしはノルドだ、タロスの信奉者でもある。
だがワシは、どうもウルフリックとは馬が合わない。
あの男は高慢ちきで、支配欲の塊じゃ。
じゃがナディア、お前は別じゃ。
お前さんならワシらの期待に応えてくれる上級王になれるじゃろうて^^』

17-5

ナディア
『やだっ!王様なんかやりたくない!』

ウィグナー
『ええ~~・・・・』

18

山賊A
『おいおいおい、マジカよw』

山賊B
『どうしたの?』

山賊A
『見ろよ無人だと思ったら、もう囚われてるやつがいるぜw』

山賊B
『セットメニューじゃないw』

19

山賊A
『なぁ~こいつらの誰かで試さネ~?』

山賊B
『まっ、4人もいるし、一人くらいいんじゃないw』

山賊A
『さてとぉ~だれがしようかなぁ~?』

20

山賊B
『この女はダメね・・・強面だし。きっと噛まれるわ』

山賊A
『このでかいのは、反抗しそうだしな』

21

山賊A
『おい見ろよ!このハゲ、一番ひ弱そうだぞ!』

プロベンタス
『おい、よせよ、冗談だろう・・・』

山賊B
『いいわねwそいつにしましょww』

22

バルグルーフ
『おい!マテ!何するつもりだ!!!』

山賊B
『こいつどっかの貴族かしら?』

山賊A
『身なりからしてそんな感じだなwこいつは身代金代わりに使おうぜw』

山賊B
『そうねw』

バルグルーフ
『おい!やめろ!』

23

山賊A
『おら!さっさと行きやがれw』

プロベンタス
『うわぁ!』

バルグルーフ
『プロベンタスをどうするつもりだ!?』

山賊B
『あんたは後でのお楽しみよwじゃぁねぇ~w』

バルグルーフ
『なんだと!どういう意味だ!?』

山賊B
『あひゃひゃひゃひゃ!!!』








24

プロベンタス
『よ、よせ!やめろ!』

アルギス
『うるせぇ!おとなしくしてりゃすぐ終わるんだよ!!』

イオナ
『うりゃぁ~ああああ!!!』

プロベンタス
『や、やめ、やめてくれ~~~~!!!』

ジョディスが牛肉の塊を切り落とし、
床に剣をたたきつけてカキ―ン!という音を立てた。

イオナ
『うっひゃー!スゲーぞこの剣の切れ味!!!』

アルギス
『おおw』

(このありきたりな・・・落ち・・・)

25

イリレス
『な、なんてこと・・・・』

フロンガル
『うそ・・・だろ・・・』

バルグルーフ
『す、すまん、プロベンタス・・・』

26

その日の夜、バルグルーフ達はブレナインの助けのもとグレイムーア砦から脱出した。
ブレナインはやっぱりホワイトランに残ると言い、三人でソリチュードへ向かった。

27

バルグルーフ達がグレイムーア砦から出て行ったのを見計らい、
リディアを筆頭に、アルギス、ジョディスと数名の衛兵たちでこの砦の守りを固めた。

28

ポエットはナディアとイオナ、そして救出に成功したプロベンタスを連れて早馬で一路リフテンを目指した。
彼女は今までにない決意を内に秘めて。



ポチットお願いしますm(_ _)m
<備考>

◎ルシア
ホワイトランにいる両親を亡くした孤児。
ブレナインの世話になっていたが、ナディアが養子として引き取ることにした。

◎Jaxonz Positioner
今回初めてこちらのMOD使わせてもらいました。
基本的に箱コンなので、キーボード操作に切り替えるには、一度外さないといけないのですが、
初代の箱コンはこの繰り返しでおシャカにしちゃったので、ちょっと慎重にやりました。
ですので変な部分もあるかと思います。
しかし、ホントすごいMODですね^^
大事に使わせていただきます^^

明けましておめでとうございます。
いつも読んでいただいている読者の方々には感謝に耐えません。
皆様の益々のご健勝をお祈りいたします。

今年もどうぞ、愚筆ではございますがよろしくお願いいたします。

さて今回の物語ですが戦争ものになっております。
読み応えがあるよう、はたまた見所があるよう十分に考慮して作成させていただきました。
しかしながら、お読みなられる方々の中には、非常に不快に思われる描画もございますのでご注意ください。

新年一発目の【スカイリム・オリジナル・ストーリー】

お楽しみくださいm(_ _)m

2016年  1月2日  作者より

1

ウィンドヘルムは北西に位置するスカイリム最古の街である。
かつてノルドの英雄イスグラモルが500の同胞団を引き連れて、ここよりエルフ達を追い出した。
その後の建造物で、スカイリムのノルドたちに取って非常に歴史ある都市でもある。
アンソール山脈の南側に寄り添うように石造りで建てられたこの城は、
200年以上の年月が経とうとも、その堅牢さは未だ健在である。

またこの地は、スカイリムにおいて最も降雪量の多い地域として有名である。
そのため作物が育ち難く、物資の調達は他の町からの援助がほとんどだった。
しかも本格的な冬将軍が訪れれば、完全に陸の孤島になってしまうほど厳しい環境である。

そんな場所だからこそ人々は知恵を出し合って生きる術を編み出す。
干物や冷凍に至るまで、保存のためのあらゆる知識は他の地域の類を見ない。
そのため食料の備蓄は、他の都市に比べて遥かに多い。
今現在ウィンドヘルムに住む人々を飢えさせることなく、約半年は援助なく過ごしていけるだけの蓄えがある。

2

テュリウスはウィンターホールドの陥落に成功すると、休む間もなくウィンドヘルムへ進軍した。
彼は停戦協定が結ばれた時点から、既にウィンドヘルムまでの攻略策を練っていた。

参謀役であるリッケは、かつてウルフリックの元にいた人物であったため、この城について最も詳しい人物だった。
食料の備蓄が多いこの城には兵糧攻めは効果がない。
ということは短期決戦が必然となる。

前述通りこの城の後ろにはアンソール山がそびえ立っている。
入口はホワイト川に掛かる巨大な石造りの連絡橋を渡った巨大な正門と、そして港工の奥にある隠し扉の2か所。
いずれも城の南側に位置している。

本来ならば敵の正面に陣を敷きたいところだが、リフテンからの後方支援の可能性があるため不可能だった。

そこでテュリウスは、東と西の2方向から正門を狙って挟撃することにした。

3

一方は東側の海沿いに位置するユンゴル墓地周辺。
ここに【トレイターズポスト】と呼ばれる山賊たちの拠点があった。
これをたやすく一掃すると、このボロ小屋を本陣として置くことにした。

4

もう一方はウィンターホールドから南西に位置するカスタブ砦である。
ここにも死霊術士が数人いたが、あっという間に片付けてしまい陣取りをしたのである。

5

一方ウルフリックは、帝国軍来るの報を受けてから城の正面に陣取りをさせた。

6

さらにカスタブ砦からの挟撃を考えて、アンガの工場付近にも陣を敷いたのである。

7

彼は撃って出るよりもあくまで籠城をしたほうが、落ちにくいことを知っていた。
持久戦はこの土地にとって定石といえた。

8

しかし最初に動いたのは反乱軍だった。
ガルマルはウルフリックに進言した。
帝国は戦続きで兵士の疲労がピークに来ている。
今こそ初戦を制し、敵の士気を挫くべきだと。

そこでウルフリックは帝国軍の本陣を夜陰に乗じて攻め込むことにした。

ウィンドヘルム南側には三つの農場がある。
その一つであるフラール農場の脇道を上り、狩人のキャンプを横目にさらに東へ進む。
雪と氷に覆われた山の急斜面を足元に気をつけながら進むと、敵の本陣である【トレイターズポスト】が見えてくる。

9

彼らは事前に用意した油玉を陣に向かって無数に投げつけた。
さらに火矢を打ち込むと瞬く間に大火事になったのである。

帝国兵たちは何事かと右往左往し始めた。
慌てた兵が火を消そうと、手近にあった桶の水をかける。
油を含む炎は、広範囲に広がるばかりで、兵士たちの狼狽が余計に広がった。

反乱軍はさらに油玉に火矢を打ち込む。
すると今度はウィンドヘルム城から歩兵が攻め込んできた。

帝国軍は上と下の両方から挟撃を受け、ホワイト川に逃げ出し、【雪帳の聖域】まで陣を後退させざる得なくなった。

ウルフリックは初戦を見事な勝利で飾ることができた。

10

実はテュリウスは、この事態をおおよそ予測していた。
なので本陣といえどそれほど兵も置いていなかったのである。
ただし、自分がそこにいないとウルフリックは攻めてくる可能性も少ないと考えていた。

戦に置いて重要なのは地の利である。
地元である反乱軍にはそれがあるものの、帝国側にはそれがない。
まさに死地に身を置いていることになる。

ではそれを回避するにはどうすればいいのか?
最小の犠牲で最大の利益を。

この城を落とすには、こちらから仕掛けるよりも、
まずは相手の出方を見て、犠牲を少なくしジッと耐えることが重要だった。

11

本陣を落としたことによって、ウルフリックはややも浮かれていた。

ウィンドヘルムの東側には急斜面の山道がある。
この道は岩山に隠れているため、一見するとただの山の群れにしか見えない。
ただここを上り切ると丁度カスタブ砦の裏手に出るのだ。

彼はテュリウスに目に物を見せてやる意気込みで、帝国に更なる追い打ちをかけた。
翌朝数十名の兵を引き連れてこの坂を上り、砦の裏から侵入。
突如として姿を現した反乱軍に帝国兵は浮足立ち、防戦一方になる。

しかし時の声とともに【アンガの工場】付近に陣取っていた兵も正面から現れ、二方向からの挟撃を受けてしまった。

12

カスタブ砦は瞬く間に占拠された。

13

反乱軍は初戦の2戦を制したことで喜び喚起し、
【帝国弱し!】【テュリウス腰抜け!】【ウルフリック万歳】
の三拍子の声で包まれ、ハチミツ酒を浴びるように飲んだ。

14

しかしテュリウスはこの機会を見逃さなかった。
密偵の報告を受けると、彼は今まで耐え続けていた物を吐き出すように、部下たちに矢継ぎ早に命令を下した。
そしてウィンドヘルムに総攻撃をしかけたのである。

15

一方はリッケ特使を大将に夜陰に乗じてホワイト川を渡り、正面の反乱軍に襲い掛かった。

15-3

酒に酔って眠りこけていた反乱軍は、突如として現れた帝国軍に完全に虚を突かれ右往左往し始めた。
明かりも乏しい中で敵味方入り乱れての乱戦状態となった。

16

さらにもう一方は、テュリウス自らが陣頭指揮を取り、ウィンターホールドからの援軍も加えカスタブ砦へ攻め込み、これをたやすく落とし進軍。
そしてアンガの工場付近の陣に襲い掛かると、これもいとも簡単に殲滅してしまった。
反乱軍は酔っぱらって酩酊していたため、帝国軍のされるがまま死体の山を築いていった。

快進撃を続ける帝国は、遂にウィンドヘルムを2方向からの挟撃に成功したのである。

16-3

これにはさすがの反乱軍も浮足立った。
慌てたウルフリックは正門を固く閉じ、入口に兵を集め虫一匹侵入させまいと必死に守りを固めた。
門の屋上から雨あられと反乱軍が火矢を浴びせる、油玉も一緒に投げ入れていたせいで、橋の上は大炎上。
湿り気のある強い寒風が炎を冗長させ、波ように帝国軍に襲い掛かり、彼らを灰になるまでまで焼き上げた。
反乱軍は辛うじて帝国の侵入を防ぐことができた。

その後、反乱軍は亀のように固く閉じこもって籠城せざる得なくなったのである。

16-4

一方帝国はウィンドヘルムという巨城を落すまでは行かなかったものの、反乱軍を徹底的に叩き追い詰めることに成功。
結果的に大勝利を治め、再びホワイト川を渡った。
トレイターズポストは燃え尽きてしまったので、そこからやや東にあるリフュージズ・レストに本陣を構えなおした。

しかし、反乱軍が籠城を決め込んでしまったせいで、帝国も容易には攻め込めなくなった。
そのためお互い睨み合いが続くようになる。

17

ウィンドヘルム正門前には焼け焦げた遺体が累々と続いた。
その殆どが帝国兵ではあるが、取り残された反乱軍の姿もそこにはあった。
この戦でストームクロークは兵の半数以上を失う大失態を犯してしまった。
城に閉じこもることで、なんとか帝国からの攻撃は防いではいたものの、ダメージが大きすぎ、すっかり意気消沈してしまった。

18

ポエットはホワイトランを制圧した後、すぐにカルダーをウィンドヘルムへ使わせた。
彼は丸一日かけて馬を走らせようやく到着することができた。

ウィンドヘルムの惨状を目の当たりにした彼は、簡単には入場できないことを悟り、少し南にあるカイネスグローブの宿屋にいた。

ウルフリックがいかに籠城を決め込んだとしても、どうしても門を開けなくてはいけない時がある。
それは【薪】である。
ウィンドヘルムは年間を通して降雪量が多いため、薪の保存に適していない。
そのために定期的に薪集めをしないと火が焚けなくなってしまう。

カルダーは門が開く薪集めの日を待つしかなかった。

19

カイネスグローブに到着してから2日後、ようやく開かずの門が開いた。
彼は皆が薪集めから戻ってくるの待ち、一緒に紛れ込むとようやく城へ入ることができた。

昔馴染みの衛兵に話をし、王宮の間に通してもらった。

20

ウルフリック
『貴様が姿を現したということは、ようやくナディアの気持ちも決まったようだな』

カルダー
『・・・』

ウルフリック
『我々に味方するということでいいんだな?』

カルダー
『さぁ・・・?』

ウルフリック
『さぁ?』

カルダー
『手紙を預かってきた』

ウルフリック
『手紙?』

21

ウルフリック
『カルダー・・・・これは本当の事なのか?』

カルダー
『ああ』

カルダーはぶっきらぼうに答える。

ガルマル
『何と書いてある?』

ウルフリック
『ナディアがホワイトランを落としたと』

ガルマル
『なんじゃと!?ちょっと見せてみろ!』

22

ウルフリック
『どうやって落としたんだ?』

カルダー
『さぁ・・・?』

カルダーはなぜか首をかしげて否定的な態度をとる。

ウフルリック
『さぁ!?どういう意味だそれは!?』

ウルフリックが勢いあまって問い詰める。

カルダー
『わからない』

ウフルリック
『わからないってお前、ナディアと一緒にいたんじゃないのか?』

間髪入れずガルマルが割って入ってきた。

ガルマル
『こうも書いてあるぞ。間もなく帝国がウィンドヘルムから撤退するだろうと。
そしてウィンターホールドも手放すだろうから、すぐにこれを占領せよと』

ウルフリック
『帝国が撤退?ホワイトランをナディアが落としたからって帝国が撤退するって言うのか?』

23

ガルマル
『どうもよくわからんな・・・おいっ、カルダー、何故撤退するんじゃ?』

カルダー
『さぁ・・・?』

24

カルダーの否定とも肯定ともとれない態度にウルフリックは苛立った。
彼の首根っこを掴むと顔前で怒鳴り散らす。

ウルフリック
『貴様ふざけてるのか!!!』

カルダー
『いいや?』

ガルマルが再び割って入った。

ガルマル
『いや、待て!』

皆がガルマルに注目した。

25

ガルマル
『カルダー、ここに書かれていることは本当の事なんだろうな?』

カルダー
『ああ』

ガルマル
『わかった。お前は下がってろ』

26










27

ウフルリック
『ガルマル!いったいどういうつもりだ!?なぜ奴を下がらせた!?』

ガルマル
『落ち着けウルフリック!』

ウルフリック
『これが落ち着いていられるか!?』

ガルマル
『もしこの内容が本当なら、ホワイトランからソリチュードまで最短距離で伺うことができる』

ウルフリック
『だからなんだ!?』

28

ガルマル
『今の帝国にとってソリチュードは喉元だ!ここを狙われたら!いかにテュリウスと言えど兵を引かざる得ない!』

ウルフリックは喉を詰まらせた。

ウフリック
『じゃぁ、ホワイトランが落ちたのは本当なのか?』

ガルマル
『その真偽はわからん。だがもし本当ならば、近く帝国は撤退するはずだ』

29

ウルフリック
『そういうことなら、奴は何故話さなかったんだ?』

ガルマル
『おそらく余計なことを話すなと言われとるんじゃ』

ウフルリック
『余計なこと?』

ガルマル
『お前がさっきナディアが反乱側につくのかと聞いたら、答えをはぐらかしたじゃろ』

ウルフリック
『ああ』

29-1

ガルマル
『ナディアは使者を連れてこいと言っとるんじゃ』

ウルフリック
『なんの使者だ?』

ガルマル
『ホワイトランを手土産にするからその見返りを寄越せと言っとるんじゃ』

ウルフリック
『・・・交渉の使者か・・・ってなんだと!?』

後半彼は声を荒げた。

30

ガルマル
『ホワイトランは我々にとって必要だ!
ナディアも必要だ!帝国に勝つにはあの女が必要なんだ!』

それ以上にガルマルは声を粗ぶり、ウルフリックの首根っこを掴んでいた。

ガルマル
『すまん・・・』

彼はハッと気づくと、掴んだ手を放した。
ウルフリックは一呼吸置いて自分を落ち着かせた。

31

ウルフリック
『なにを・・・何を要求してくると思う・・・』

ガルマル
『わからん・・・だがこの窮地を脱出できるのならば・・・選択の余地はないだろう』

反乱軍は現在窮地に陥っていた。
最もな要因は初戦の2戦を勝利したものの、その後の帝国の逆転劇に完全に士気を失いつつあった。
にも関わらず、やけ酒まで飲み始めている。状況は最悪に近かった。

それでもテュリウスは手を抜くことはなかった。
膠着状態が続くと、彼は実戦を全く行わず、諜報戦を仕掛けて来た。
その狙いはダンマーとアルゴ二アンであり、彼らを焚付け内側から門を開けるよう画策したのだ。

それはカルダーが到着する2日前に起きたことだった。
ダンマーの動きが妙だということを、エルフのニラナイが嗅ぎつけ、近くの衛兵に密告。
全てのダンマーとアルゴ二アン達を逮捕監禁することで未然に防ぐことができた。
しかし、これはガルマルを通すことなくウルフリックの独断で行われていた。

31-1

これが一部のノルド達の反感を買った。
ウィンドヘルムではダンマーとアルゴ二アンは迫害の対象となっている。
だが彼らの中にはノルドを頭とし、商売を行っている者も少なくない。
貴重な労働力を奪われたことに、ウルフリックに反感を持ち始めていたのである。

ガルマルはウルフリックに何度も訴えたのだが、まったく聞く耳持たずの状態だった。
実際彼自身、猜疑心に苛まれ始めていたのだ。

そんなときに来たナディアの助け舟である。
ウルフリックももちろんだが、ガルマルは藁にも縋りたい思いだったのだ。

32

テュリウスの元に知らせが届いたのは、カルダーがウルフリックに手紙を渡してから3日後の夕方ごろの事だった。

テュリウス
『クッソー―!あの女狐め!!!!』

テュリウスは怒号を放ち近くにあったものを力いっぱい蹴とばした。

リッケ
『・・・将軍』

テュリウス
『撤退だ!撤退の準備をしろ!』

アルディス兵長
『将軍!まずは情報の真偽を確認してからでも・・・』

テュリウス
『情報の真偽だと!?馬鹿者目が!!!
バルグルーフが直接言ってきてることが何よりの真実だろうが!!!』

ホワイトランが反乱軍の手に堕ちたという報は、瞬く間に帝国軍をウィンドヘルムから撤退させた。

ナディア達がホワイトランを落としてから既に6日以上が経過してた。

一人の小さな女性の策略は見事に功を奏したのである。
そしてこの事がスカイリムの情勢を一気に変化させたのだ。



ポチットお願いしますm(_ _)m

<備考>

【油玉】
主に牛や豚の腸などを一度乾燥させ、適当な大きさに切り分ける。
切り分けた干物を一晩かけて水戻しし、片方を固く縛り付け、
ここに点火しやすい獣油を注ぎこみ、風船のようにパンパンに膨らんだところでもう片方を縛り付ける。
投げつけ、物に当たると破裂し中身が飛び出る・・・かもしれない作者独自の想像物w

【トレイターズポスト】
日本語版スカイリムでは『裏切り者の位置』と翻訳されているが、
誤訳らしいので原文をカタカナで表記しました。

【ニラナイ】
ウィンドヘルムで働く金物屋の女ハイエルフ。
ハイエルフの中でも得に好戦的なのはサルモールという組織。
なのでハイエルフといえど全てのエルフが戦争に参加しているわけでない。
スカイリム各地には、サルモールとは関係のないハイエルフが多数生活している。

1

汚職の街、犯罪の街、盗賊の街

リフテンには様々な病名があった。
この街を取り仕切る者【ライラ・ロー・ギバー(Low-giver 立法者)】
その名の通りとはよく言ったもので、彼女がこの街の首長である。
しかし、この街で彼女を首長として認める者はごくわずかだった。

様々な問題を抱えた街が、街として成り立っている理由。
それは、この街の裏社会を仕切る人物がいるからだ。

【メイビン・ブラック・ブライアー】

彼女を怒らせてはいけない。
これがこの街の基本ルールである。
2

彼女はスカイリムで有名なブラック・ブライアーハチミツ酒の製造主である。
街のすぐ傍には、ホンリッヒ湖という湖がある。
この湖に浮かぶ小島で、自らの広大な敷地の養蜂場を所有している。
これがブラック・ブライアー家の主な収入源となっている。

しかしこれは表の話。
本当のところは誰も知らない。知りたくもないと言ったところだろうか。

何れにせよ膨大な資金力のある者が、この街の真の支配者となっていることは間違いない。
つまりは、首長でさえ彼女には逆らえないと言ったところである。

ホワイトランのクーデターを終えた後、ポエット達がここに急ぎ向かったのには理由があった。

【守りを固めるためのリフテン兵を借りること】
3

いくらウィンドヘルムから帝国兵が撤退するとしても、テュリウスも馬鹿ではない。
守りながら周囲に情報網を敷きつつ、撤退するはずである。
となれば隙あらば牙を剥く瞬間を狙ってくるということだ。
実際ドーンスターよりモーサルを含む西方は帝国領となっているため、テュリウスがホワイトランを伺うには十分な可能性があるのだ。
だが、本隊であるテュリウスの軍をホワイトランへ向けるには、何れの地域から進軍するとしてもどうしても時間がかかってしまう。

つまりはその時間を利用して、リフテンから兵を借り、防備に充てるということである。

とはいえこれには大きな壁が立ち塞がる。
それが【メイビン・ブラック・ブライアー】である。

ポエットは軍役していた頃、リフテンには伝達兵として何度か赴いたことがあった。
なのでこの街の情勢は理解していたものの、メイビンという女性だけは素性が掴めずじまいだった。
ハチミツ酒醸造所のオーナーであり、養蜂場の主であることは知っていたが、
たったそれだけの事でこの街の首長であるライラに対し、殆どため口ともいえる態度で接することができる物なのか?と。
4

ナディアの家に向かう時、カーリアに初めてその真実を教えてもらうことができた。

カーリア
『彼女はスク―マの売人よ。それも随分貴重なレッド・スクゥ―マのね』

ポエット
『レッド・スクゥ―マ?』

カーリア
『リフテンからちょっと西に向かったところにレッド・ウォータ―の隠れ家ってところがあるのよ。
そこの地下には赤い水が沸いているらしくて、何なのかは解らないけど、それをスク―マーに加えて作ってるって話だわ』

ポエット
『それを売りさばいているんですか?』

カーリア
『そうなんだけど、どこに売っているかはわからない。ただ彼女が帝国にもアルドメリにも顔が通じているってことは事実ね』

ポエット
『ならそこを潰してしまえばいいじゃないですか?』

カーリア
『あなたもナディアに関わるなら知っておいた方がいいわ。メイビンは私たち盗賊ギルドのパトロンよ』

ポエット
『えっ!?』

カーリア
『それに彼女に関わっているのは人間種だけじゃない。明らかに人外の者も含まれてる。
ナディアがギルドに関わった際にも忠告したけど、彼女に手を出すことは絶対に許されないのよ』

その時の彼女にはそれ以上何も言えなかった。

そう、ナディアの資産を知るまでは。

彼女は武力ではなく舌三寸と金の力でホワイトランを無血開城させた。
ナディアはどちらかというとお金に対し無頓着なところがあり、その管理はリディアが一人で行っていた。

が・・・
5

リディア
『そうねぇ~不動産だけでもホワイトランのブリーズホームにリフテンのハニーサイドでしょぉ・・・以後割愛

スカイリム
ホワイトラン ブリーズホーム
リフテン   ハニーサイド
マルカルス  ヴリンドリルの間
ウィンドヘルム ヒジェリム
ソリチュード ブラウドスパイヤー邸
ドーンスター ヘリヤ―ケン・ホール 
モーサル   ウィンドスタッド邸  
ファルクリース レイクビュー邸   

ソルスセイム島
レイヴンロック セヴェリン邸

そしてここエリジウムエステート
5-1

それ以外にも現在の自宅には、大量の宝石から調度品、膨大なインゴットから金貨に及ぶまで、
金額に置きなおしてみても、巨大な城を20から30は平気で持てるほど溢れていた。

山賊やモンスター退治などから得た賞金、またその戦利品の数々。
錬金術などに使用される稀少価値の高いモンスターの部位や植物。
またはそれによって生み出される高価な薬の品々。
各町の商店街への投資。
または自らが鍛冶場に立ち、武器防具などあるいはオリジナルの品々を製造、そして販売。

いかに冒険という混沌の中で、ハイレベルな経験をこなして来たかが伺えた。
それでも街の規則に従い、毎月一定の税も各町ごとに支払っているというのだから驚きである。

ナディアという人物が、ドラゴンボーンである以上に、途方もない資産家であることは間違いないが、
それを微塵も感じさせないところが、ポエットには魅力だった。

兎にも角にもこれだけの資産があれば、街一つ買い取るくらい平気なはずである。

とはいえナディアには上級王になってもらわなければいけない。
リフテンの首長はライラを据え置き、そしてメイビン以下悪党どもを排除。
そのためには立法者たるライラの【権威復興】をしなくてはいけなかった。
6

ブリニョルフ
『いきなり現れて、ギルドを移転しろだと!?ふざけてるのかお前は!?』

以前ポエットに肩無しにされた彼だったが、今回は違った。

ブリニョルフ
『おい!ナディア!お前マスターのくせにこんなこと了解するのか!?』

ナディア
ブリブリ~話聞いてよぉ~^^;』

ブリニョルフ
『これが黙ってられるか!?それにその呼び方やめろって言っただろう!

ポエット
『私は本気です!』

ポエットは負けじと一際大きな声で言った。

ポエット
『ギルドの皆さんに聞きたいことはただ一つです。
この先メイビンの援助を受け続けて、このギルドが本当に存続できると思いますか?』

ヴェックス
『今まではそれで旨くやってきたヨ』

6-1

ポエット
『今まで?・・・これからはどうです?
カーリアさんから話は聞いてます!彼女は明らかに悪事に手を染めている!
あなたたちはどう言われようともアウトローであることには変わりありません!
反乱軍がもしこの戦に勝つことがあれば、今度は帝国との本格的な戦争になります!
いえ!アルドメリかもしれません!
メイビンは!!
帝国にもアルドメリにも顔が効く!
自身の身に危険が及ぶと思えば、あなたたちなんて簡単に切り捨てますよ!! 

ポエットの声がホールに木霊し、その場が一瞬静寂に包まれた。

デルビン
『なら、他に方法があるのか?俺たちが存続できる方法だ』
6-2

ブリニョルフ
『おい!デルビン!』

デルビン
『お前だってメルセルが何をしたか覚えてるだろう?』

ブリニョルフ
『うっ・・・』

デルビン
『闇の一党だって、帝国とアルドメリの大戦のせいでブルーマから移転せざる得なくなったって話だ。
戦争は俺たちの場所も間違いなく奪いに来る。他に方法あるなら・・・俺は聞くべきだと思う』
7

ポエットはブリニョルフを睨みつけた。
ブリニョルフは肩の荷をおろし、観念した表情で”わかった”と了解した。

ブリニョルフ
『で?どこに引っ越せばいいんだ?』

ポエット
『それについては現在検討中です』

ブリニョルフ
『検討中?じゃぁメイビンの代わりは!?』

ブリニョルフは再び苛立ちを見せた。

ポエット
『それなら、ナディアがいます』
8

ブリニョルフ
『じょ、冗談だろ!こいつは確かに、俺たちの中でも間違いなく腕はピカイチだ!
ギルドを立て直してくれたのもこいつだ!そいつは認めるさ!
だがギルドのパトロンをするってのは、訳が違うんだぞ!』

ナディア
『幾ら出せばギルドのパトロンになれるの?』

ブリニョルフ
『え?』

ナディア
『幾ら出せばみんなを守ってあげられるの?』

ブリニョルフ
『そ、それは・・・』
9

ナディア
『私がさ、このギルドに入った時に言われたのはさ、お金持ちから盗んでいるんだって聞いたのね。とくに悪党のね。
でもさ、そこにいる新しく入った人達だとか、幹部以外の人たちに話を聞くとさ、お金持ってない人達から物を捕ったりしてるのね。
例えばウィンドヘルムの石地区とかさ、リバーウッドの商店とかさ、リフテンだってバリマンドの家に押し入ってるんだよ。
それにハニーサイドの私の家まで入ってこようとしたことあったんだよ。
まぁ私の家はいいとしてもさ、どう見たって関係のない弱い人たちから盗んでるじゃん?滅茶苦茶だよね?』

みなが押し黙る・・・

ナディア
『このギルドはさ、義賊的な考え方があるのかな?って私は思っていたのね。
でもさ、メイビンがいるから必要のない犯罪を犯しても、お金払えば許してもらえるっていう変な習慣ができてるんだよ』

彼女の言葉に誰も言い返すことができない奇妙な空気が流れた。

ナディア
『ギルドには守るべき信条がある』

ゆっくりとした口調でそう言うと、ブリニョルフを睨みつけた。

ナディア
『お前・・・私にそう言ったよな?』

ブリニョルフ
『えっ・・・』
10

ナディア
『おぃ!ブリニョルフ!おめーに聞いてんだよっ!これのいったいどこに信条なんてあるってんだ!?ああっ!?』

ナディアは近くにあった【物?】を蹴とばし、聞いたこともない怒号を放った。
彼女の表情は鬼のように怒り狂っていた。
普段が普段なだけに、彼女の変わりように皆が驚愕する。

ナディア
『メイビンなんてクソババア頼ってっからそうなるんだよぉ~!』

11

隣にいたポエットさえ驚きが隠せずにいた。
ふと最初に出会ったときの事を思い出す。

ナディアを怒らせるとこうなると・・・

皆が突然の出来事に呆気に取られてしまった。
12

カーリア
『ナ、ナディア・・・お、お、おちついて^^;』

カーリアは下腹部に落ちた言葉を必死に押し上げて、震え気味で口にした。
13

ナディア
『私だって無意味な殺しをしたり、酷いことも沢山してきた。
悲痛に叫ぶ人たちを見て、助けてあげられらなかった事もあった。
メイビンに関わってたら、盗賊ギルドも盗賊ギルドじゃなくて殺人ギルドに変わっちゃうんじゃない?』

ナディアはいつの間にかいつもの表情に戻っていた。

ナディア
『ナディアはさ、ギルドマスターだけどさ、ここにいる人たちにそんな意味のないことなんてさせたくないのね。
もちろん、泥棒なんていいことじゃないけどさ、今の世の中には必要不可欠だとも思うのね。
だから否定もしないよ。ただメイビンに関わるのだけはやめた方がいいと思うよ^^』

ポエットは思った。状況から判断して正論を述べることしかできない自分よりも、
ナディアのように同じ背丈で相手を見、感情に訴える事ができれば、より効果が高いのでは?と。
あの激高と若干ズレタ性格が、多くの者を付き従わせる原動力。
あれは自分には真似できそうもない・・・
14

カーリア
『ポエットの言うことにも一理あるし、ナディアの言うことにも一理あるのは確かよ。
あの女は自分の利益のためなら自分の家族に殺しをさせたり、不必要なら牢に閉じ込めたりもしてる。
私たちだけが例外と言うのは難しいと思うわ』

デルビン
『俺もそう思う・・・』

ヴェックス
『あたいもそう思うよ・・・』

多くの仲間を守ろうとする者は、兎角保守的で慣習に慣れやすい。
ブリニョルフはその典型と言えるのかもしれない。

彼は一呼吸置くと口を開いた。
15

ブリニョルフ
『なぁ、この件はもう少し俺たちで話合いをさせてくれないか?期待するほどではないかもしれないが、色は付けるぜ』

カーリア
『私もそのほうがイイと思うわ』

さすがにポエットもナディアもそれをダメとは言えなかった。
だが盗賊ギルドを説得させることにほぼ成功したと言えるだろう。
16

プロベンタス
『あの~そのぉ~』

プロベンタスがバツが悪そうに手を挙げて出てきた。

プロベンタス
『お取込み中もうしわけないんだがなぁ~・・・』
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ナディア
『あっ!ごめん!プロベンタス忘れてたw』

ブリニョルフ一同最初は何事かと驚いていたが、理由を説明し暫く預かってほしいと願い出ると、それほど抵抗することなく受け入れてくれた。
18

次はライラとの接触だった。
彼女は基本的にミストヴェール砦から出てくることがない。
だがどうしても密会を開く必要があった。

彼女には二人の息子がいる。長兄のハラルドと弟のサエルンド。
ハラルドは反乱押しだったが、弟は真逆だった。

ハラルドは一日に一回、外に剣術の訓練をしに出てくることがある。
19

リフテン衛兵を務めたこともあるイオナには、隠密で衛兵に変装してもらい彼と接触してもらった。
【ドラゴンボーンが首長と内密に話をしたがっている】という内容で手紙をしたためた。
20

翌日の真夜中にミストヴェール砦の作戦室にてライラと密会を開くことができた。
ただし彼女の私兵であるアンミッドと息子のハラルドも一緒だった。

ライラ
『私に何の用だ。内密な話などらしくもない・・・』

ポエットが横から顔を出す。

ポエット
『始めましてライラ首長^^』

ライラ
『そちらは?』
21

ポエット
『私はポエット、ナディア様の従者です^^』

ライラ
『ナディアの従者だと・・・?』

ポエット
『単刀直入にお伺いします。首長はメイビン・ブラック・ブライアーを信用しておられますか?』

ライラ
『メイビンを信用しているかだと?そんな事を聞きに?』

ポエット
『はい』

ライラ
『彼女にはこの街の秩序の一部を任せてある。
特に盗賊ギルドに関しては、彼女が必ず一掃すると私に約束した。
私には結果がすべてだ。彼女の申し出が成功することを願っているだけだ』

ポエット
『彼女が盗賊ギルドのパトロンだとしても?』

ライラは苦顔をみせた。

ライラ
『な、なに!?』

ポエット
『彼女が盗賊ギルドを支えているんです』

ライラ
『証拠はあるの?』
21-1

ナディア
『ナディアがギルドマスターだよ^^』

ライラが驚く。

ライラ
『なっ!なんですって!?』

22

瞬時に空気が殺伐とする。
アンミッドとハラルドがライラを守るように構えた。

ポエット
『まっ!待ってください!!』

ポエットが慌てて静止に入る。

ポエット
『私たちは争いに来たわけではありません!』

アンミッド
『じゃぁ目的はなん
だ!?』
23

ポエット
『ライラ首長の権威復興です!』











24

ライラ
『権威・・・復興ですって・・・?』

ポエット
『はい!そのためにもメイビンを排除しないといけません!』

ライラが二人を落ち着かせると、イオナも抜いた剣をひっこめた。
彼女は一呼吸置くと椅子に腰かけた。
25

ライラ
『話を聞こうじゃない・・・』

ポエットはリフテンの現状を説明し、どうメイビンを排除すればいいのか、綿密に練った策をライラに言って聞かせた。
彼女は時折驚いた表情を見せるが、納得し首を縦に振ることもあった。
ライラの質問に対し、ポエットは毅然とした態度で返答する。
お互い抜かりがないことを確認し合うと、ライラは言った。

ライラ
『気になるのは、あなた方が望んでいる見返りは何?』

当然の質問だった。

ポエット
『ホワイトランを守るために、リフテンの兵を貸してほしいんです』

ライラは少し考えた後、口を開いた。

ライラ
『私の権威復興に手を貸してくれることはありがたいけど、それは難しい話だわ』

ポエット
『首長がおっしゃりたいのは帝国の動きですよね?』

ライラ
『その通りよ・・・リフテンはシロディールとの国境沿いの街。
いつ帝国が兵を送り込んでくるかわからない。
ここの首長である以上、私にはこの街を守る義務があるのよ』

ポエット
『首長の懸念は最もだと思われます。しかし、私の見立てでは帝国は援軍を向かわせることはありません』

ライラ
『自信がありそうね?どうして?』
26

ポエット
『理由は三つあります。
一つは、帝国はアルドメリとの大戦で大きなダメージを負っているということ。
テュリウスは内戦鎮圧のために1万程度の兵しか与えてもらえませんでした。
彼は現地調達を余儀なくされたんです』

ポエット
『二つ目は、内戦における停戦協定です。
私が思うにテュリウスという人は戦略には長けてますが、外交内政に関してはてんで疎い人物だと見ています。
その証拠に、その当時帝国領だったファルクリースをドーンスターとの交換に容易に応じました。
リフテンを反乱軍が所有している以上、ファルクリースは帝国にとって最も近い玄関口のはずです。
これを簡単に手放すということは、援軍は来ないと自ら口にしているようなものです』

ライラは苦顔し神妙な面持ちでポエットの話に耳を傾けた。

ライラ
『うむ・・・』

ポエット
『そして三つめは、今です』

ライラ
『今?』

ポエット
『現在、ウィンドヘルムは帝国軍と睨み合いの状況にあります。
これは戦況が帝国に傾いたせいもありますが、
テュリウスにしてみれば本来シロディールからの援軍を送ってもらい、
リフテンを襲う絶好の機会と言えるでしょう。
・・・でも来てません』

ライラ
『・・・確かに』

ポエット
『以上の3つが援軍が来ない理由です』

ライラはポエットの話に関心していた。
正直これほど自分にズケズケと物を言ってくる人間も、最近ではメイビンくらいだったが、
ポエットの話には奇妙な含みを全く感じなかった。
しかし・・・

ライラ
『でも・・・残念だけど援軍は出せないわ』

ポエットは驚く。

ポエット
『え?どうしてですか?』
27

ライラ
『その話を聞いた以上、私たちが最初にやることはウィンドヘルムへの援軍よ』

ポエット
『それならご心配いりません^^』

ポエットは帝国がウィンドヘルムから撤退する理由を説明した。
28

ライラ
『私の権威が復興できたとして、兵を持たない首長なんて話にならないわ』

アンミッド
『首長、この話を鵜呑みにするつもりですか?』

ライラ
『もちろん、私は憶測よりも結果を重視する人間よ。彼女の策が実ったらの話に決まっている』

ライラ
『だから、成功すればあなたの望むだけの兵を貸してあげるわ』

ポエット
『ありがとうございます^^』
29

密会の後、ライラは早速ポエットに言われた通りに行動を起こした。

リフテン監獄にはメイビンの孫である、【シビ・ブラック・ブライアー】が囚われている。
彼が前述でカーリアが語っていた男であり、家族のために殺しまでする悪漢であった。
だが街の権力者であるメイビンの名の元、彼の待遇は自宅の部屋と変わらず装飾品から家具に至るまで高級品を揃え、おまけに食事まで特別扱いされていた。

だがこの事をライラは知らされていなかったのだ。

手始めに彼女は、シビの待遇をもっと刺激的なものに変更させることにした。
30

素っ裸にし両手を縛りあげたシビを連れ、まるで見せつけるが如く中心街を歩かせる。
イオナが先頭に立ちシビを挟んで衛兵が付いていく。

シビ
『おい!俺をいったい何処に連れていくつもりだ!?』

イオナと衛兵は何も言わない。

この様子をメイビンが目にしていた。
彼女は驚いた表情でイオナに問い詰める。
31

メイビン
『お待ちなさい!!これはいったいなんのつもり!?』

彼女は自分の家族が辱めを受けていることに憤慨し、上目目線で怒鳴った。

イオナ
『首長の命令だ!そこをどけっ!!』

イオナはお構いなしに怒鳴り返す。
彼女は寸分も狼狽(うろた)えることなく、逆にメイビンを強い眼光で睨みつけた。

メイビン
『首長ですって・・・?』
32

メイビンは驚愕する。

イオナ
『申し出があるなら首長に直訴することだな』

そう言い放つと、彼らはラットウェイに姿を消していった。
33

メイビン
『首長!?』

メイビンは砦に入るなり、いきなり怒鳴り声でライラを指名した。

メイビン
『私の家族があのような辱めを受けるとは一体どういうことなの!?』

ライラは平然と答える。

ライラ
『メイビンか。どうした?何か問題でも?』
34

メイビン
『問題も大問題よ!先ほど衛兵に連れて行かれた男は、私の孫だ!
私はただお灸を据えるためだけに牢に入れておいたのだ!
あのような扱いをするのなら即刻釈放を求める!』

ライラ
『釈放?』

メイビン
『そうだ!!今すぐ私の権限で釈放しなさい!!』

彼女は完全にいきり立っている。

ライラ
『それはおかしな話ね?』
35

メイビン
『お・か・し・い~?』

ライラ
『私の調べでは、あの男は連続殺人鬼よ。それも重度のね』

メイビン
『はっ!いったい何を根拠にそのような事を言っているのか!?説明してほしいものね!?』
36

???
『直接本人から聞いたんだよぉ^^』

メイビンが怒りの形相で声の方に目を向ける。






37

メイビン
『ナディア!?』

彼女はしばし硬直し、一息してから再び口を開いた。
38

メイビン
『ははははははっ!』

メイビンが嘲笑する。

メイビン
『なるぅほ~どぉ~そういうことですか。あなたは私を売ったわけですね』

彼女の眼は細くなり、ナディアを嘲る視線を送った。

メイビン
『あなたがどれほど身のほどを弁えていないか、よ~くわかりましたよ』
39

彼女は開き直りナディアに指さし言った。

メイビン
『首長!あの女は盗賊ギルドのマスターよ!今すぐ逮捕なさい!!!』

40

ライラ
『知っている』

メイビン
『・・・え?』

ライラ
『だが、今はその話をしている訳じゃない。お前の孫の話だろ』

メイビンは硬直してしまった。

ライラ
『何か申し開きはあるのか?』
41

メイビンはショックのためか何も答えない。

ライラ
『何もなさそうだな。ならば私から話そう』
42


ライラは隣に座っている執政のアヌリエルに目を向けた。

ライラ
『アヌリエル』

アヌリエル
『は、はい・・・』

彼女の声は震え掠れていた。
そしてライラは言った。

ライラ
『メイビンの横に立て』
43

アヌリエルは無言のまま身を震わせ、メイビンの横に立った。
その表情は明らかに血色がない。
43-1

そしてライラは二人の前にある手紙を投げ捨てた。

ライラ
『さて、お二方。その手紙の内容を説明してもらおうか?』
44

メイビンは気が付いたように手紙を拾うと、読むこともなく丸めて口に放り込み、丸呑みしてしまった。

ナディア
『ああ!食べっちゃった!?』

メイビン
『手紙?いったいなんのことです?』

ライラはあきれ顔でため息をついた。

ライラ
『まったく・・・お前という女は、どこまでも往生際の悪い奴だな』

そう言うと彼女は腰の下にしまっていたもう一枚の手紙を取り出し、開いて二人に見せた。
45

それを見た二人は開いた口が塞がらない。

実はこの手紙、ポエットがカーリアに頼み、事前にアヌリエルの寝所からこっそり盗み出していたものである。

知者は知者に溺れるという。

ポエットはメイビンの狡賢さを読み取り、おそらく破り捨てるか食べるだろうとライラに伝えていた。
なのでワザと偽物を床に投げ捨てたのである。
46

ライラ
『この内容によると、アヌリエル、お前は私に隠れてシビの待遇を良くしていたようだな?』

アヌリエルは土下座して謝りだした。

アヌリエル
『首長!申し訳ございません!申し訳ございません!』

ライラ
『お前に問い詰めることはもうなさそうだ。衛兵!連れて行け!
47

アヌリエル
『首長!どうか!どうかおゆるしぉ~ぉぉおおお』

彼女は衛兵に両腕を掴まれ連れて行かれた。
48

メイビンは興奮した牛のように鼻息を荒げる。

メイビン
『わ、私をどうするつもり・・・?』

ライラ
『うん・・・お前は追放処分とする』

メイビン
『追放?私をこの街から追い出すということ?』

メイビンは再び嘲笑する。
49

メイビン
『やはり!
お前は私には何もできない愚か者だ!
暗愚な首長なのだ!
私を追放ですって!?
はっ!!笑わせる!
そんなことをしてみろ!
街の人間はお前の言うことなど何一つ聞かなくなる!
そればかりか街自体が立ち行かなくなる!
そんなこともわからないのか!?』

ライラ
『メイビン!』

50

ライラは怒り顔でメイビンの胸倉をつかみ言い放った。

ライラ
『私は貴様を信じていた!にもかかわらず貴様は私を裏切り続けてきた!この報いは受けてもらうからな!』

メイビンの両目が見開き、額に冷や汗が流れる。

ライラ
『お前の資産はすべて凍結した!養蜂場からハチミツ酒醸造所!お前の家!別荘!そしてっ!レッドウォーターの隠れ家もだっ!!!』

メイビンは開いた口が塞がらず呼吸が震え始めた。

ライラ
『あそこは以前、リフテン兵を差し向けてスクゥ―マの一掃をさせたところだ。
にも関わらず!?お前はそれを都合よく利用し、息子のヘミングと一緒に売人までやっていたそうだな!?』

51

彼女は力なく項垂れほぼ観念した様子だった。

ライラ
『申し開きもなさそうだな・・・衛兵!!

衛兵
『はっ!』

ライラ
『この者を我が町の慣例に従って処罰し、国境沿いに捨ててこい!息子のヘミングも一緒だ!』

衛兵
『了解しました!!』

ライラ
『お前ら二人はリフテンからの追放ではなく、
スカイリムからの永久追放だ!』
52

メイビンとヘミングは着ている衣服を剥ぎ取られ、街中を一周させられた。
これはリフテンの規則であり、ライラがいかにスクゥーマという麻薬を嫌っているかという見せしめでもあった。
それでも二人を生かしておいたのは、ライラの温情でもあったのだ。
53

その後、彼ら二人はシロディールの国境付近で捨てられた。
54

衛兵は彼らにこう言った。

『この線を超えて戻ってきたら、その首が飛ぶぞ』

『死にたくなければ、早めに着る物と武器を調達するのねw』

『お前らはハチミツの臭いが染みついてるから、クマさんたちとお友達になれるだろう』
55

メイビンは”帝国兵を連れてきて、報いを受けさせてやる”などどほざいていたが、誰一人耳に入るものはいなかった。
56

リフテンのラットウェイと言えば、盗賊ギルドの本拠地がある。
だが、更にその下には精神異常者を閉じ込めておく【ラットウェイ・ウォーレンズ】がある。
すでに何人かの住人が住みついているその場所に、シビを閉じ込めることにした。
57

盗賊ギルドの次の当留置が必要だった。
そこでナディアとイオナはレッド・ウォーターの隠れ家を視察。
中に吸血鬼やらその従徒などが蔓延っていたので大掃除することにした。
58

あっという間に制圧すると、ギルドメンバーを集めてここを根城にするよう勧めた。
59

アヌリエルが逮捕されたのでリフテンには執政が空席になってしまった。
ライラがポエットに相談したところ、手ごろな人がいるということでプロベンタスを紹介した。
実は彼女は彼の事をよく知っていた。
その才能と実直さは遠くリフテンまで名が通っていたのである。
プロベンタスは、はじめこそ断っていたが、ライラの誠実さに負け、彼女の隣に座ることにした。
60

ライラは約束通り望むだけの兵をナディアに貸し与えた。
ポエットは彼らを引き連れ急ぎホワイトランへ向い、北からの攻撃に即時備えることができた。
61

ポエットがホワイトランの防備を完了する頃、テュリウスの元に知らせが届き、帝国はウィンドヘルムのからの撤退を始めた。
彼は撤退する際も、ホワイトランの動向を探るためあちこちから偵察兵を送り込んだが、どの場所も守りが固く容易に攻め込めなくなってしまっていた。



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<備考>

【レッド・スクゥ―マ】
通常のスクゥーマに比べて効果も中毒性も遥かに強い。
レッド・ウォーターの隠れ家の地下に湧き出ている、謎の水を混ぜることで精製して作っている。
この場所は吸血鬼とその従者たちが守っている場所で、特に危害を加えることがなければ、普通にスクゥーマやレッドスクゥーマを購入できる。

DLC【Dawnguard】のクエストで、基本的にメイビンとは全く関わりはありません。
作中では彼女は人外の者との繋がりを持たせて、更なる悪女をイメージ付けることで、より虐めがいがあるようにしました。

【盗賊ギルドの信条】
殺すなかれ、弱きものから盗むなかれ、仲間から盗むなかれ

【メルセル・フレイ】
約25年前、当時のギルドマスターだったガルスを密かに殺害。
お陰で自分がギルドマスターとしての地位を手に入れたのだが、
ガルスの恋人だったカーリアの策略とナディアの協力によって復讐を果たすことができた。

【インガン・ブラック・ブライアー】
ブラック・ブライアー家の孫娘。
ゲーム中では錬金術を学んでいる女性。
やや危ない面があり、よく小動物などを捕まえては実験に使ったりする癖がある。
今作では、彼女を追放するほどの罪を犯しているとは思えなかったので、存在していないことにしました。

ブラック・ブライアー家についてはゲーム中と設定とが、食い違っていたりしているようなので、
メイビンを母とし、その息子がヘミングス、そしてヘミングスの息子がシビということにしています。

1

ウィンドヘルムから帝国が撤退したことを確認すると、ウルフリックは即座に動いた。
以前の二の足を踏むわけにもいかなかったので、将校たちと相談し、ウインターホールドの守備を以前の倍に増やし、陣容を変えることで守りを強固にした。

ガルマルがナディアからの手紙の意図を読み取ったことから、彼を使者としてホワイトランへ使わせることにした。
これは異例中の異例ともいえる。
ウルフリックにとって参謀の彼を向かわせたのは、ナディアに対する彼の敬意の証ともいえた。

ガルマル
-あれは・・・リフテン兵? なぜリフテンの兵がホワイトランに?-

盾に描かれた文様を目にすればそれはわかる。
ガルマルは怪訝そうな目つきでその陣容を眺めた。

リフテン兵に紛れてホワイトラン兵がいる。
彼らは主にドーンスターからの街道を警戒するように、二翼に分かれて陣を敷いていた。

ガルマル
-なるほど・・・ああしておけばドーンスターからの攻撃があっても即座に対応できるわけだな。
しかし、ナディアがこんな戦略を思いつくような人物には思えなんだ・・・-
2

ガルマル
-ここにもリフテン兵がおる・・・さっきの砦といい、
ホワイトランにまでリフテンの兵がおるとは・・・あそこはシロディールとの国境の街。
ワシらへの援軍を無視していたのは、それが原因だと思っていたのに、
ライラはここを守るために援軍を寄越せなかったというのか?-

ガルマルの疑念は広がるばかりだった。
3

ガルマル
『おい!カルダー!どこへ行くんじゃ?』

カルダー
『ナディアの家だ』

ガルマル
『家?ホワイトランの首長がナディアじゃろ?』

カルダー
『護衛はここまでだ。中に入れるのは使者だけだ』

カルダーはそれだけ言うと、そそくさとブリーズホームの中に入っていった。
4

ガルマルと護衛のピアスには理解できなかった。
使者を自分の自宅に案内するなんて、形式的にも異例としか思えなかった。

ガルマル
『いったいどうなっとるんじゃ?』

ピアス
『さっぱり理解できませんね・・・』

止む終えず中に入る。
するとカルダーが着いて来いと言わんばかりに指さし二階へ案内した。
5

カルダー
『この部屋だ』

ガルマル
『ふぬぅ~・・・』















6

ナディア
『おおっ!ジジイ来たぞぉジジイw』

みんなで
『イェーイ!!!』
7

ガルマル
『な!なんじゃこれは!?』

8

ナディア
『何ってほら!ホワイトラン奪取記念パーティーだよぉ~^^ノ』

ガルマル
『ぱ、パーティ!?』

(字まちがえた・・・)
9

リディア
『まぁまぁ、ガルマル殿こちらにお座りください^^』

ガルマル
『あ、あぁ?・・・・』

ガルマルには戸惑いが隠せなかった・・・
10

ナディア
『みんなぁ~飲み物は持ったかなぁあ~?』

みんな
『は~い!!』

ナディア
『それではホワイトランの奪取記念を祝して!』
11

ナディア
『かんぱーーーーーい!!!』

みんな
『かんぱーーーーい!』
12

ポエット
『お疲れ様ですカルダーさん^^』

カルダー
『いやぁ、ちょっと冷や冷やものだったけどな・・・』

カルダーはウィンドヘルムでの帝国と反乱軍の戦況を余すことなくポエットに語った。

カルダー
『薪集めの日が、思っていたより遅かったから焦ったぜ』

ポエット
『なるほど・・・ってことは城内で揉め事でもあったんでしょうね』

カルダー
『ああ、たぶんダンマーとアルゴ二アンだ。姿が見えなかったからな』

ポエット
『わかりました^^』

ポエットはカルダーに労賃を渡すと、彼は思った以上の報酬に驚いていた。
2日ほどの休暇を与え、好きなように使っていいと伝えると、カルダーは喜んでバナードメアへ走っていった。

ひとしきりたったころ、2Fの騒ぎもやや落ち着てきた。
13

ガルマル
『ルシア、ソフィ、これでおやつでも買って来なさい^^』

ソフィ
『やったー^^』

ルシア
『ジィジ!ありがとうぉ^^』

(怪しいジジイにしか見えない・・・)
14

ガルマル
『さてナディア、そろそろ本題に移ってもらいたいんじゃが・・・』

ナディア
『うん、そうだねぇ~^^』

ガルマル
『お前は相変わらず、能天気じゃのぉ~』
15

ポエット
『お久しぶりですガルマル殿!』

ガルマル
『おまえは・・・ポエット!?なんでお前がここにおるんじゃ!?』

ガルマルは一瞬膠着する。
16











17

ガルマル
『そうか・・・ぬしが黒幕か!?

ポエット
『さすがはストームクロークの重鎮ですね^^;でも黒幕って・・・><;』

ポエットは挨拶を終えると、ガルマルの前に巻物を開いた。
18

ガルマルは額にしわを寄せ、その内容に固唾を飲んだ。

読み終えると、彼は頭を抱えて黙り込んでしまった。

その内容は明らかにウルフリックの激を招く。
反乱軍としての存在意義さえ変えてしまいかねない。
参謀役である自分の身も切らねばならない。
だが事実が書かれている。
ポエットの提示したそれは、明らかに”帝国に勝利する”為に必要な、そして重要な項目文だった。
19

ナディア
『ジジイ!あんまり考えるとプロベンタスみたいになっちゃうよ^^』

ガルマル
『ああ?プロベンタス?』

重い空気をナディアが緩和してくれた。
20

ガルマルは一息つくとポエットの目をマジマジと見つめ、重い口を開いた。

ガルマル
『質問してもいいか?』

ポエット
『かまいません^^』

ガルマル
『お前たちは・・・いや”ナディア”は・・・
ウルフリックを上級王にする為に、反乱側に味方するということでいいのだな?』

一瞬、その場の時間が止まった。
奇妙な緊張感がツンと張り詰める。
21

ポエット
『もちろんです^^当然じゃないですか^^』

リディアたちは、ポエットのあっさりとした答えに口を開いて驚いた。
23

ガルマルはポエットを睨みつけ、ややも強い口調で言った。

ガルマル
『だが、この条項を見る限り、お前たちには別な狙いがあるようにしか思えん。
よもや頭を挿げ替えようなどと・・・考えておるわけではなかろうな?』
24

ポエット
『ナディア様が上級王になれるわけがないじゃないですか^^』

彼女はいつものように饒舌に語る。

ガルマルは額のしわをさらに増やす。

ガルマル
『なぜじゃ?』

ポエット
『上級王制度は、スカイリムのノルドにおける風習の一つです。
歴代の上級王でさえ、ノルド以外の上級王なんて聞いたことがありません。
ノルドは祖先を敬います。祖先の習慣も敬っています。
ガルマル殿も同種族であられる以上、私以上にこの事はご存じなのでは?』

ガルマル
『う・・・うむぅ・・・』
25

ポエット
『ナディア様は”ブレトン”です』

ナディア
『ナディアは王様なんてやりたくないもんねぇ~^^うふふふぅ~w』

ポエット
『本人もこのように言ってますので^^』
26

ガルマル
『では、単にウルフリックを上級王にすることが目的か?』

ポエット
『ナディア様はアルドメリのやり方を良いように思っていません。
もちろんそれを擁護する帝国も同じです。
私たちには、スカイリムの独立とウルフリックを上級王にすると言う同じ目的があります』
25-1

ガルマル
『目的が同じか・・・』

ポエット
『ナディア様は他種族ではありますが、この地のノルドと同じように、
スカイリムを愛する気持ちに変わりはありません!
この地を帝国やアルドメリ等(ら)に思い通りにされるなんて許せないんです!』

ガルマル
『うむぅ~・・・志も同じというわけだな』
26

ガルマル
『ならば・・・ホワイトランにリフテン兵がいるのは何故じゃ?』

ポエット
『ホワイトランの守りを固めるために、ライラ首長からお借りしたんです』
27

ガルマル
『要は西と北からの帝国軍への対処のためであろう。そんなことは分かっておる!
わしが聞きたいのはそうではなく、
元来、南からの攻撃に備えねばならないはずのリフテン兵が、何故ホワイトランにおるのかということじゃ』

ポエット
『まず、ホワイトランを奪取することで、ウィンドヘルムから帝国は撤退します。
でも、ここの兵はまだ首長に対する服従が浅いため、反乱軍に与(くみ)していて、なお軍備が重厚なリフテンから兵を連れてこなければいけませんでした』

ガルマル
『ふむ、ライラからいったいどうやって兵を借りたんじゃ?』

ポエット
『ライラ首長にはシロディールからの援軍はこないと説明しました。
そしてメイビンを排除・・・』

28

ガルマル
『メイビンを排除!?』

ポエット
『あーはい^^;・・・そしてライラ首長の権威復興をすることで、兵をお借りすることができました』

ガルマルは一瞬戸惑ってしまったが、気持ちを立て直して口を開いた。

ガルマル
『・・・シロディールから帝国兵が来ないとはどういうことじゃ!?』
28-1

ポエット
『ウィンドヘルムが帝国と睨み合いをしている以上、リフテンを襲うには絶好の機会です。
もし南から兵が来ているなら、今頃戦場になっているはずです』

ガルマルはポエットの抜け目のない行動に驚愕するしかなかった。
と同時にこめかみに一筋の汗が流れる。
そして背筋が凍る物を感じた。
28-2

-目的や志が同じというのは理解できる。今の反乱軍を纏めるのは容易いことではない。
ドラゴンボーンが味方になれば、兵の士気も上がるだろう。
だが、この娘の言っていることを全てを鵜呑みにするのは危険じゃ。
もし、あのメイビンが本当に排除されたと言うのなら・・・
しかし、ウルフリックを上級王にするには、迷う訳にもいかない-

参謀としての彼には、【ウルフリックを何としてでも上級王にする】という固い誓いがあった。
焦りは無いと自負していたものの、老い先短い自分にとって何かを残すには、避けられない道だった。
29

暫くするとガルマルは重い口を開いた。

ガルマル
『この件はウルフリックの判断を仰がねばならん。どのみちワシは一介の使者に過ぎん』

ポエットは奥歯を噛みしめ、より一層気合の入った表情でガルマルを見つめる。

ガルマル
『ポエット、ナディア、お前たち二人にはウィンドヘルムへ来てもらうことになるぞ』

ポエット
『承知しています。しかし、護衛も一人付けさせてください』

ガルマル
『いいだろう。出発は明日だ。準備しておけ』

30

ガルマル
『ところで今の首長は・・・ウィグナーか?』

ポエット
『はい^^』

ガルマルは大よその経緯から、ウィグナーという答えを導き出した。

ガルマル
『奴にはワシが来ることを伝えてあるのか?』

ポエット
『もちろんです^^ただ・・・ホワイトランは今現在バタバタしている状況でして・・・』

ガルマル
『そうだろうな・・・』

ガルマルは残念そうにため息をついた。

ガルマル
『ふむぅ・・・ならば新首長に挨拶せねばならんな』

ウィグナーはウルフリックにあまり好意を持っていない。
彼に味方しているガルマルとの関係も決して良好とは言えなかった。
今回の席にも誘ったのだが、公務を理由に欠席となっていた。

ナディア
『ジジイ!今日ここ泊まりなよ^^ルシアとソフィもいる^^』

ガルマル
『それはありがたいが、ダメじゃ』

ナディア
『ええええっ!なんでぇ~><;』

ポエット
『ガルマル殿は御使者として来られてるんです。
ここに泊まられては使者としての公平性が疑われかねません』

ガルマル
『ま、そういうことじゃ』

ナディア
『ぶーぶーぶーぶー!』

ガルマル
『バナードメアで宿泊できるか聞いてくる。だめならウィグナーに聞いてみるとしよう』

ガルマルとは、翌日早朝よりの出発と約束し、ブリーズホーム前で別れることになった。
31

ナディア
『ちぇっ!今日こそジジイの顔を白塗りにしてやろうと思っていたのにぃ~><;』

リディア
『何考えてるのあんたわ・・・><;』

ナディア
『今日は久しぶりにここに泊まるのだ!ルシアとソフィと遊ぶのだ!』

リディア
『程々にしときなさいよ。明日出発なんだから・・・』

ナディア
『家行って寝巻取ってくる^^』

ナディアはそう言うとエリジウムエステートへ向かった。

彼女が正門を出ていくのを確認すると、リディアは怪訝そうな表情でポエットに向き直った。

リディア
『ポエット、ちょっと話があるんだけど・・・いい?』

ポエット
『はい?』
32

リディアたちはポエットを連れ再びブリーズホームに入った。

リディア
『私たちはあなたを疑っているわけじゃないけど、どういうことなのか説明してほしいのよね・・・』

ポエット
『ナディアが上級王になれないということですか?』

イオナ
『そうよ・・・私たちはあなたの指示に従ってここまでやってきた。それは一重にナディアを上級王にするためよ』

ポエット
『皆さんのおっしゃりたいことは十分わかってます。でもガルマル殿に話したことは事実です』

ジョディス
『上級王になれないなら、私たちは一体何のために頑張っているの?』

皆が一様にポエットに疑いの目を向けた。
33

ポエット
『もちろん、ナディアを上級王にするためです!』

彼女は一際声を高くして言った。
34

イオナはあきれ顔を見せ、ため息交じりに口にする。

イオナ
『ま~たはじまった・・・・><;』

リディア
『ポエット、また言ってることがアベコベよ・・・』
35

ポエット
『結末から言えば、ウルフリックを上級王にしないとナディアは上級王にはなれないんですよ』

皆が押し黙る・・・

リディア
『それって・・・?』

ポエット
『さっきも言った通り、ノルドは過去の慣習を重んじます。
このまま反乱軍の頭を挿げ替えて、ナディアがスカイリムから帝国を追い出し、
上級王として選ばれることがあっても、殆どのノルドは彼女を認めようとはしません』

ポエットに鋭い視線が集まる。
36

イオナ
『でもムートでの選出は、各地の首長の選出によって選ばれた首長が上級王になるんでしょ?
ナディアは各地の首長の信頼があるって・・・あなたが言ったんじゃない?』

ポエット
『それは同族に限ってのみの、慣例の話です。慣習を重んじれば信頼が着いてくる。そう考えるのがノルドです。
ナディアが他種族である限り、首長は認めても下の者が異を唱える可能性は高いです。
もしそんな事態が起きたら、反乱軍に対する新たな反乱軍が生まれかねません』
37

ジョディス
『そっかぁ・・・今、頭を挿げ替えると結果的にドサクサ紛れの王ってことになるのね』

ポエット
『今は時期が重要なんです。
ハッキリ言ってしまえば今の反乱軍は烏合の衆です。
でもナディアが加わることで、それを纏め、士気を上げることは可能なはずです!』

ポエットの言うことは確かに理にかなっていた。
38

リディア
『私たちが反乱軍に加わることによって、反乱軍を纏めることができる。
でもそれはナディアを頭にするのではなく、あくまでウルフリックを頭とし、私たちは今のうちに反乱軍内部に変革をもたらす。
でもポエット・・・それが実現できたとして、ウルフリックが上級王になってしまったら、後の祭りなんじゃない?』

ポエット
『いえ!ウルフリックが上級王になる時期と、ナディアが上級王になる時期は明らかに状況が変わっているはずです。
それはあの条項に盛り込んだ内容です!
おそらくウルフリックは、あの全てを受け入れる事はないでしょう。
でも反乱軍が勝利するには、どうしても満たさないといけないものが含まれています。
ということは、ナディアが反乱側に付くことによって、反乱軍が変わった。帝国に勝利することができた。そういう意識が強くなるはずです!』
38-1

ポエットの言いたいことが、リディアの中で大体まとまってきた。
彼女はやや不安だったが、ゆっくりと話し始めた。

リディア
『それってつまり・・・新しい判例を作るしかないってこと?』

ポエット
そうです!ウルフリックを上級王にし、そのウルフリックに請われて上級王になるしか、ナディアには道がありません!
でもそれを実現させるには、どうしても地慣らしが必要なんです!』

リディア
『ん~』

リディアはため息をついた。
39

彼女は思った。
ナディアの性格は誰よりも知っている。
彼女が上級王になってくれたら確かに嬉しい、自分でもそれを想像したこともあった。
だが彼女の性格上”王”という肩書は、どこか絵に描いた餅のような気がしてならない。

ポエットは、それを実現しようと躍起になっている。
彼女の気持ちを汲み取ってあげたいが、当のナディアがどこまで汲み取ってくれるのか?

ポエットとナディアの目的が今は同じでも、近い将来どこかで違えてしまうのではないか?
その懸念が一瞬脳裏を走った。
41

リディア
『千里の道も一歩からか・・・』

ポエット
『はい!私はナディアを上級王にするために全力を尽くします!』

それでも今は、この小さな娘の敷くレールを歩くしか道が見いだせなかった。

リディア
『ウィンドヘルムには私が着いていくわ、いい?』

ポエット
『はい!是非お願いします^^』
42

ナディア
『たっだいまぁ~!!!』

ミーコ
『ワンワン!!ワン!!』

ナディアが帰ってくると、ミーコは喜んでナディアにすり寄ってきた。

ナディア
『おお!ポチポチ元気だったかぁ^^?』

ミーコ
『ヴーーヴーーー!』

ミーコは違うと言わんばかりに唸った。

アルギス
『おい、ナディア!』

奥の応接間からアルギスが手招きしている。
43

ナディア
『んあ?』

アルギス
『お前にお客さんが来てるぞぉ~』

ナディア
『お客?』

アルギス
『また随分とベッピンさんの知り合いがいるもんだなぁ~w』

ナディア
『あぁ?ベッピンさん??』

ナディアは何の気に無しに、アルギスの向かいに座っていた者に目を向けた。











44

ナディア
『ゲッ!!!!ロザリー!!??』







45


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<備考>
◎ムート
スカイリムの上級王を決めるため、各地の首長が集まり合議をすること。

◎ポエットがガルマルに出した条項
この条項は、第十話EP2における、ナディアがホワイトランを手土産にする代わりの見返りの条項のことである。
この内容が次作?のテーマになる予定なので、ワザと出しませんでした。
ですので、ポエットがナディアの従者たちに話した内容が、少し分かり辛いかと思われますがあしからず・・・

◎ミーコ
ソリチュードのやや南西にある小屋で飼われていた犬。
飼い主はすでに他界しているが、ミーコは飼い主の傍を離れず未だに住みついている。
ナディアはひと声かけて、家に連れて帰って来た。

からすまぐろ
Twitterでお世話になっているフォロワーさん。
このたびNadiaとリディアのカワ(・∀・)イイ!!画像を描いていただいたので、
作中に使ってみました^^
とても雰囲気にバッチリだと思います!!
ありがとうございました^^ノ

Melt in the Mouth-Sweets for Elza
Twitterでお世話になっているフォロワーElzaさん。
今回『ガレット・デ・ロワ』など新たなデザートが加わったということで使わせていただきました^^
オリジナルで積んでみたりして、会場作りもなかなか楽しいものでした^^
でも、あのセーブデータは消す勇気がでない・・・><;
すばらしいMODをありがとうございます(人''▽`)

ロザリー登場!!!
念願かなってようやくロザリーさんを出演させることができました^^
素敵なフォロワーさんを作成してくださったokmaeさんに感謝感謝^^

どうして彼女を出演させたのか?という点は今回は触れませんw

最初は全く別の形での出演を考えていたのですが、
作者は主人公であるナディアについてずっと悩んでいたことがありました。
それを解決してくれたのがロザリーさんでした。とだけ書いときますw

では次回をお楽しみにw

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