Nadia's Skyrim

  -スカイリムRP妄想日記-
【スカイリム独立戦争編】

カテゴリ: -スカイリム独立戦争編-

1

ナディア
『ポエット・・・ごめん・・・ド、ドラゴンボーンじゃなくなっちゃった・・・』

ポエット
『ええっ!?』

2

リバーウッドはホワイト川沿いに佇む小さな村落であり、
北にホワイトラン、南にヘルゲン、ファルクリースがある。
南北交易には欠かせない重要な交易街でもある。
村民の殆どが林業によって生計を立てている。

街中には雑貨店、宿屋、鍛冶屋、パブと。
旅行者、冒険者にとっての利便性は非常に高い。
交易路でもあるので人の往来が多いのも特徴である。

しかし、それだけ重要な交易路にもかかわらず、
高い防壁などが建てられていないのが問題だった。

過去にホワイトラン首長のバルグルーフが数名の衛兵を配置しただけで、
スカイリムの実権を握ったウルフリックも増兵はしたが、山賊や盗賊の被害が減ることは無かった。
もっとも懸念されているドラゴン襲来は未だに大きな課題となっている。


3

ホワイト・リバー・コテージ

内戦以後ナディアはここに居を構えることにした。
彼女の威光は強く、大抵の山賊達はその名前を聞いただけで震え上がり逃げ出すほどだった。
おかげで犯罪件数は減少、ドラゴン襲来は未だ無いにせよ。
山賊や野盗どもはリバーウッドには好んで近づこうとしなくなっていた。

現在、ここにはドラゴンボーンの従者二人が目を光らせている。

4

実はナディアに居を構えることを進言したのはポエットという一人の女性だった。

彼女はタムリエルでは珍しい放浪民の一人である。
放浪民になる前の彼らはヴァレンウッドを故郷とする少数部族の民だった。
ところがウッドエルフとの不和が数十年続き、
遂には種族間闘争にまで発展したために、故郷を追いやられたのだ。

彼らはチンパンノルドと呼ばれ華奢で小柄なのが特徴なノルドの一種である。
女性の場合は大人になっても体格は変わらないが、
男性の場合は成人すると体格も大柄になり、ワイルドノルドと呼ばれ、
普通のノルド人を二人並べて一人ほどの体躯をほこるようになる。

男性は主に狩猟や移動時の護衛を仕事としている。
とは言え必要以上に狩りをしたりはしないので、
普段は木の上などでハンモックを広げ、一日寝て過ごすことが多かった。
もともと穏やかな性格なのだが、同族の絆を何よりも重んじる習慣があるため、
一族に危機が及んだ場合は命を張ってこれを守ろうとする。
しかし、むやみに殺したりすることはまずないのだが、
彼らが激高した時の怪力は巨木さえ片手で持ち上げるほどだとか。

女性の場合は家事と娯楽に興じることが多かった。
特に娯楽に関しては、占星術、ダンス、音楽などに精通しており、
複数の言語を使いこなす才能がある。
お陰で町や村など人の集まるところでは、よく見世物などを披露して生活費を稼いでいた。
女性の中でも『テオ』と呼ばれる特別な存在が数十年に一度現れるとされている。
この『テオ』とは、古代ネディック人の言語で『未来を予知する者』と訳されている。
普段は人骨や獣の骨などを使った占星術なのだが、
『テオ』に関しては本人の意思次第でいつでも未来を見ることができるのだとか。

しかし、ポエットはそんな放浪民の血を引いているにもかかわらず、
一族の慣習をどうしても受け入難く感じていた。
彼女の興味はいつも兵法と政治、戦略などの文明的学問だった。
将来は人望ある主君に仕え、自分を重要視してくれる人の下で働きたかった。

5

17の頃、一族でエルスウェアとシロディールの国境沿いを放浪していた時、
偶然ウッドエルフの一団と鉢合わせてしまい、小競り合いになった。
形勢不利と考えたポエットの父は、かなり無茶な方法で彼女を逃がした。
片手で軽く彼女を持ち上げると、シロディールの国境先まで投げ飛ばしたのである。

6

気づいた時には、服の襟元が枝木に引っかかって宙に浮いていた。
あわてて元の場所に戻ろうと思ったが、国境警備兵に止められてしまった。
家族との再会は未だ実現できていない。

しかし、彼女はこの時を好機を考えた。
今まで一族とともに長い間過ごして来た。
離れた今こそ行動を起こすべきだと。

まずタムリエルの状況を分析してみた。

放浪民だった頃はシロディールとエルスウェアを往来するばかりだった。
ごく最近、北のハンマーフェルにも立ち寄ったが、
帝国がアルドメリにこの地域を明け渡してしまったので、すぐに離れることになった。

南方のブラックマーシュは帝国から離脱し、モロウィンドウまで支配地域を広めたらしい
レッドマウンテンの噴火を期にアルゴ二アン達が侵攻し、ダークエルフから故郷を奪ったのだ。
おそらくアルドメリや帝国にとって最も懸念すべき存在になりつつあるだろう。
加えてアルゴ二アン達が住む地域は、タムリエルの中でも最も衛生環境が悪く、
人間種が住みつける地域とは思えない。

現在のタムリエルは大まかに三つの勢力図に置き換えられる。

7

ハイエルフを主としたアルドメリ自治領
インペリアルという人間種を主とした帝国
アルゴ二アンという獣人種を主としたブラックマーシュ

アルドメリには、長年不和を続けてきたウッドエルフ達がいる。
差別になるがアルゴ二アンがタムリエルを支配するなど想像したもくない。

もし今身を寄せるならやはり人間種が妥当な選択だった。

現在帝国が所有している地域は、シロディールから北のスカイリムと、そこから北西のハイロックのみ。
白金協定の行く末次第によっては、ハイロックは孤立してしまう可能性がある。
タロス崇拝を禁止した帝国に対し、スカイリムのノルドが黙っている可能性は少ない。

誰が台頭を掲げるかはわからないが、内戦が始まる頃には自分の道も開けるだろうと思っていた。

8

目的地は決まった。
だが内心はタムリエルの色んな地域を旅し、もっと見知ってみたかった。
そうするにはタムリエルにもっと安全な地域を作らないといけない。

スカイリムを目指している旅の宿で話を耳にすることができた。
ウルフリック・ストームクロークがノルドの台頭を掲げ、帝国に反旗を翻したこと。
帝国が鎮圧軍としてテゥリウス将軍を派遣したこと。

9

そこで、まずソリチュードのドール城にいるテゥリウス将軍の元に赴いた。
作戦本部前にいた衛兵に帝国軍に加わりたいと伝えたが、
【ここは子供のくる場所じゃない】と一括され、突き返された。
自分が外見で判断されることには慣れていた。

帝国軍に加われば、アルドメリを打つ機会に出会える。
そうすれば故郷であるヴァレンウッドを取り戻せるかもしれない。

念のためテゥリウス将軍が何かの用事でドール城から出てくるのを待ってみた。
夕方頃に数人の護衛兵をつれて出てきた所を狙い、もう一度声をかけてみた。

ポエット
『私も帝国軍に加えてください!』

叫んだ大きな声にテゥリウスが振り向いた。

テゥリウス
『なんだあの小娘は?』

衛兵
『午前中に作戦本部前に姿を現した者ですが、軍に加わりたいと』

テゥリウスが近寄ってきてポエットに言う

テゥリウス
『小娘にしてはなかなか気概がありそうだな。
だが帝国は子供さえ使わなければ、
鎮圧もできないのかと反乱軍に馬鹿にされかねない。
・・・その勇気は称えるがな』

そう言うと彼は振り向きもせずブルーパレスに向かって行った。

ポエットはある程度のデメリットは覚悟していたが、
あくまで外見でしか判断できないようでは、帝国の明日は短いかもしれないと悟った。

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やむ終えず、今度は反乱軍のウルフリックに会いに行った。

ウルフリックはテゥリウス将軍と違い、
ポエットの気持ちを何の抵抗もなく受け入れてくれた。

一つにはチンパンノルドは遠縁ではあるが同族であること。
一つには猫の手も借りたいからである。

ウルフリックはポエットを駐屯兵の職に就けた。

元々ストームクロークは、山賊や野盗の対応のため、スカイリム各地に駐屯兵を配置していた。
ウルフリックが帝国に反旗を翻し、帝国軍がスカイリムに入り始めてから間もなく、
帝国も同じように駐屯兵の配置を行ったのである。
まるで威嚇でもするかのように、ストームクロークの近くに配置することがほとんどだったので、
当然毎日のように小競り合いが起こった。

11

罵声の浴びせ合いから始まり、石の投げ合い、
何か物がなくなっただけで、子供のような殴り合いを始める。
当然、無意味な怪我人が出始める。
やがてお互いの間に憎しみが生まれ、
果ては殺し合いに繋がっていくようになった。

部隊長の言葉など耳に入らず、軍律などお構いなしの状態だった。

ある日のことである。
たまたま一人の市民が小競り合いしている間を通りかかった。

双方ともそんなことはつゆ知らず、矢の雨を浴びせあった。
やがて剣での斬り合いになり、なんとか痛み分けで夕刻頃ようやく落ち着いた。

その時初めて市民が犠牲になったことを彼らは知ったのである。

市民の頭には二本の矢が刺さっており、即死状態だった。
近くに狐の死骸がもあった。

武器も持っていなかったので、おそらく自分がかわいがっていたペットが、
逃げだしたので追い掛けてきた際、流れ矢に当たったのだろう。

12

衛兵A
『ノルドだ・・・』

衛兵B
『ヒ――――ッ!』

衛兵A
『落ち着け!これは事故だ!』

だが、実際こんな事は珍しくなかった。
ポエットが経験しただけでも、おそらく5回以上。
それ以上は数えていなかった。

【敵に遭遇し 敵を殺し 味方も殺し 自分を救った】

いつの間にか、一部の衛兵の間では、そんなジンクスのような暗号が呟かれるようになった。
やがて反乱軍の間では

【いつになったら帝国を追い出せるんだ!】
【ウルフリックは何をためらっているんだ!】
【早く帝国軍と戦いたい!】

などと、まるで飢えを抑えたオオカミのような声が聞こえ始めた。

反乱軍は帝国軍と比べたら正規軍という言葉とは程遠い物があった。
ウルフリックはタロス崇拝を掲げているため、ノルドらしい生き方を推奨するものの、
帝国と違って長年培ってきた軍律の重みが浅い。
お陰で上下関係もあやふやな面もあれば、イノシシ部隊が多いため烏合の衆に近かった。

あるときポエットはウルフリックにこう進言した。

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ポエット
『兵にもっと訓練をさせ、上下関係をはっきりさせ、発言にも制限をかけ、軍律を厳しくするべきです』

ウルフリック
『ノルドは縛られるのを何よりも嫌う種族だ。
お前もノルドの血を引いているのなら、それがわかるであろう。
これ以上軍律を厳しくすれば、軍の中で反乱が起きかねない!』

ポエット
『今でも状況は変わりません。実際、兵達はイラついてます。
こういう時こそ剣の訓練や弓矢の訓練を行い、日頃から発散させるべきなんです』

ガルマル
『ポエット。帝国を倒す日も近い。
そのためには士気をあげておく必要がある。
兵達が日々イラついているのも承知の上なのだ』

ポエット
『兵士たちは酒を飲みながら愚痴っているんですよ!
そんな状況で士気が上がっていると本当にお思いですか!
それにっ!』

ガルマル
『黙れポエット!ノルドとはそういうものなのだ!』

ポエット
『・・・』

ウルフリック
『今の我らには、常日頃から込み上げてくるものを抑え込む必要があるのだ。
白金協定が結ばれた時点から、このイラつきは始まっている。
たかがハチミツ酒如きで、士気が下がるほど北国のノルドは軟ではない』

風船に空気を入れ続けるとやがて破裂する。
問題はそのタイミングだが、スカイリムにはもう一つ大きな問題がある。
その問題を解決しない限り、内戦は本格化しない。
どこかでガス抜きをしないと、やがて士気が萎えてしまう。

心配事は的中した。

帝国との停戦条約である。

14

スカイリムには内戦以外にも、【世界を喰らう者 アルドゥイン】の復活という難題があった。
ドラゴンボーンを中心に帝国とストームクロークとの停戦条約がハイフロスガーで決定したのである。

この条約にウルフリックが賛同した時点で、ポエットは彼の支配権の狭さを感じた。
ウルフリックはスカイリムの上級王止まりではないのだろうか?

ストームクローク軍のオオカミの声は、まるで雑音のようにウインドヘルムに広がった。

【ここに来て停戦だと!ふざけるな!】
【さっさと帝国に攻め込まないからだ!】
【ウルフリックは腰抜けだ!】

15

ポエットはストームクロークの軍を抜ける覚悟を決めた。
この頃、彼女は19歳になっていた。

ドラゴンボーンがアルドゥインを倒し、再びスカイリムは内戦状態に戻ったころ、
ポエットはシロディールの北の町ブルーマの酒場にいた。

一人のカジ―トが声をかけてきた。

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カルジョ
『ポエット?』

ポエット
『カルジョ?』

カルジョ
『おいおい、久しぶりだなぁ~元気にしていたか?』

ポエット
『カルジョ~^^ノ』

カルジョ
『おまえ全然変わってないな!子供のままだぞ!』

ポエット
『私はこれ以上成長しないの!ヽ(`Д´)ノプンプン』

カルジョは2年前にポエットがシロディールからスカイリムに向かう際、
ひょんな事がきっかけで旅のお供をしてくれたカジ―トだった。
だが北の国境で衛兵に見つかってしまい窃盗の罪で逮捕され、帝都に送還されてしまったのである。

ポエット
『出てこれたの?』

カルジョ
『まぁな。といっても借金は増えたけどな・・・』

帝都にいた頃、カルジョは手癖の悪さで有名だった。
真夜中の寝静まった頃、彼は手際よくガキを開けると抜き足差し足で家の中を物色する。
プロらしく全部は盗まず適度に金塊などを袋に詰めると、サッサと退参した。、
ところが下水道に入ろうとしたところで衛兵に見つかってしまう。
慌てて下水道を走り、なんとか衛兵を巻くことに成功。
無事出口から外に出ることができて、ホッとしたところで袋の中身を確認した。

17

カルジョ
『オホホッ!これでしばらくは食いつないでいけるな。たまにはスクゥーマでも決めるか!』

と喜んでいる脇から・・・

ポエット
『おじさん何してるの?』

カルジョ
『ウォオオオオオオΣ(゚Д゚)!』

ビックリして一瞬息を呑んだが、よく見たら小さい子供だった。

カルジョ
『なんだ、子供か・・・』

ポエット
『子供じゃないよ!ヽ(`Д´)ノプンプン』

カルジョ
『真夜中だぞ!こんなところで何やってるんだ?』

ポエット
『これからスカイリムに向かうの』

カルジョ
『お前さんひとりでか?』

ポエット
『うん』

懐も温かくなったし、どのみち帝都にはしばらく近づけないと判断したカルジョは、かつて自分は傭兵をしていたこともあったんだと、
嘘をついてポエットの護衛をすることにしシロディールを離れようとした。

18

ポエット
『どうせまた賭け事とお酒でしょ』

カルジョ
『いいや、そうじゃない。
あそこにいるアハカリっていう雌猫に保釈金を肩代わりしてもらったのさ』

ポエット
『裏がありそうだね』

カルジョ
『これからスカイリムに行くんだよ』

ポエット
『何しに行くの?』

カルジョ
『行商さ。戦争は商売のチャンスになる。
カルジョはその護衛ってことで雇われた。
無収入だが食事と寝床にはありつける』

ポエット
『そっか・・・』

カルジョ
『お前がここにいるってことは、
盟主様ってのには出会ってないようだな』

ポエット
『・・・』

カルジョ
『どうするんだこれから?』

ポエット
『家族でも探そうかなって思っててね^^;』

カルジョ
『そうだよな、家族は大事なんだよな』

ポエット
『カルジョの家族はどこにいるの?』

カルジョ
『わからない』

ポエット
『わからないって、どういうこと?』

カルジョ
『親父はカルジョが小さい時に戦争に行ったきり帰ってこなかった。
兄貴は出稼ぎで鉱山労働をしにシロディールにいるらしいが、未だに音信不通だ。
母親は<たてがみ>奉公のせいでスクゥーマ狂いになっちまってな。
3年間母親の世話をしたが、結局スクゥーマがやめられなくて2年前に死んじまったよ』

ポエット
『<たてがみ>奉公って何?』

カルジョ
『<たてがみ>って言う生まれながらのエリートがいてな。
そいつの身の回りの世話をさせられるんだよ。
男の場合は狩りや飯の支度、運が悪いと剣や弓矢の的役。
女になるとクソの世話やケツ拭き、夜の相手までやらされる』

ポエット
『酷い・・・土地の有力者とか、権力者とか、そういうこと?』

カルジョ
『第三の月って呼ばれる日に生まれた子供の事さ。
その子供はどんなに下賤の者でも、
将来部族の長になることを約束されてるんだ』

ポエット
『なにそれ?・・生まれてすぐ長になるなんて変な風習ね』

カルジョ
『お前たち人間種からみれば不思議かもしれんが、カジ―トにとっては普通の事なのさ。
将来が約束されている者には、黙っていても金や食い物が舞い込んでくる。
一人じゃ食いきれないから、自分の部下に分け与える。
そうすれば自然と生活は安泰になってくるのさ。
それが嫌なら部族から出て行けってこった』

ポエット
『お母さんかわいそう・・・頭に来ないの?』

カルジョ
『当然、殺してやりたいとまで思ったさ。
だが、母親の面倒を見ている間に、<たてがみ>の奴がエルフの高官に殺されたんだよ』

ポエット
『どうして?』

カルジョ
『さぁな。後で聞いた話じゃ、連中と裏で繋がっていたらしい。
エルフ達は利用価値がなく、自分らに害でもあると判断して消したんだろうって』

ポエット
『・・・』

カルジョ
『とにかく俺にはやり場のない怒りだけが残ってな。
最初の頃はボロボロの母親に当たったりもした』

カルジョ
『だが、思ったよ。
こんなになりながらも俺をここまで育ててくれたんだなって。
守ってくれたんだなって』

ポエット
『いいお母さんじゃない^^』

カルジョ
『だから、家族は大事なんだよなってことだ』

ポエット
『お兄さん見つかってないの?』

カルジョ
『母親が死んでからシロディールに来たよ。
最初の二、三ヶ月くらいは探したんだがなぁ~それっきりだ』

ポエット
『それっきりって?探してないの?』

カルジョ
『金も食い物も尽きちまった時~ついうっかり物色しっちまってよ』

ポエット
『ぬ、盗んだの?』

カルジョ
『母親の世話をしてる時はよくやってたんだよ』

ポエット
『犯罪じゃないの!』

カルジョ
『カルジョはカジ―トだ。
お前たちにとっちゃ、泥棒だとか手癖の悪い奴なんて言うかもしれないが、
カジ―トにとっては、俺の物は俺の物、お前の物は俺の物がまかり通るんだよ』

ポエット
『なんなのその無茶苦茶な理論・・・私の物は私の物だからね!』

カルジョ
『こんな話をした相手から盗みをするほどカルジョは馬鹿じゃない』

ポエット
『お兄さんは探さないの?』

カルジョ
『カジ―トは独立心が強んだ。
いまさら兄貴を見つけて何になる。
何も変わりはしないさ』

カルジョ
『それにシロディールに来てからというもの、
カルジョも人間種について色々と学んだよ。
酒と賭け事をイッペンにやるもんじゃないともな^^』

ポエット
『ふ~ん』

19

カルジョ
『家族の手掛かりはあるのか?』

ポエット
『・・・ない・・・』

カルジョ
『たしか、見世物とかをやるんだろう?
どこかでやっていれば、人が集まって賑やかになるはずだ。
その辺を手掛かりにしたらどうだ?』

ポエット
『そんなことわかってるよっ!』

カルジョ
『なんだ?家族の元に帰りたくないのか?』

ポエット
『だってさぁ~17年間ずっと放浪民をしてきたんだよ。
あちこち旅するのには慣れてるんだけどさ』

カルジョ
『うむ』

ポエット
『なんていうか、やっぱり窮屈なんだよね。
私って小さい時から一族とは違う考え方を持っていたし、
それに今更会ってもどうなんだろうってさぁ~』

カルジョ
『うーむ。インペリアルには”故郷に錦を飾る”という言葉があるらしい』

ポエット
『錦?』

カルジョ
『色鮮やかな織物のことだよ。
つまり”故郷を離れていた者が、立身出世して華やかになって帰ってくる”という意味だ』

ポエット
『私に出世してから帰れって言ってるの?』

カルジョ
『なにもそうしろと言ってはいない。
お前自身の事だ。カルジョには決められないよ。
ただ、そういう言葉もあるということだ』

ポエット
『う~ん』

カルジョ
『どうするかはお前が決めることだ』

20

カルジョと別れた後、ポエットは一人宿屋の一室で横になり
しばらく考えにふけった。

もし、また家族の元に戻れたとして、私は必要な存在なのだろうか?
一ヶ月、半年、一年たった頃、きっとまた窮屈な思いをしてしまうんじゃないだろうか?

それにタムリエル中どこに行っても安全とは言えない。

そんなに偉い人に仕えたいわけじゃない。
帝国だってストームクロークだって私にとってはチャンスだと思ったけど、
組織としては成熟し尽くしているところがあった。

私はただ自分を必要としてくれる人。
重要視してくれる人。
今まで学んできた知識を生かしてくれる人。
そういう人の下で働きたい。

するとある一つことが思い浮かんだ。
かつて帝国を築き上げ、タムリエルを一つにまとめた者。

翌日早朝、ポエットの顔には迷いが消えていた。

21

ポエット
『カルジョ!!』

カルジョ
『ああ?』

ポエット
『私もスカイリムに行くよ!』

こうして彼女は目標を立て直し、再びスカイリムへと戻る事にした。

ドラゴンボーンを探すために。



ポチットお願いしますm(_ _)m

<備考>

◎白金協定
タムリエルでは元々八大神の信仰が主だった。
第三期にタムリエルを統一し、皇帝となったタイバー・セプティムが神格化され、これが加わり九大神の信仰がはじまった。
しかし、これを良しとしなかったのがアルドメリ自治領のハイエルフ達だった。

大戦でエルフは一度はシロディールにある帝都を奪ったものの、帝国は再びこの地を取り戻した。
しかし帝国は大きな損害を受けてしまい、エルフ達との停戦協定を結ぶことにしたのである。

これが白金協定である。

この条項の一つにタロス信仰の廃止が入っていた。
タロスとは前述のタイバー・セプティムの事である。
彼はノルド人であったためスカイリムではタロス信仰が根強かった。

帝国がこの条項を受け入れたことで、スカイリムの人々の反感を買い、
内戦に繋がったのである。


◎スクゥーマ
主にカジ―トの間で流通している麻薬の一種。
カジ―トにとっては、それほど害はないようだが、
他の種族にとっては非常に中毒性の高い麻薬。
しかし、カジ―トも常用すると中毒になる。

ムーンシュガーという原料を精製することで作ることができる。

◎ブルーマ
帝国が支配するシロディールの北にある町。
後半このブルーマを舞台にしたのですが、
スカイリムにはないのでドーンスターの酒場を使用してます。
作者はオブリビオンプレイヤーなのですが、
たしかブルーマって雪あったよな?
あと、シロディールの英雄像があったよな程度しか覚えていません。


<謝辞>
今回から”五鉄さん”のポエットちゃんに出演してもらいました。
どっから見ても抱きつきたくなるほどカワ(・∀・)イイ!!ですね。

”五鉄さん”の脳内設定をちょっとだけ変えて、大幅に追加している感じです。
イメージ的には【三国志の諸葛亮孔明】を考えています。
【演技】のほうですけど。

ポエットちゃんには、これからナディアにとって欠かせない頭脳になってもらおうと思っているので、色々と活躍してもらうつもりです。

よいフォロワーを作っていただき感謝です^^

1

カルジョ達とはリフテンで別れることになった。

ドロマシ
『見つかるといいなドラゴンボーン^^』

ポエット
『ありがとう^^』

ザイナビ
『スクゥーマが手に入ったら教えてちょうだい・・・』

ポエット
『え、ええ・・・^^;』

アハカリ
『あなたはいい人のようね^^
困った事があればいつでも声をかけてちょうだい』

ポエット
『ありがとうアハカリ^^ノ』

カルジョ
『我が友よ、お前とはまた会えるような気がする。
旅の無事を祈ってるぞ^^』

ポエット
『カルジョもね・・・』

よき友ができた。
思わず涙があふれた。
それを拭うと笑顔を絞り出し、固く握手を交わした。
カルジョの言う通り、彼らとはきっとまた出会えると心に言い聞かせ。

再び長い旅路にでる。
実のところ、その人物についての知識はあまり持ち合わせていない。

各都市の従士職には就いていたので、スカイリム中でドラゴンボーンの名は知れ渡っている。
にもかかわらず、どの勢力にも属していない一匹オオカミであること。
帝国とストームクロークの内戦を停戦に持ち込んだこと。
邪竜アルドゥインを倒したこと。
噂ではウインターホールドでアークメイジに抜擢されたとか・・・

反乱軍に加わっている時に得た情報はこの程度だった。
とりあえず、手近な情報を元にウィンターホールドを目指すことにした。

2

かつてウィンターホールドはスカイリムの首都であった。
最北東に位置するこの街は、かつての栄光を誇った姿とは打って変わって、寂れた寒村になり果てている。
それというのも【大崩壊】と言われる未曾有の津波災害に見舞われてしまったせいだと云われている。

北の海沿いの町だというのに港さえ無い。
大雪と猛吹雪により植物も育ち難く、住民たちはその日その日を生活するのにやっとの状態。
当地の首長も日々頭を悩ませていた。

とは言え、そんなウィンターホールドにはタムリエルで唯一の魔術師大学が存在する。
かつてタムリエルには、魔術師ギルドなるものが存在したが、ここ200年の間で解体されてしまった。
なのでこの大学にはタムリエル各地から魔術師を目指す者達が集まってくる。

そんな中でのアークメイジとなれば、相当な魔術の達人と言えるだろう。

3

猛吹雪に飛ばされそうになりながらも、ようやくウィンターホールドに到着した彼女だったが、目的のドラゴンボーンには出会うことはできなかった。

4

魔術大学師範のトルフディルから、ソリチュードに居を構えているとの話を聞く事ができたので、休む間もなくソリチュードに赴くことにした。

5

ソリチュードに向かうにはウィンターホールドからさらに西に向かわなくてはいけない。
海岸沿いを歩き、ドーンスターの町を超え、雪道をぬかりさらに西へ。
夜になってようやく大雪を抜けると今度は一面湿地帯が現れた。

6

当然ながら山賊や獣、時には死霊術士などにも出くわすこともしばしばだったが、歩みを止めることはなかった。
なんとか翌日の午前中にはソリチュードに到着できた。

7

ソリチュードはスカイリムの現在の首都である。
スカイリムにとっての【首都】とは、各地の首長による合議によって選出された【上級王】が在籍している街のことである。
かつてこの街には【トリグ】という上級王がいた。
だがトリグはウルフリックによって殺されてしまったために、今は空席となっている。
現在この街の首長を務めているのは、トリグの妻でエリシフという女性首長だった。
内戦になった今では上級王は不在だが、帝国にとっては兵や物資を上陸させるための重要な拠点となっている。

そしてこの街にはポエットも以前訪れている。
だが今回の目的は違った。

街の衛兵にドラゴンボーンが購入したというブラウドスパイヤー邸の場所を聞き出し早速赴いた。

鍵も掛かってなかったので勝手に中に入った。

8
9

衛兵の話だと従者が一人いるとのことだったが、誰もおらず完全に空き家状態になっていた。

10

仕方なく町の宿屋の店主に話を聞いてみたところ、ガラム・エイという怪しいアルゴ二アンを紹介してもらった。

11

ポエット
『こんにちわ^^ノ』

ガラム・エイ
『ああ?お前誰だ?』

ポエット
『私はポエット、ドラゴンボーンを探しているの』

ガラム・エイ
『ドラゴンボーンだと?ま、スカイリムじゃ有名だよなぁ』

ポエット
『そうね!?今どこにいるか知らないかしら?』

ガラム・エイ
『お嬢ちゃん、最近は情報っていうのも安くないんだよ』

ポエット
『・・・』

ガラム・エイ
『教えてやってもいいが、なにせあのドラゴンボーンの情報となれば安くはないだろうな』

12

ポエット
『幾らなの?』

ガラム・エイ
『うむ。その背中に背負っている物。そいつはクロスボウってやつか?』

ポエット
『これが欲しいの?』

ガラム・エイ
『東帝都社からの卸物でもそんなもの見たことがないからな』

13

ポエット
『ソリチュードにいる人ってホントに目の付け所がいいわね^^
実はここに来る前に鍛冶屋さんの親父さんにも1000セプティムで売ってほしいって言われたんだけど・・・断ったのよ』

嘘である。

ガラム・エイ
『1000セプティム!!!』

14

ポエット
『だからぁ~こうしましょ^^
私は護身用のためにどうしてもこれが必要なのよ
残念だけどこれはあげられない。
でも、これがあった場所なら教えてあげられるわ』

ガラム・エイ
『ほぉ~そいつはどこだ?』

ポエット
『交換条件って言ったはずだけど?』

ガラム・エイ
『ああ、そうだったな』

ポエット
『で?ドラゴンボーンはどこにいるの?』

ガラム・エイ
『リフテンのハニーサイドって家に行ってみな。そこがナディアの家だよ』

ポエット
『ナディアって言うのドラゴンボーンの名前?』

ガラム・エイ
『ああ、そうだ』

ガラム・エイはややも上機嫌だった。

ガラム・エイ
『もし、誰もいないようだったら、盗賊ギルドのブリニョルフって男を訪ねてみるといい』

15

ポエット
『じゃぁこれが場所の記した地図ね^^ありがとう!トカゲさん^^ノ』

16

ガラム・エイ
『まさか・・・この部品を使って作れっていうんじゃ・・・』

17

リフテンは、スカイリムに到着した際カルジョたちと別れた場所だった。
延々と北方を旅してきたのに、結局元に戻るとは思いもよらなかった。
だが彼女はあきらめなかった。
ドラゴンボーンに会いたいという一心でひたすらリフテンを目指した。

18

ここはスカイリム南西に位置する街で、シロディールとの国境を近くにした要塞である。
商業が非常に盛んなので国境を超えて商人たちの往来がいつも絶えない。
街中では多くの商人が出稼ぎに来ては露店を構えている。
往々にして人と金の流れの多い場所には、犯罪も自然と集まってくる。
スリ、強盗、殺人は日常茶飯事。
衛兵に至っても賄賂一つ渡せないようでは、情報一つ手に入れることができなかった。

この街には、それ以上に有名な『盗賊ギルド』の本拠地がある。
表沙汰口にはしないが、首長から下の者に至るまでみんな知っていた。

この街に訪れる旅人は色んな事に油断してはいけない。

19

とりあえず衛兵に袖の下を渡しハニーサイドの場所を聞き出した。

20

ハニーサイドに到着した彼女は、いつも通りノックもせず遠慮なく中に入る。

21
22

相変わらずのもぬけの空で、どこか物悲しささえ感じた。

23

2日間ほどずっと旅続きでろくに寝てもいなかった彼女は、さすがに疲れ果て今夜はここで休むことにした。

翌朝・・・
仕方なくトカゲに教えてもらった通り、ブリニョルフなる人物を探すことにした。

24

リフテンが盗賊ギルドの根城だとは知っていた。
公式に認められているわけもないので、大声で本人を探すわけにもいかない。

慎重に動かないと自分がブタ箱行きになってしまう。

???
『ちょっとあなた・・・』

成人女性らしい滑らかな声がポエットを呼び止めた。

???
『子供がこんな町で一人歩くなんて危険よ。親御さんたちはどこにいるの?』

ポエットはあっけにとられた。
ここまで親切に子ども扱いされたのは初めてだった。
よく見たら、ゴツイ鎧を着こんだ女性だった。
顔には戦化粧をしている。

???
『私はムジョル・・・あなたは?』

ポエット
『私はポエット・・・』

ムジョル
『ポエット?かわいらしい名前ね^^
お父さんお母さんとは逸れちゃったの?』

ポエット
『えっ?あぁまぁ、逸れたというか・・・・』

ムジョル
『なんてこと!孤児なのね!』

ポエット
『えっ?』

ムジョル
『大丈夫よ!お姉さんが安全なところに連れて行ってあげるわ!』

ポエット
『は?』

25

ポエット
『ちょっ!うわぁぁあああっ!』

一人の男性が慌てて駆け寄ってきた。

アエリン
『ダメだよムジョル!』

ムジョル
『何よアエリン?』

アエリン
『逸れたってことは、孤児じゃないよ!迷子ってことだよ^^;』

ムジョル
『あら・・・』

ポエット
『私!孤児でも迷子でもありません!それに子供でもありません!』

ムジョルとアエリンは驚いた顔をしていたが、気を取り直してポエットの話に耳を傾けた。

ムジョル
『ナディアならハニーサイドにいなかったの?』

ポエット
『昨日そこへ行ったんですけど、もぬけの空でした。
それで・・・ブリニョルフっていう人を探しているんですけど・・・』

ムジョル
『ブリニョルフですって!うむむむ』

ムジョルは急に腕組をして厳めしい顔をした。
アエリンがムジョルをなだめると、ポエットにブリニョルフの事を教えてくれた。
彼は最近まで街中で奇妙な薬を売っていた男で、盗賊ギルドの頭目をやっている男だということ。
彼と接触したいならビーアンドバルブにいるサファイアという女性を探せと。

26

ビーアンドバルブは街にある旅人向けの唯一の宿屋件酒場である。
ここはスカイリムでも珍しく、アルゴ二アンが経営するお店であり、リフテンでも多くの人が様々な理由でここを利用する。
ポエットは恐る恐る女性アルゴ二アンの主人の前に座った。

27

キーラバ
『いらっしゃい・・・
なんだ子供かい!帰った帰った!
ここは子供が来る場所じゃないよ!』

ポエット
『ええ、よく言われるわ、でも私は大人よ』

キーラバ
『ホントかい?
それじゃ何か飲むのかい?』

ポエット
『じゃぁハチミツ酒って言いたいけど、朝からお酒もなんだからジャズベイブドウジュースで・・・^^;』

キーラバ
『あんた、ここら辺じゃ見ない顔だね』

ポエット
『ここにサファイアっていう人がいるって聞いたんだけど・・・』

キーラバはしばらく黙り込む。
すると向かい側の壁に立っていた女を睨みつけ言った。

キーラバ
『・・・それならそこにいるわよ』

サファイア
『な!なんで教えるのよトカゲ!』

キーラバ
『あんたらにそんなところに立たれると商売の邪魔なのよ!』

サファイア
『ただ立っているだけじゃない!なにも邪魔してないでしょ!』

キーラバ
『立ってられることが邪魔なのよ!』

28

すかさずダレン・ジェイがサファイアに駆け寄った。

ダレン・ジェイ
『馬屋のシャドルなら今日は来ない』

サファイア
『なんで!?』

ダレン・ジェイ
『馬一頭ダメしてホフグリルにボコボコにさたそうだ』

ダレン・ジェイ
『金を取り返したきゃ、マーラ聖堂に行ったほうがいい』

サファイアはダレン・ジェイを睨んだが、すぐに踵を返した。
ポエットに来いと手招きすると、ダレン・ジェイに指さし言った。

サファイア
『これで貸し借りなしだからね!』

ポエットはアルゴ二アン二人に感謝すると彼女に連れられて外へ出て行った。
サファイアには真夜中に聖堂裏の墓地に来いと指示された。
言われるがまま薄気味悪い墓地の前に立っていると、彼女が姿を現した。

29

サファイア
『ブリュに何の用なんだい?』

ポエット
『ドラゴンボーンのナディアっていう人をさがしているの』

一番大きな大きな墓には仕掛けがしてあり、サファイアが何かをすると、石と石とがこすり合う不快な音を立てながら地下への入口が現れた。

地下へ降りていくと、かび臭い異様な臭いがした。
奥から人の笑い声などが聞こえてくる。

進むと薄暗い洞窟内に広いスペースが現れ、ポエットを圧倒した。
サファイアはさらに奥に進む。
やがて木材でできた壁に行きあたると再び彼女は何かをしだした。
すると木材の壁が開きだし、奥から再び道が現れた。

ポエットには驚きの連続だった。

サファイア
『キョロキョロすんじゃないよ!』

しばらく歩くと再び開けた場所にたどり着いた。

30

ブリニョルフ
『オナホールはここじゃないぞサファイア』

サファイア
『この小娘がマスターを探してるんだってさ』

ブリニョルフ
『なんだと?』

ポエット
『マ、マスター?』

さすがにその言葉を聞いて驚いた。
マスターの意味くらいはポエットにも理解できた。

ブリニョルフ
『嬢ちゃん。ここがどこだかわかってて聞いてるんだよな?』

ポエット
『えっ・・ええ、もちろん。
だから・・・ただでとは言わないわ』

31

ヴェックス
『へぇ~なかなか上物じゃないかw
小娘にしちゃ世渡りが上手ぜブリュ』

32

ブリニョルフ
『そのようだな。おい、お前何者だ?』

ポエット
『・・・』

ブリニョルフ
『子供が一人で宝石持ち歩ているなんて、どう考えたっておかしいゼ』

ブリニョルフ
『見たところいい所のお嬢さんって雰囲気じゃなさそうだな。
情婦にしては幼い。とは言え、中にはお前みたいなのを買いたがる変態もいる』

ポエット
『じょ、情婦・・・』

ブリニョルフ
『大方そっち方面で手に入れたか?』

ポエット
『ちっ!違うわ!』

ブリニョルフ
『何でもいいさ。とは言え、俺たちが尊敬するマスターの事を、たかだか宝石2、3個で教えてくれなんて、随分と都合がよくないか?』

ポエット
『だって、もうこれしか持ってないし・・・』

ブリニョルフ
『これだけ出せるんだったら、きっとお得意さんもいるんだろう』

ポエット
『何よそれ!どういう意味!!!』

ブリニョルフ
『そのままさ。
俺たちのシマに、平気で土足で踏み込んでくる連中がいることは知っている。
チビなお前を見れば、チンケなこそ泥だって楽にこなせるだろう。
どうせどこかのろくでもない組織から、俺たちのスパイでもしてこいとでも言われたか?』

ここにきてポエットはカチンッときた。

33

ポエット
『あなったってホント失礼な人ね!
私はポエット!これでもれっきとした大人なの!!
チビチビチビチビってッ!
チンパンノルドの女性はこれ以上成長しないの!
それに!この宝石は私が兵役している時に自分で稼いだ物よ!
あなたたちみたいに人から盗んだものじゃないわ!』

ポエットの威圧にブリニョルフは一瞬たじろいでしまった。

ブリニョルフ
『え、あ・・・』

ポエット
『私がスパイですって!?
これでも軍役経験者ですからね!
潜入するならもっと上手くやるわ!
その時はあなたの寝首が最初でしょうね!』

ブリニョルフ
『う・・・あ、、、』

ポエット
『あなたこそなによ!
そんなデッカイ図体して!
か弱い女性を見たら、みんなアバズレだとでも思ってるの!?
偉そうに髭なんかはやしちゃって!
ノルドっていっつもそう、口ばっかり達者で、いざって時になると役に立たないんだから!』

ブリニョルフ
『そ、そりゃ・・・』

???
『そのぐらいにしておいてやって・・・』

34

ブリニョルフ
『お嬢、来てたのか・・・』

???
『たった今ね^^』

35

???
『ブリュはギルドの事を思って言ったことなの、どうか許してあげて^^』

ポエット
『あ、あなたは?』

???
『私はカーリア。盗賊ギルドの一員で、ノクターナルの使徒でナイチンゲールよ』

ポエット
『ええ!?ナイチンゲールってあの本で出てくる・・・』

カーリア
『そうね。ところであなた、どうしてナディアを探しているの?』

ポエット
『ドラゴンボーンにお仕えしたいの・・・』

カーリア
『お仕え?』

ポエット
『馬鹿げてるって思われたくないからあんまり言いたくないんだけど・・・
私は、将来人望があって、私を重要視してくれる主君に仕えたいの。
そして今の大戦を終わらせて、タムリエルを統一し、戦乱の無い世の中を作ってくれる人を探しているのよ!』

ブリニョルフ
『そ、それが・・・ナディアだ・・と?・・・』

ポエット
『そう・・信じてる』

36

ヴェックス
『あはははっは!おもしれーなぁそいつ!
聞いたかよデルビン!あの小娘が救世主だとよ!』

ブリニョルフ
『ヴェックス マスターだぞ!』

ヴェックス
『だってよぉ~その話笑えるぜぇ~』

37

デルビン
『お前まさか【テオ】なのか?』

ブリニョルフ
『テオってなんだ?』

デルビン
『チンパンノルドにはテオっていう未来を予知できる者がいるって聞いたことがあるんだ』

ブリニョルフ
『お前、未来がわかるのか?』

ポエット
『残念だけど私はテオじゃないわ。
ただ、ドラゴンボーンを探したいだけ。
それにもし私がテオなら、あなたたちに聞いたりしないと思うんだけど?』

34

カーリア
『なかなか興味をそそられる事言う娘じゃない。
親切に手間賃も貰っているわけだし、得に害があるわけでもなさそうだし、教えてあげてもいんじゃないブリュ?』

ブリニョルフ
『・・・』

カーリア
『それに、あながたじろいでいる姿なんて久しぶりに見たわ^^』

ブリニョルフ
『・・・わかったよ・・・・』

38

ブリニョルフ
『最近は来てないんだ。仕事は頼んであるんだがな。
ホワイトランの南にエリジウムエステートっていう屋敷が建ってる。
たぶん今もそこにいると思うぜ』

ポエット
『たぶんって?』

ブリニョルフ
『あいつはスカイリム中を旅していて、一つのところに留まったりすることは滅多になんだよ。だからいるかどうかまでは保証できない』

ポエット
『・・・』

カーリア
『私が一緒に行ってあげるわ、彼女にちょっと用があるのよね^^』

35

ポエット
『彼女って・・・女性なの?』

カーリア
『そうよ^^ナディアって女性の名前でしょ?男だと思っていたの?』

ポエット
『う、うん』

カーリア
『ほんとにおもしろい娘ね^^』

習慣的な違いからか、ポエットには男性女性の名前の区別がつかなかった。

こうしてポエットはエリジウムエステートへ行くこととなる。

39

ポエット
『ありがとう^^』

ブリニョルフ
『おおぅ、すまなかったな。気を付けて行けよ。
それと、ナディアにたまには顔出せって言っといてくれ』




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<備考>

◎アークメイジ
ウィンターホールド魔術師大学の最高責任者

◎オナホール
リフテンにある孤児院の名前
かの有名な【親切物のグレロットおばさん】がいる。

◎テオ
第6話を参照

◎ナイチンゲール
デイドラの王子ノクターナルの使徒。
ナイチンゲールの存在はスカイリムに限らず盗賊ギルドの間でも知られているが、殆どは伝説扱いになっている。
盗賊ギルドのなかでも最も有能な3人が選ばれ黄昏の墓所を守る役に就く。

<謝辞>
今回もポエットちゃんの冒険ストーリーを掲載させていただきました。
五鉄さんの設定ですとポエットちゃんの体重は30kgくらいということでしたので、ちょっとゴツイノルドの女性なら片手で引っ張ることができるくらい軽いのでは?
私のイメージだと手乗りポエットのイメージなので、だれでもヒョイヒョイ持っていける感じがしました。
いやでも、やっぱりカワ(・∀・)イイ!!ですね^^

ありがとうございます。

本当は七話でナディアに出会うまでを描こうかと思ったのですが、
どうしても尺が長くなりそうだったので、次回に持っていこうと思っています。
なのでもう一話ポエットちゃ中心で使わせていただきます^^

1

テュリウスは質実剛健な男で、帝国に限らずエルフ率いるアルドメリ自治領からも一目置かれている。

シロディールの帝都がエルフ軍に占拠され、この地を取り戻すための先陣を任されたのがテュリウスだった。
彼は様々な戦略を用いて瞬く間にエルフの軍を追いやることに成功。
帝都の奪還に成功した。
以後、彼は皇帝以下臣民に至るまで絶大な支持を得ることになる。

しかし、この大戦における被害は、明らかにインペリアル率いる帝国側のほうが大きかった。
そこでアルドメリとの停戦条約を結ぶこととなる。

エルフの提示した条件はかなり厳しいものだった。

・ハンマーフェル南部の割譲
・ブレイズの解体
・帝国内でのタロス崇拝の禁止

元老院率いる長老たちの間では、特にハンマーフェルの割譲に関して反対意見が多かった。
第三期終期におけるオブリビオンの動乱以後、帝国は空位の時代が続き、周辺諸国が次々と離反していったため過去の栄光はすでに皆無になっている。
そのうえハンマーフェルまで奪われたとなれば、より帝国の弱体化が進むのは目に見えていた。

しかし、テュリウスの見解は違った。

2

ハンマーフェルはもともと帝国から離反したがっていた地域であり、砂漠の民であるレッドガードは帝都危機の際も援軍一つ送ってこなかった。
公こそ帝国領にはなっているものの、彼らはハンマーフェルを一つの国として認めてもらいたかった。
仮にエルフにこの地を譲渡する形になったとしても、エルフと協力関係を結ぶとは考えにくい。
しかも条項においては割譲とある。
自分たちの家を他人が勝手に割譲するなど、どこの世界にそんな馬鹿がいるだろうか?

3

ブレイズの解体はそれほど大きな問題ではなかった。
ブレイズとは代々皇帝の近衛兵の事であり、この200年の間で様変わりし、現在はペニトゥス・オクラトスという別組織がその仕事を受け継いでいる。

4

一番の問題はタロス崇拝の禁止である。
このことに関して周りは重要視していなかったが、
もしこの条項が受理されたら北方でノルド達の反乱が起こる可能性が高い。
もし内戦になったら一番得をするのはアルドメリ自治領のエルフ達である。

一番最初に反対したのはテゥリウス本人だった。
しかし元老院たちは一切耳を貸さない。
むしろノルドの事を北方の野蛮人などと罵り、
政治のような難しいことは田舎者には理解できないと突っぱねた。

元老院が耳を貸さないのならばと皇帝に直訴することにした。

皇帝タイタス・ミード二世は臣民からの信頼が高く、人望の厚い人物で有名だった。
そのため帝都を取り戻してくれた将軍テュリウスの意見も重く見てはいたのだが、
現在の帝国は皇帝よりも、元老院の方が力があるためこちらも無視できない。
とはいえ皇帝としての権威も守らなくてはいけないため、厳しい選択を迫られていた。

最終的に決定したのはこの三項目である。

・ブレイズの解体
・ハンマーフェルの割譲ではなく譲渡
・帝国内でのタロス崇拝の最終的な廃止

ハンマーフェルは手放すことによって独立を帝国は認める。
これにより帝国の庇護はなくなるが、ハンマーフェルは帝国に大きな借りを作ることになる。
以後はエルフの領土ではあるが、離反するかしないかは当地の国王に任せる。
元老院の反発の声は大きかったが、皇帝権威の元無理にでも納得させるしかなかった。

タロス崇拝は最終的な廃止という形にもっていけば、帝国は時期を見据えて事を進めることができる。
簡単に言えばすぐに事を始めるよりも、徐々に広げていけばやがては自然消滅するということである。

エルフはこの条項に同意することを渋ったが、帝国にサルモール大使館を設けるということで同意する形となった。

皇帝は元老院やテュリウスの考えを十分考慮した上で【白金協定】を結ぶことにしたが、彼の思惑よりも遥かに早く事は起きてしまった。

テュリウスを筆頭に鎮圧軍を編成し、スカイリムに向かわせることになる。
しかし、疲弊しきった帝国に大きな力はなくスカイリムに送ることができる軍は限られていた。
元老院は現皇帝に対し異様な不信感を持つようになるが、テュリウスは違った。
彼は何としてでも内戦に勝利しスカイリムを帝国に帰属させることを誓ったのである。
とはいえ兵はたったの1万。援軍は期待できない。
やむ終えず現地調達を余儀なくされることになる。

5

幸いなことにソリチュードのエリシフは、夫のトリグをウルフリックに殺されたため復讐心から賛同してくれた。
テュリウスは参謀役にノルド人のリッケを指名した。ノルドについて詳しい人物を傍に置きたかったらからである。
彼は戦略家としても実力のある人物だったので、反乱軍には最終的に無血開城させることを考えていた。
まず、各都市の首長に手紙を送り、誰が敵で誰が味方か見極める必要があった。
しかし、首長の殆どが自分たちの領地の問題で手いっぱいで、なかなか同意を得られない。
そこで、兵を割いて現地近くに陣を張り、各地の首長たちの支持を得ようとしたのである。

前話でも説明したが、ストームクロークもスカイリム中に陣を敷いている。
お互い目的はあっても完全に違えているため、各地で無意味な小競り合いが起こる羽目になる。

各都市の問題解決には時間はかかったが、なんとか何人かの首長の同意を得ることができた。

6

ソリチュードを起点とし、マルカルス、モーサル、ファルクリースを傘下に収めた。
ホワイトランの首長バルグルーフは未だに渋っている。
ウィンンドヘルムは反乱軍の拠点なので当然ながら無理。
ドーンスターの首長スカルドは帝国に対し徹底抗戦を言い放ってきた。
残すウィンターホールド、リフテンはノルドの血筋が濃いせいか、反乱軍に加勢することを宣言した。

今のところ経過も上々だったが、ここにきて無視できない問題が浮上する。

【世界を喰らう者 アルドゥイン】の襲来である。

このことについてはドラゴンボーンから接触してきた。
反乱軍との一時的な停戦条約を結んで欲しいということである。

テュリウスは表ではアルドゥインの存在など私には関係ないと言い張ったが、内心では喜んでいた。
もしこの条約が結ばれれば、一時的にでも時間を作ることができるからである。
当然そのためのリスクも承知しなければならないが、その点も考慮していた。

7

なので停戦協定を結ぶ際、ウルフリックが初っ端からマルカルスを所望してきたことには呆気にとられた。
真面目に【こいつアホだ】と確信したのである。
ウルフリックの気概から考えて交渉するために条件を提示してくるだろうと、リッケから聞いていたが、まさかマルカルスとは・・・

マルカルスはスカイリムの最も西に位置する都市でドゥーマーの遺跡を利用した頑強な要塞都市である。
ここは銀鉱山が有名で、銀の抽出量は帝国領内でもトップクラスである。
そのため帝国軍にとっても重要な資金源である。
しかしここは帝国領土内にある都市なので、ここをストームクロークが手に入れても、敵のど真ん中に陣を敷くようなものなのである。

本音を交える前にそれならリフテンを寄越せと言ってみたが、冗談じゃないと言い張ってきた。
まるで子が親におねだりするように・・・

これでは埒が明かないとグレイビアードが割って入り、ドラゴンボーンに採決してもらうことになった。

8

ナディアはしばらく考えた後、ため息をついてからこう提案した。

ナディア
『はぁ~・・・リフテンとマルカルスじゃ交換しても意味ないでしょw
ファルクリースとドーンスターの交換でいんでない?』

テュリウスは妥当だと思った。
しかし、ウルフリックは収まらなかった。

ウルフリック
『冗談じゃない!ドーンスターは我々にとって重要な防御拠点だ!
ここを帝国に渡せば、間違いなくウィンターホールドを伺われる!』

ナディア
『それならファルクリースだって同じじゃん。
リフテンとファルクリースを抑えればシロディールからの援軍の心配も減るでしょ。
それにウィンターホールドが心配なら、あそこに兵を配置すればいいじゃん。
自分の領地だって言う割には、ホッタラカシなんだからさ』

ウルフリック
『お前!どっちの味方なんだ!』

テュリウス
『ウルフリック!今はドラゴンボーンにどちら側に付くかの話をしているのではない』

ウルフリック
『くっ!』

テュリウス
『私はドラゴンボーンの意見に賛成だ』

アーンゲール
『ウルフリック。あとはおぬし次第だ。ドラゴンボーンの意見に賛成か?』

ウルフリックにとっては不満は多かったが、しぶしぶ賛成することにした。

テュリウスはドラゴンボーンのナディアという人物に一目置くようになった。
おそらく内戦に勝利するにはドラゴンボーンの力が必要不可欠になってくるのでは?と。

とにかくドール城に戻ったテゥリウスはファルクリースの明け渡しの準備と同時に、
ドーンスターの占領及びウィンターホールド攻略の準備を始めた。

9

ポエットがスカイリムに戻り、ソリチュードからリフテンに向かっているころ、帝国軍はウィンターホールドを落とすことに成功した。
スカイリムの勢力図は少しずつ変わり始めていた。




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<備考>

◎グレイビアード
停戦協定が行われた場所。
タムリエルで最も高い山【世界の喉】と呼ばれている頂き付近にあるハイフロスガ―の住民。
グレイビアードは声の伝道者であり、ドラゴンボーンにシャウトを教えた人物。
この山の頂上にはパーサーナックスというドラゴンが住んでいる。

◎テュリウスは帝都を取り戻す際、先陣を任されたなんて話はない。

◎ハンマーフェルはTESのストーリー上では帝国は譲渡していない。
実際は割譲してしまっているいので、よけいハンマーフェルの怒りを買っている。

◎停戦協定はゲームとは違った形にしています。

TESの実際の物語を織り交ぜながら、作者オリジナルを混ぜ混ぜにしてます。
たぶんこうなるんじゃねーの?って感じで書いてますので、全部を鵜のみにしないでくださいw

1

エリジウムエステートはホワイトランから南にある屋敷である。
ナディアはアルドュインを討伐するちょっと前にこの家を購入した。

スカイリムでは従士職に就くと、その街で家を購入する権限を持つ。
というより半強制的に家を購入させられるのだ。
従士職はその街の周辺での問題を率先して解決する職務である。

そして私兵を一人連れることを許される。これを従者という。

彼女はスカイリム各地の従士職に任命され、自らの持ち家をいくつも所有していた。
このため彼女は各地の首長に絶大なる信頼を持たれている。
その代わり休みなく働かなくてはいけないということでもある。
24時間フル稼働で各街を旅し、問題を解決し続けなければいけないのだ。

あるとき従者のリディアが言った。

リディア
『みんなでお金出し合って、家買わない?真面目に死ぬわ・・・』

そこでナディアは各地の従士職を辞退し、
この家を購入し、私兵を連れて住むことにしたのである。

従士職のFA宣言である。

これは異例の待遇であり、彼女だからこそできたことだと言ってもよい。
各町の首長は問題が起こると伝達兵を使ってナディアに連絡をするようになったのだが、
基本的にナディアという人は自由人なので、なかなか捕まらない。

とはいえ、ナディアが行くことがなくても、従者達がこれらの問題解決に率先して働いてくれたので、仕事に穴が開くという事は一度もなかった。

2

カーリア
『これがナディアの家よ^^』

ポエット
『ここなら何度か通過していたのに・・・灯台下暗しだった・・・』

カーリア
『あらら・・・^^;』

3

リディア
『あら?カーリアじゃない!』

カーリア
『久しぶりねリディア^^元気にしていた?』

リディア
『まぁね。ようやく引っ越しの片づけが終わったところかな^^;』

カーリア
『ずいぶん掛かったわね???』

リディア
『ええ、みんな仕事に行ってしまって、私とジョディスでほとんどやったのよ』

カーリア
『ごくろうさま^^;』

リディア
『今までに比べたらずっと楽でいいわ^^;』

リディア
『ところでその娘は?』

4

ポエット
『私はポエットと言います!ナディア様にお会いしたくシロディールから来ました!』

リディア
『ナディアに?』

カーリア
『ナディアを見つけるためにスカイリム中を旅してまわったそうよ^^ナディアに仕えたいんだって^^』

リディア
『あらら、大変だったわね^^;』

ポエット
『いえ!そのようなことはございません!』

リディア
『ここは軍隊じゃないのよ、楽にしてくれていいわ^^』

ポエット
『は、はい・・・』

リディア
『普段通りでいいいの^^』

リディア
『実はナディアなんだけど、ここ2日間書斎にずっと籠りっぱなしなのよね』

5

カーリア
『じっとしてられない人でしょ?珍しいわねw』

リディア
『うーん、こういう場合考え事してる事が多いから、私たちも近寄りがたいのよ^^;』

ポエット
『あの・・・もしかして・・・帝国にするか反乱軍にするかで悩んでおられるのでしょうか?』

リディア
『あら?よくわかったわねw』

6

ポエット
『時期的なものと・・・あとは旅をしている間、ナディア様がどちら側についたという話を一つも聞かなかったもので・・・』

リディア
『それだけでわかったの?』

ポエット
『予想ですけど・・・』

7

カーリア
『この娘面白いのよ^^チンパンノルドっていう種族らしいんだけど、未来を予知できるだってw』

ポエット
『えっ!ちょっとカーリアさん違いますよ!違いますってばぁ!』

リディア
『へぇ~♪そんな能力があるんだ^^』

ポエット
『えーーー!もう!なんてこと言うんですかカーリアさん!私はできません!』

カーリア
『ごめんごめんw冗談よ^^でも実際、彼女ずいぶん肝が据わってるわ。だってあのブリュでさえ弱腰になったのよ^^』

リディア
『それならナディアにアドバイスしてもらえると助かるわ^^』

ポエット
『・・・』

8

カーリア
『いきなりってそりゃないんじゃない?もうちょっとしたら夕飯でしょ。今日はご馳走になって行くわ^^』

リディア
『それが、全然出てこないのよ^^;』

カーリア
『2日間何も食べてないの?』

リディア
『まさかw籠るときは色んな物持って入るのよ。暖炉もお風呂もあるから心配ないと思うんだけどね^^;』

9

ポエット
『あのぉ~入ったら怒られるのでしょうか?』

リディア
『そうねぇ~私が前に入ったときはものすごい目で睨まれたわwそれになんか近寄るなっていうオーラが出てたし』

10

ポエット
『ええええっ!』

カーリア
『オーラって・・・ほんとにぃ?』

リディア
『ホントよ。青いオーラがでてたの^^』

ポエット
『ひぃぃいいいぃ~><;』

11

リディア
『ふだんのあの娘とはまるで大違いだけど、それだけ真面目に考えているってことね^^』

カーリア
『まぁやるときはやる人よねナディアって』

リディア
『どうする?中に入ってみる?』

考えてみればあのアルドュインを倒したドラゴンボーンである。
その力は計り知れないものがある。

だがここまできて逃げる理由もなかった。

ポエット
『や、やりますっ!』

12

カーリア
『大丈夫かしら?』

リディア
『まぁ、実害はないんだけどね^^;』

13

ポエット
『ナディア様!私はポエットと言います!ナディア様にお仕えしたくシロディールから来ました!
ナディア様のお悩みの助力になれればと思いますので・・・・』

ポエット
『し・・失礼します!!!!!』

14
15

ポエット
『ひぃいいいいいい!!!!』

16

リディア
『あらら・・』

カーリア
『本当だったんだ・・・』

17

ナディア
『かわいいいいいいいいいっ!!!!』

18

ナディア
『ねぇねぇねぇ!君はだれだれだれぇ~^^』

ポエット
『わ、私はポエットと言います・・・』

ナディア
『うわぁ~ポッポちゃんねぇ~^^』

ナディア
『どうしたのぉ~?なんでここにいるのぉ~?^^』

ポエット
『え?あの、私は、ナディア様にお仕えして、ナディア様のお手伝いができればと思って・・・』

ナディア
『ええええ!ナディアの傍にいてくれるのぉ~^^やったぁぁあああ!!!^^』

かなり上機嫌であった。

19-1

ナディア
『うふふふうぅ~ふふうぅ~♪』

リディア
『あんた気持ち悪いわよ・・・』


リディア
『そういえば・・・リサードが言っていた娘じゃない?』

ナディア
『ああ~wモフモフが言っていたね^^』

ポエット
『も、モフモフ?』

リディア
『あなたカジ―トキャラバンと一緒に来た娘じゃない?』

ポエット
『はい!そうです』

リディア
『え~とぉ~誰だったっけ?あの猫の名前・・・』

ポエット
『もしかしてカルジョですか?』

リディア
『あーそうそうそんな名前だったわ』

カーリア
『なるほど^^リサードはカジ―トキャラバンの元締めよ。彼の許可がないとスカイリムで商売ができないのよ。
たぶんそのカルジョっていうカジ―トはリサードにあなたの話をしていたのね^^』

19-2
19-3

リディア
『で?ナディア決まったの?』

ナディア
『うーん、大体はね・・・でも乗り気がしないんだよなぁ~』

ポエット
『あのぉ~どっちにしようと思ってるんですか?』

ナディア
『う~ん、7:3でストームクロークw』

リディア
『あんた正気?反乱軍なのよ?それにこの間ウィンターホールド落とされて、今ウィンドヘルムで睨み合いしてるのよ』

ナディア
『う~ん、そうなんだけどさぁ~・・・』

19-4

ポエット
『私もナディア様と同じ考えです』

リディア
『え?そうなの?』

ナディア
『面白そう^^なんでなんで?』

ポエット
『ストームクロークがウィンターホールドを奪われたのは、守りに適していないという点ともう一つ、兵の士気が低いせいです。
これは停戦条約が結ばれた時点から始まっています。そもそもこの反乱自体、最初から勝てる見込みなんてないんですよ』

リディア
『言ってることがアベコベなような気がするんだけど・・・』

ポエット
『そうですね^^まず順を追っていきましょう』

彼女は自分が兵役していた時に感じていたことを淡々と語り始めた。

19-5

ポエット
『まずこの反乱が起きた原因は帝国がスカイリムを裏切り続けたことにあります。
タロス崇拝の廃止を始めとし、マルカルス事件、ウルフリックの投獄とその殆どがウルフリック個人による逆恨みからきています。
ウィンドヘルムはウルフリックが首長として治めているので、ここに住むノルドが彼を支持するのはあたりまえです。
でも他の首長は同じ考え方を持っていません。ウルフリックよりも自分たちの領地を守ることで頭がいっぱいです。
それに住民だって、ウルフリックのことをいいように思わない人もいれば、ノルドでありながら帝国と通じていたりする人もいます。
さらに言えばスカイリムは帝国よりも特にダンマーの移民の数は多いはずです』

19-6

イオナ
『モロウィンドウを取られたからね』

ナディア
『あーみんな帰って来たの?』

イオナ
『面白そうな話ね。続けなさい』

19-7

ポエット
『はい、えっと。そうですモロウィンドウがアルゴ二アンに征服されたからです。
ウルフリックはノルドがダンマーを迫害することを見て見ぬふりです。
だから彼に対して心からついていこうとするものは、スカイリム全体でもたぶん3割も満たないはずです』

イオナ
『それはちょっと極端すぎない?
タロス信仰はノルドにとってノルドの生き方そのものなのよ。
ウルフリックはその象徴として反乱軍の頭をはってる』

ポエット
『たしかにその通りですね。
ノルドにとってタロス信仰は生活そのもの、それを廃止となればノルドそのものを否定されたことになる。
でも残念ながら、今はそれが通用しません。反乱軍にノルド以外の種族って見たことありますか?』

イオナ
『そ、それは・・・』

ポエット
『ホワイトランには極端なタロスマニアが一人いますよね・・・』

ナディア
『あーーーわかるぅ~♪ヘイムスカーでしょwあいつ面白いんだよ!!!』

リディア
『うるさい!黙りなさい!』

ナディア
『あ、ご、ごめんなさい・・・』

ポエット
『彼は四六時中叫んでるみたいですけど、信者らしい信者を持っているように見えますか?』

19-8

イオナ
『う、うーん・・・』

ポエット
『ホワイトランの首長バルグルーフはノルドでありながら未だにどっちつかずです。
彼は他の首長とは一線を画しているところがあります。それは驚異的なバランス能力です。
あそこには二つの名家がありますよね。帝国側のバトルボーン家とストームクローク側のグレイメーン家。
さらに側近にはダンマーにインペリアルがいるでしょ。
もしウルフリックが、バルグルーフのように、ダンマーを取り込む形をとっていれば、この数はもっと上がっていたと思います』

イオナ
『確かに・・・帝国には他の種族も含まれているわね・・・』

ポエット
『あとは、ノルドの風習にも問題があります』

19-9

カルダー
『どういうことだ?』

ポエット
『ノルドの祖先はネディック人で元々アトモーラからスカイリムに来た異民族ですよね。
スカイリムは北方の寒冷地帯であり、彼らは寒さを凌ぐために酒を飲んで体を温めるといった習慣を身に着けました。
しかし別な意味での習慣も身に着けているんです。つまり飲酒による酩酊が気持ちを高揚させ、これが士気に繋がるといった考え方があるんですよ』

19-10

カルダー
『当然だ。それが俺たちの生き方ってやつさ』

ポエット
『生活の知恵としては正しいです。でも戦では通用しません・・・』

カルダー
『なぜだ?』

ポエット
『お酒という物は兵士たちに取って楽しみの一つです。戦ではそのメリハリをつけることが大事なんですよ。
大将を倒した。砦を落とした。陣を奪った。その報奨として与える物の一つです。
でもノルドは戦に勝とうが負けようが関係ない。仕事の最中でさえ水代わりに飲んでるんです』

カルダー
『寒冷地で働いているんだ。それくらいいいだろうw』

19-11

ポエット
『いいえ、これは悪習です。
飲酒は人間の判断能力を奪います。
戦いになれば痛みを感じにくくなり動きも鈍くなります。
そうなれば命を奪われる可能性が高くなります』

カルダー
『俺はそうはならないぜw』

ポエット
『私は反乱軍にいました。あなたと同じこと言っていた者と一緒に下水道の害獣退治をした時です。
彼はいつものように酒を飲みながら下水道を歩いていました。
突然、彼にスキーバーが噛みついたんです。彼はかすり傷だと言ってましたが、翌日亡くなりました』

19-12

カルダー
『う・・・』

カーリア
『あなた反乱軍にいたの?』

ポエット
『はい、一年と半年くらいですけど・・・』

19-13

ポエット
『みなさん・・・帝国が同じことをしていると思いますか?
テュリウスという将軍がどんな人なのか私はあまり知りません。
でも彼はシロディールでは有名な人で、老練で戦略に関しては帝国随一と評価されていました。
あのアルドメリのエルフだって一目置いているんです。そんな彼がノルドの弱点を見抜けないはずがない』

ナディア
『へぇ~あのオジサンそんなに凄い人だったんだ』

ポエット
『皇帝にも信が厚いそうです』

19-14

ジョディス
『ねぇ、反乱軍が帝国に勝てないって理由はよーくわかったわ。じゃぁどうしてあなたは反乱軍に味方するほうがいいと思ったの?』

ポエットはナディアの目をジッと瞠った。

ポエット
『その前に、まずナディア様がどうして反乱軍押しなのか聞きたいですね』

19-15

ナディア
『う~ん ナディアはさ、イオナが作ってくれる”おにぎり”が大好きなのね。
だからさ、イオナっていうおにぎりの神様がいたらナディアは信者になるんだよ』

ポエット
『は、はい・・・』

ナディア
『でも、明日からイオナ信仰禁止!って言われたら、そりゃナディアだって怒ると思うんだよ。
だからノルドの気持ちもわかるのね』

ポエット
『そうですね^^;』

ナディア
『エルフがタロスをイイように思ってないのはさ、タロスが昔、ドゥーマーの機械を使っていっぱいエルフを殺したからでしょ。
でも、エルフの祖先だって定命の者に酷いことしてきたじゃん』

ポエット
『はい』

ナディア
『だからさ、仕返し仕返しの繰り返しなんだよ』

ポエット
『憎悪の連鎖ですね』

ナディア
『そう、それそれ!こういうのはどっちかが我慢するしかないんだよ』

ナディア
『でもね。正直言ってナディアはタロス信仰なんてどうでもいいんだよ。
それはさ、私が無宗教だからとかじゃなくて。自由なはずなんだよ。
誰かを傷つける行為に繋がらないなら、どんな神様を崇拝しようと自由でしょ』

ポエット
『そうですね^^』

ナディア
『なのにさ、サルモール大使館なんて置いて、タロス崇拝している人を捕まえて拷問するなんて酷いじゃん!』

ポエット
『ご、拷問してるんですか・・・?』

19-16

リディア
『ノースウォッチ砦で、エルフがタロス寄りのノルドを捕らえて拷問していたのよ』

ポエット
『それは、行きすぎですね・・・』

ナディア
『でしょ!自由を奪われるのはさ、誰にだって辛いことだと思うのね。
でも帝国はエルフと同盟組んでるでしょ。でも大使館まで設ける必要はなかったはずなのね。
帝国はそのことを知っててやってるんだよ!』

ポエット
『だから帝国は嫌だと』

19-17

ナディア
『うん。でもウルフリックについてナディアもタロス押しって見られるのも嫌なのね。
でも、戦争になると罪もない人たちまで犠牲になっちゃうでしょ。
7:3って言ったのはさ、帝国についたらエルフの汚いやり方を認めることになっちゃうじゃん。
それならナディアが我慢して、ウルフリックについたほうが正しいんじゃないかなって思ったの』

ポエット
『だから乗り気にはならいと』

ナディア
『うん!ナディアは頭悪いけどさ、やっぱり弱い人を虐めるのはダメだよ!』

19-18

ポエット
『それなら、ナディア様自身で台頭を掲げてみては?』

ナディア
『台頭って?』

ポエット
『ナディア様がスカイリムの上級王になるんです』

ナディア
『な、なにいってるんだよぉ~そんなことできるわけないじゃ~んw』

ポエット
『いいえ!できます!』

ナディア
『そ、そんなぁ~。私、頭が悪いし、偉くないし・・・ムリだよぉ~><;』

ポエット
『あなたは各地の首長の絶大な信頼を得ている。
ウィンターホールドのアークメイジであり、盗賊ギルドのマスターです。
そしてアルドゥインを倒したのもあなたです。
山賊だってあなたの名前を耳にするだけで震え上がります。
それにあなたについてきてくれるノルド達がこんなにいるじゃありませんか』

19-19

(一人ちがった・・・)

ポエット
『あなたは種族間を超えた考え方の持ち主のようだ。それはスカイリムに限らず、今のタムリエルに必要な考え方だと私は思います。
だからこそ、あなたにはその資格があります。私は将来、あなたにタムリエルの皇帝になってもらいたいと思っています』

19-20
19-21

リディア
『ちょっと、刺激が強すぎたかもね^^;』

19-22

ポエット
『すみません・・・こんなつもりでは・・・><;』

リディア
『いいのよ^^気にしないで。まぁ皇帝はならずも、あの娘には上級王くらいなら資格があるんじゃないかなって私も思っていたから^^』

19-23

カーリア
『なるほどねぇ~それで反乱軍についたほうがいいって、あなたは言うのねw』

ポエット
『は、はい・・・わかりました?カーリアさん^^;』

カーリア
『まぁ、大体はね^^』

19-24

リディア
『それなら、あなたには今の反乱軍の状況を打破する方法があるってことなの?』

ポエット
『もちろんです!でもそれにはまず、ナディア様に決断してもらわないと・・・』

19-25

アルギス
『おい・・・どういうことなんだ?さっぱり意味がわからん・・・』

カルダー
『俺もだ!』

19-26

カーリア
『要するに、ナディアにとって帝国につくよりも、反乱軍についた方が都合がイイってことよ』

アルギス
『都合がいい?』

カーリア
『ナディアは各地の首長の信頼があるでしょ。ってことはスカイリム全体にとってナディアの一言は誰も無視できないのよ。
ウルフリックは今危機に直面している。この状況をもしひっくり返すことができれば、ナディアは絶大な力を手に入れるのよ』

19-27

アルギス
『絶大な力・・・?』

イオナ
『この・・ばか!』

リディア
『ハァ~・・・・』

カーリア
『危機に直面しているウルフリックを助けるのよ。しかもナディアは各地の首長の信頼がある。ってことはウルフリックより人気が出るってことよ。
みんなナディアになびくわ。そうなればほっといてもナディアは上級王になるのよ』

19-28

アルギス
『じょ・・・上級王!!!』

19-29

リディア
『イオナ、おにぎり作ってくれない?』

イオナ
『はぁ?』

リディア
『ナディアに持っていくのよ』

19-30

リディア
『ポエット。あなたも一緒に行くのよ』

ポエット
『ええっ!?』

リディア
『ナディアを説得させたいんでしょ』

20

リディアはおにぎりをもってナディアの前に立つ。

リディア
『ほら、ナディア、置いとくわよ』

ナディア
『・・・』

ポエット
『あの、すいませんナディア様。私そんなつもりじゃ』

ナディア
『様はやめて・・・ナディアでいいよ^^』

ポエット
『は、はぁ・・・』

リディア
『ナディア、時間はあまりないわ。あなた次第よ』

ナディア
『ムリ!私に王なんて無理だよ・・・皇帝なんて・・・考えられない!』

21

ポエット
『正直・・・私うれしいです・・・』

ナディア
『え?』

ポエット
『私の一族はヴァレンウッドを故郷とする少数民族です。
でも私が生まれたときには一族はすでに放浪民をやっていました。
父が言うには、昔ウッドエルフとの戦争で敗れて、故郷を追い出されたんだって。私には故郷がないんです・・・』

22

ポエット
『エルスウェアとシロディールの国境沿いを放浪しているときに、
ウッドエルフの団体と出くわしちゃって、小競り合いになったんです。
父が私をシロディールまで逃がしてくれました・・・』

ポエット
『私小さい時から一族の習慣になじめなくて・・・いつも抜け出したいって思ってたんですよね^^;
だから、これをチャンスだと思ったんですよ。それでスカイリムに行くことにしたんです』

ポエット
『最初は帝国軍に入隊しようとテュリウス将軍に会いました。
彼には”子供は入隊させられない”と言われました。
それで、反乱軍に入ったんですけど、雑用ばっかりで、兵士の間ではいつも子供あつかい。
それに、意見を言っても全然取り合ってくれませんでした』

ポエット
『諦めたんです・・・それで、シロディールに戻って家族を探そうとしていたんです。
そんな時カルジョに言われたんです。”故郷に錦を飾れ”って』

(言ったけど、自分で考えろと言われた)

ポエット
『思ったんです。このまま家族の元にもどっても、きっと私はまた窮屈になる。
それに私には故郷がないから、戻る場所がないんです』

ポエット
『そんな時、タイバー・セプティムの事を思い出しました。
彼はドラゴンボーンで、帝国の皇帝になったノルド人。
だから最後の賭けに出てみることにしたんです』

23

ポエット
『あなたは、私のことを最初から拒否しませんでした。
差別もしませんでした。
だから・・・
あなただけです。
あなただけなんです。
私の意見に耳を傾けて、こんなに悩んでくれた人は^^;』


24

ポエット
『だ、だから・・・ありがとうございました^^』

25

ナディア
『王様とか皇帝とか、そういう身分になれるかどうかはわからない。
でも・・・でも・・・』

リディア
『でもなに?』

26

ナディア
『でも!故郷を取り戻すお手伝いならできると思う!
それで良ければナディアもがんばるよ!』

リディア
『ポエット』

27

ポエット
『・・・』

リディア
『今のナディアじゃこう答えるのが精いっぱいよ。どうする?』

ポエット
『はい!よろしくおねがいします^^』

ナディア
『イェーイ!』




ポチットお願いしますm(_ _)m


<備考>

◎各都市の持ち家について
スカイリムのゲーム内では家を購入すると従士職に就く権限を得られる。
ストーリーではその点を逆にした。
ちなみに従士職を辞退することはできない。

◎マルカルス事件
フォースウォーンというスカイリムの原住民がマルカルスを占拠し、帝国に対して統治を求めた。
帝国はタロス崇拝容認を餌にウルフリックにこれの鎮圧を命令した。
だがこのことがアルドメリに発覚し、ウルフリックを逮捕する結果となる。

◎ダンマー
ダンマーとはダークエルフのこと。
彼らの故郷はタムリエルの北東に位置するモロウィンドウ。
現在はアルゴ二アンに侵略されてしまい、ダンマーの殆どはスカイリム領のソルスセイム島やスカイリムに逃げ込んでいる。

ちなみに作中のカーリアはダンマーである。

◎ドゥーマー
ドワーフの事。ドワーフはTESのストーリー上、遥か昔に消え去った種族として描かれている。
彼らがなぜ突然姿を消したかは未だに謎のまま。しかし、彼らには高い技術があり、タムリエル各地にドゥーマーの遺跡として残っている。
中でもスチームアニムンクリと呼ばれる、ロボット兵は侵入者を排除するために未だ動き続けている。

◎スキーバー
スカイリムの洞窟や地下や下水道にいる大きなネズミのような害獣。
病原菌をもっている可能性が高いので噛まれると病気になる可能性がある。

1

ホワイトランはスカイリムの中央に位置する街で、物流の中心として有名である。
スカイリム中のありとあらゆる物がここを通り各都市へと流れていく。

物が集まれば当然人も集まってくる。
商人やキャラバン、傭兵に流れ者、巡礼者や物乞い。

そして大きな金の貯水池であり、様々な支流を抱えている。

さらに政治的にも大きな力を持つ場所である。
名家として名高い【バトルボーン家】と【グレイメーン家】があるが、
内戦の影響で二つの家が、帝国側と反乱側に別れて互いにいがみ合っている。

街の中心にあるギルダーグリーンと呼ばれる一本の木は、
この街の平和の象徴として称えられ、何者もこの木を傷つけることを禁じられている。

ヘイムスカーと言う男が、日がな一日タロスについて演説しているのもこの街である。

またこの街には【同胞団】と呼ばれる戦士ギルドがある。
彼らはジョルバスクルという大きな建物に住んでいる。
ホワイトランという街はこの建物の周辺から始まったのだと言う。
かなり古くからあるギルドで、代々の首長も彼らには敬意を払ってきた。
とは言え、彼らはこの街における政治的な問題には一切関与しないことでも有名である。

衛兵の数も現在の首都であるソリチュードに劣らぬほどの数で守られている。
様々な事柄が交差する都市にしては、犯罪件数は他の都市と比べると極端に少ない。
街中で子供が走り回れるほどである。
これはスカイリムにとってどの勢力に属そうとも中立的な立場であるからと言えるだろう。

2

そして、この街を治めているのが【バルグルーフ】という一人の男である。
ホワイトランを円滑に且つ絶妙なバランスで保っているのも彼である。
よって人々は彼の事を尊称して【偉大なる首長】と呼び。彼に付き従う者は少なくなかった。

現在彼は帝国、反乱どちらにも与していないが、どちらの言い分にも大儀があると明言はしていた。
とは言え、スカイリムの情勢は刻一刻と変わりつつある。
いかにバルグルーフと言えど、決断の時は迫りつつあった。

その日、バルグルーフは一通の手紙にややも憤慨していた。

3

バルグルーフ
『くっそぉ!テゥリウスめ!我々をいったい何だと思っているんだ!』

イリレス
『何を言ってきたの?』

バルグルーフ
『我々にファルクリースに攻め込んで、これを獲ってこいと言ってきた!』

イリレス
『また同じ内容なのね・・・でもファルクリースは要害ではないわ、ホワイトランの兵で十分攻め取れる場所よ』

バルグルーフ
『そんなことはわかってる。俺が気に入らないのは、帝国が我々に対し特になにかをしてくれるわけでもないのに、
帝国側につきたいならファルクリースを手土産で持ってこいと言ってることだ』

イリレス
『でも、実際時間の問題であることには変わりないわ。あなたもそろそろ決断する時なのよ』

バルグルーフ
『ダメだ!少なくとも、我々が出兵している間にこのホワイトランを保護してくれるだけの援軍でも来ない限り、オレは動く気にはなれない!』

プロべンタス
『しかし、あまり時間を掛けると我々が何かを企んでいると思われ兼ねません』

バルグルーフ
『俺がそんな男に見えるか!?この街を円滑に運営しているのは、この俺だぞ!』

バルグルーフにとっては内戦どうこうよりもホワイトランの安全が第一なので、中立という立場が崩れてしまうことを何よりも恐れていた。

4

リディア
『随分と荒れてますねバルグルーフ首長^^』

バルグルーフ
『リディアか。ナディアはどうした?』

リディア
『実はナディア様の使いで来たんです』

バルグルーフ
『お前を使いにするとはな。何をたくらんでる?』

リディア
『できれば・・・お人払いができるといいのですが・・・』

バルグルーフはリディアを睨んだ。

バルグルーフ
『それはできん!今は誰が敵で誰が味方か判断が難しい。要件はなんだ!俺は今忙しいんだ!』

リディア
『わかりました。実はナディア様も首長と同じことで悩んでおられます』

バルグルーフ
『なるほどな・・・
ナディアは英雄だ。その功績は計り知れないものがある。
となれば、どちらについても彼女の影響は大きい。
それはつまりどこで誰が見ているかわからんというわけか』

リディア
『はい・・・』

バルグルーフ
『悪いがみんな下がってくれ』

5

プロべンタスと衛兵たちは二階に上がっていった。
だがイリレスだけは残った。

6

バルグルーフ
『イリレス、みんなと言ったはずだが』

イリレス
『私は残るわ。あなたを守るために私は人生を捧げてきた。あなたを裏切る理由なんてないもの』

イリレスはリディアを怪訝そうに見つめる。
バルグルーフはため息をついたが、それについては何も問わなかった。

バルグルーフ
『すまんなリディア。そういうことだ』

リディア
『私はかまいません^^』

バルグルーフ
『で?ナディアはどう考えている?』

リディア
『それについてですが、手紙を預かってきました』

リディアはなんの気無しにバルグルーフに手紙を手渡しした。
バルグルーフが手紙を受け取り中身を開いて見る。
イリレスがそれに目を奪われた瞬間、バルグルーフがいきなり怒鳴り声をあげた。

バルグルーフ
『リディア!どいういうことだこれはっ!?』

7

リディアは二人の隙を見事につくようにバルグルーフの首筋に剣を立てる。
彼は瞬時に背筋が凍った。

イリレス
『いったい何のつもり!』

リディア
『イリレス!動かないで!』

8

人払いしたはずなのに、いつの間にか衛兵の一人がイリレスの後ろにいた。
しかもその剣は彼女の後ろ首を一突きしようと向けられている。

リディア
『立ってください首長』

バルグルーフ
『いったいなんのつもりだ!?』

リディア
『立ってください!』

バルグルーフは仕方なく玉座を立つ。
同時にリディアはバルグルーフの後ろに回り、右手を抑え、首筋に剣を横走りさせた。
そして二階にいる衛兵に叫んだ。

9

リディア
『私に何かあれば首長の首が飛ぶ!わかったら全員武器を捨てろ!』

二階から衛兵が弓矢でリディアを狙おうとしていたが、プロペンタスが止めにかかった。

プロペンタス
『よせ!撃つんじゃない!やめるんだ!』

リディア
『武器を捨てろっと言ってるんだ!!』

リディアはさらに一括した。

10

プロペンタス
『首長の命が危ない。みんな武器を捨てろ!捨てるんだ!』

ガチャガチャと衛兵は武器を捨て始めた。

11

ドラゴンズリーチの監獄から外にでようした衛兵も捕まってしまった。

12

リディア
『あなたもよイリレス^^』

イリレスは完全に裏をかかれた事に腹の底から怒りが込み上げていたものの、バルグルーフを犠牲にはできないと判断し武器を捨てた。
ひざまずき両手を頭にのせる。

イリレス
『おのれ・・・卑怯者め!!』

腹いっぱいの憎しみを込めて言い放った。

???
『卑怯者っていうのは、首長でありながらいつまでも決断できず、城に籠って怒号ばかり吐いてる人のことを言うんじゃないですか?』

13

???
『始めましてバルグルーフ首長』

イリレス
『なんなのこのガキは・・・?』

14

ポエット
『私はナディア様の従者でポエットと言います^^』

バルグルーフは頭の中で必死に事を整理し理解しようした。

バルグルーフ
『まさか・・・お前みたいなガキがこの事態を招いたというのか?』

ポエット
『ガキガキって、そのガキに捕まったのはあなた達ですよw』

リディアはバルグルーフの右手を更に強く抑え込んだ。

バルグルーフ
『くっ!いったい何を企んでる!?』

15

バルグルーフは息を飲む。
彼の目の前にウィグナー・グレイメーン、そしてその家族と彼を支持する者が立ちふさがった。

ポエット
『バルグルーフ首長、本日付であなたには首長の座を辞任してもらいます』

イリレス
『なんですって!?』

16

バルグルーフ
『ふざけるなっ!』

ポエット
『ふざけてなどいません。これから街に出てあなた自身の言葉でそれを宣言してもらいます』

ポエットは演説の内容を書いた用紙をバルグルーフに見せた。

ポエット
『簡単ですから。暗記してください^^』

それを見た彼は再び激高する。

バルグルーフ
『こんなことを俺が言うわけがないだろう!!!』

17

ポエット
『あれ?お手紙お読みにならなかったのですか?』

バルグルーフは顔が青ざめた。

18

そいえば昼間から子供たちの姿を見ていない・・・
バルグルーフはテゥリウスからの手紙の内容で頭がいっぱいだった。

ポエット
『安心してください。子供たちの命まで取ろうとまでは思っていません。
ですが、拒否した場合は・・・保証ができなくなるかもしれません・・・』

信じ難い事実だったが、さすがのバルグルーフも子供を人質にとられたのでは遇の根もでなかった。

19

ウィグナー
『バルグルーフ。これはお前さん自身のプライドの高さが招いた結果だ。お前もノルドなら男らしく受け入れろ』

20

町民A
『首長だ』

町民B
『え?あれが首長さんなの?』

町民
『めずらしいなこんなところに出てくるなんて』

21

ポエット
『みなさん!これよりバルグルーフ首長から大事なお話しがあるそうです!』

バルグルーフは腸が煮えくり返そうだったが、子供たちを事を思いひたすら我慢した。

バルグルーフ
『わ、私は今の状況を考慮に考慮を重ね。重臣たちとも相談し。今日あることを決断した。
それはつまり本日付で首長の座を辞することにする・・・』

町民
『ええ?それっていったいどういうことなんだ!?』

22

バルグルーフ
『私には皆の命を危険に晒してまで、この戦争に参加する意義を見出せない』

23

バルグルーフ
『ノルドでありながら、ノルドらしい生き方を追い求めても、それを追求することができないのだ』

24

バルグルーフ
『私個人としては、正直ウルフリックとの友情を優先したい。それこそが真のノルドの生き方だからだ』

25

台本棒読みに近かったが、込み上げる怒りを額の汗に変え、とにかく終わらせようとした。

26

バルグルーフ
『だが私には、それをやる資格がない!よって今日より、名家であるウィグナー・グレイメーンにその座を譲り渡すことにする!』

27

真昼間の出来事に、町民たちはにはいったい何がなんのか理解できず唖然とし、誰一人反論するものはいなかった。
実際、町民達にとっても目前の仕事や用事で忙しく、首長にカマっていられるほど余裕もないのだ。
ただ一人、タロスを敬愛している男の大きな声だけがホワイトランに木霊する。

28

ポエット
『即興で覚えた割には上出来でしたよバルグルーフ殿w』

彼はもう首長ではない。

バルグルーフ
『子供たちは無事なんだろうな・・・』

ポエット
『心配いりません。ソリチュードに向かっております。エリシフ首長に手紙もしたためてありますので^^』

バルグルーフ
『俺たちをどうするつもりだ!?』

ポエット
『あなた方には、しばらくの間グレイムーア砦の監獄に入っていただきます^^』

29

バルグルーフ
『おい!ここは無人の砦のはずだ!』

衛兵
『心配すんなってw飯はちゃんと運んでやっから。トイレはそこにあるし。じゃあなw』

バルグルーフ
『おい!待て!ナディアに会わせろ!』

衛兵
『俺にその権限はねーよ』

30

ホワイトラン制圧はここに完了した。

31

アルギス
『ほんとにホワイトラン落としちまったよ・・・』

イオナ
『ええ・・・とんでもない娘が来たわね』

カルダー
『あいつスゲーなぁ・・・』

リディア
『脱帽ものよね^^』

ジョディス
『あの娘がいれば、ナディアが本当に上級王になるかもしれないわ・・・』

32

ウィグナー
『まさかこうも簡単にホワイトランを制圧してしまうとは、お嬢ちゃんには恐れ入ったわい^^』

ポエット
『いえいえ、これも皆さんのご協力あってのおかげです^^』

33

ポエット
『まず初めにやることは、ホワイトランを落とします』

みんなで
『なんだって!?』

さすがのリディアもポエットのこの発言には驚いた。

アルギス
『おい、ポエットぉ~いくらなんでもそりゃ無理だぜ・・・』

ポエット
『どうしてですか?』

アルギス
『だってよぉ~あそこはハッキリ言って要害だぜ。衛兵の数が多すぎだ!頭の悪い俺でもわかるぜ!』

ポエット
『私はなにも、武力で奪うとは言ってませんよ^^』

アルギス
『う~ん・・・』

イオナ
『でも、ウィンドヘルムはどうするの?今あそこは危ないのよ』

ポエット
『それはよくわかっています。だからこそホワイトランを奪い取らないといけないんです』

34

ポエットの考えはこうである。
現在ウィンドヘルムは帝国軍と睨み合いの状況にある。
兵も持たないナディア達が援軍に駆けつけても、なんの意味もないことはわかっていた。
そこで帝国をウィンドヘルムから離す作戦を取ったのである。
ホワイトランはスカイリムの中心であり。ここを獲れば文字通り地図上の中心を取ったことになる。
もしこのまま兵を北上させれば、帝国軍の喉元であるソリチュードを伺うには最短の距離を得ることができるのである。
このことをテュリウスが知れば、ウィンドヘルムから兵を引かざる得ないのである。

ポエットはホワイトランを奪うために実に緻密な作戦を実行した。

35

まずは帝国びいきのバトルボーン家の排除である。

そのためには賄賂を使うほうが効率が良かった。
ナディアに金の工面をお願いしてみたところ、二つ返事でOKしてくれた。
むしろ好きなように使ってくれとまで言われた。

36

ポエットが最初に接触したのは、ホニングブリュ―ハチミツ酒醸造所のオーナーであるサビョルンである。
彼は以前、ナディアに醸造所の地下の害獣駆除を依頼してきたことがあり、その借りはまだ付けのままだった。
さらに彼は新しいお酒の研究に余念がなく、試飲会をちょくちょく開いていたのである。

37

次にポエットは、ホワイトランで働きもせずプラプラしている者に目をつけた。
ノルドの”シンミール”とレッドガードの”アムレン”である。
シンミールは日雇いで稼いでは、その日にバナードメアで費やす日々を送っている。
アムレンは以前、ナディアに父の形見である剣を、山賊から取り返してもらった義理があった。

シンミールには1000セプティムを握らせ、アムレンには義理立てを口実に参加せることにした。

38

さらにポエットは雑貨店の店主べレソアをも巻き込んだ。
彼は生粋の商人ではあるが、利益になるならなんでもする小悪党な商人でもある。
ナディアは彼のところにちょくちょく顔をだしては、不用品を山のように売りつけていたために上お得意様になっていた。
だが、金には汚い面があるため、念のため軍資金として2000セプティムを渡した。
実はこの金額には彼の下で働いている雑用係のシグルドの分も含まれていた。
その点には深く触れず、ただ彼も参加させてあげてと軽く頼んでおいたのだ。
人数は多いほうがイイ。
ポエットはべレソアの性格上、猫糞してでもシグルドを連れて行くだろうと読んでいた。
彼を作戦に加えたのにはもう一つ理由がある。
彼はあくまで商人である。名家との接点を持ちたがるのは当たり前だからである。

彼らにはバトルボーン家の男共(オルフリッド、イドラフ、ジョン)全員を呼び出し、
ホニングブリュ―ハチミツ酒醸造所にて試飲会を開き、徹底的に酔いつぶして欲しいと頼んだのである。

バトルボーン家には女性があと2人と男の子が1人いる。

39

リリス・メイデン・ルームという謎の老女がホワイトランにはいた。
彼女はすれ違う人々に、”いつでも話相手になってあげるよ”とぼやいている。
おそらく寂びいしいのだろうとポエットは単純に考えた。
そこで、家長であるオルフリッド・バトルボーンの妻ベルグリッテをお茶会に誘ってはどうかと提案してみた。
お互い年齢も近いのか、リリスは見事に誘い出してくれた。

40

次は長男のイドラフの妻であるアルフヒルドだが、噂では義理の父親と床を共にしているらしい。
真偽のほどは確かではないが、この噂を広めて彼女をホワイトランから追い出すという手もあった。
が、彼女は毎日実直にバトルーン農場に働きに出ていくため、夕方まで姿を現すことはまずない。
しかもバトルボーン農場はホワイトラン郊外の裏側に位置するため、城内で騒ぎが起きてもまったくわからない場所だった。
さらに彼女は嫁いで来た身でもあるため、この内戦にはあまり興味をもっていないらしいで、ほおっておいても問題ないと判断した。

41

ポエットはさらに買収を進めた。

ドラゴンズリーチ内で掃除婦として働いている2人の侍女である。
彼女たちには現在の首長からもらっている毎月の給料を聞き出し、
その一年分の半分を今払うから、作戦の間はバルグルーフの子供三人をグレートポーチに誘い出してくれと頼んだのである。
彼女たちは今まで見たことのない金塊を見て喜び、お菓子や食べ物を大量に買い込んで子供たちを誘い出してくれた。

この時、ナディアの養子であるルシアとソフィを使い、バトルボーン家長男の息子であるラーズを誘い出させた。
もちろんナディアの了解の元である。

バルグルーフをグレイムーアへ移送すると、彼女たちはバルグルーフの子供三人を連れてソリチュード行の馬車に乗せた。
この時に残りの半額を支払った。

侍女二人に支払う賄賂を二回に分けたのは、彼女たちが宮仕えの使用人のためポエットの警戒心からである。

42

ポエットは子供たちの移送に護衛として二人の傭兵をつけることにした。
ダンマーのジェナッサとノルドのウスガルドである。
お互い同業同士でもあるので途中争いが起きないよう、普段の倍額を支払った。
そして子供たちを無事にソリチュードへ送り届けたら500セプティム。
エリシフにきちんと手紙を渡したらもう500セプティム。
と分割して条件を出し、ホワイトランに帰って来た時にこれらの金額を支払うと約束させた。

43

さらに宮廷魔術師のファレンガーには今後の研究費用を倍額払うことを約束させて黙らせた。
ついでにナディアが持っていたドラゴンの鱗と骨をつけてやったら、モーレツに喜んでいた。

44

ポエットが次に行ったのはウィグナー・グレイメーンとの接触である。
これにはナディアの同行が欠かせなかった。
彼は信じられないというように目を丸くして話を聞いていたが、ナディアの後押しがあると聞くとすんなり同意してくれた。
もちろん彼の家族も一緒にである。
ただし弟のエオルンドだけは同意はしてくれなかった。
本人が言うにはこれらの事柄に関与したくないからとのことだった。
それならとポエットは念書にサインをさせることにした。
こんなことまでする必要があるのかと反抗し睨まれたが、彼女は強気に出た。

45

ポエット
『これから行おうとすることは、お兄様の命にも関わってきます!
あなたは親族でありながら、それを無視すると言いました!
信用するとかしないとかの問題ではなく、大人としてのケジメをつけてもらうために必要なものです!
もしこれに同意できないのなら、バルグルーフと同じようにホワイトランから追放処分しないといけません!!』

エオルンド
『なんだとこのガキ!!』

ポエットは精いっぱい彼を睨み返し、語気を強めて言った。
エオルンドは何か言い返そうとしたが、ウィグナーの必死の静止でなんとか宥めさせ素直にサインしてくれた。

その間にポエットはナディアの従者5名にグレイムーア砦の制圧を指示した。
これはバルグルーフ首長からの仕事の依頼であり、ナディアは既に受理していたのでこれを利用したのである。
なのでバルグルーフはグレイムーアが無人であることを知っていた。

46

ポエットが最も悩んだことが一つだけある。
衛兵の買収である。
そこでリディアに相談してみた。

リディア
『それは・・・かなり難しいわね』

最初に目に着けたのは衛兵隊長のカイウスである。
彼は怠け者の隊長として有名だったのだが、生粋のインペリアルであるため、帝国を裏切るとは考えられなかった。

衛兵のほとんどは顔がわからない。
それというのも兜がフルフェイスの為だ。
これは兵の買収を防ぐために各地の首長が行っていることだった。

リディアが言った。

リディア
『プロべンタスはどうかしら?』

ポエット
『プロべンタスって・・・執政の?』

リディア
『そう』

ポエット
『彼は何か弱みがあるんですか?』

リディア
『一人娘がいるのよ。戦乙女の炉で働いている』

ポエット
『ええ?あそこにはレッドガードの女性しか・・・あっ!養子ですか!?』

リディア
『違うわ。れっきとした娘よ。それにレッドガードじゃないわ。インペリアルよ』

ポエット
『インペリアル!?日焼けだったんだ・・・』

リディア
『日焼けより・・・たぶん炉焼けよ・・・』

炉焼け・・・そんなのあるんだ?とポエットは思った。

47

リディアが言うには、彼女の名前はエイドリアン・アヴェニッチといい。
ノルド人と結婚し、今の鍛冶屋を営んでいるとのこと。
ナディアやリディアもこのお店には随分と世話になったことがあり、お互いなーなーな関係でもあるとのこと。

ホワイトランにはエオルンド・グレイメーンという名匠がいる。
前述のウィグナーの弟なのだが、彼の作る武器はどれもスカイリムおいて業物の一品とされ有名である。
彼に憧れ尊敬する鍛冶職人はスカイリム中にいた。

エイドリアンはそんな彼の大ファンであり、将来は彼のようになりたいと常日頃考えているのだという。

つまりその点を餌にできないかと考えたのだ。

そこでポエットは執政のアヴェニッチ、娘のエイドリアン、その旦那のウルフべルスの三人を連れて密会を開くことにした。
これはポエットにとって材料の少ない危険な賭けではあったが、方法が他に思いつかなかった。

48

プロペンタス
『なんでその話を俺にする?』

プロべンタスはポエットを睨んだ。

ポエット
『今後、このホワイトランが反乱軍の手に落ちた後でも、娘さんの身の保証はするという意味です』

エイドリアン
『な!なんのよそれ!ナディア!あんたっ!』

ナディア
『うひっ><;』

リディア
『まぁまぁ、落ち着いて落ち着いて^^;』

プロべンタス
『そんなこたぁ当たり前だ!!だがな俺が聞いているのはそいうことじゃない!』

プロべンタス
『どうして俺がその話に乗ると思うのか?ってことだヨ!?』

プロべンタス
『娘は女房似でね。俺と違って辛抱強い。それに気も強いと来たもんだ。父親の俺なんかいなくてもちゃんとここまで成長してくれた』

プロべンタス
『嫁の貰い手が心配だったんだが、ウルフべルスが貰ってやると聞いたとき、どんなに嬉しかったか・・・;;』

エイドリアン
『お父さん・・・』

プロべンタス
『俺はよ!母親を早くに亡くしちまって、男で一つで娘を育ててきたんだ!だからよ!
娘が今の生活で幸せっだって言うなら、オレは喜んで自分を切り捨てるぜ!』

ポエット
『そ・・・それは・・・つまり?』

プロべンタス
『だから!娘が俺の弱点にはならねぇってこったヨ!』

ポエット
『あぁ~あぁ~なるほど^^;』

プロべンタス
『俺はインペリアルだ!どう転んだって反乱軍に手を貸すような理由はねーのさ』

なんだか先読みされてるとポエットは感じた。

49

ポエット
『なるほど、だからどうして聞かせたのか?ってことなんですね^^』

プロベンタス
『やっとわかったかお嬢ちゃん』

ポエット
『はい^^でもぉ~私思ったんです』

ポエットはゆっくりとした口調で話始めた。

ポエット
『バルグルーフ首長という人に私は一度も会ったことがありません。
でもおそらくかなり気性の激しい人なんじゃないかなぁ~って?』

プロべンタス
『・・・』

ポエット
『だってぇ~そうじゃないとぉ、このホワイトランっていう街が中立の立場を保つなんて・・・不可能ですよ^^』

ポエット
『そいう人を補佐するとなると、余計に辛いですよねぇ・・・キット。
どこまでも自分を抑えて抑えて・・・我慢に我慢を重ねて・・・ストレスを抱えているんじゃないかな?って』

ポエット
『だから・・・プロべンタスさん・・・もしかしてぇ~・・・辞めたがっていませんか?』

50

ポエットはプロべンタスの表情の変化を見逃さなかった。

ポエット
『バルグルーフ首長はあなたを重要な片腕だと思っているに違いありません。
このままいけば彼は死ぬまであたなを傍に置いておくでしょう。
彼と離れることができる唯一のチャンスではありませんか?』

プロベンタスはホワイトランの執政であり、バルグルーフのオモリ役でもある。
これは傍から見れば立派な職業に見えるが、当の本人にしてみれば毎日身を削るような思いを繰り返している。
バルグルーフが間違った道を歩まぬよう、道を正してやることが本来の仕事ではあるが、
時には彼の身代わりになり悪人役まで引き受けなくてはいけない。
そんな毎日を繰り返してきたことに、大概の人は誇りを持っているなどどと単純に置き換えるが、実際はそんな生易しい物ではないのだ。

それは彼自身を見れば一目瞭然だった。

ポエットは心の中であらゆる神様にお願いした。
おねがい!おねがい!おねがいだかさぁ~><;

51

プロベンタス
『どうすれば離れられる?』

ポエットは心の中でやったーーーー!!!とガッツボーズした。

エイドリアン
『お父さん・・・』

プロベンタス
『娘よ。俺はお前が思っているほど、我慢強くないんだ・・・それに、俺はスカイリムに居過ぎた。
お前をノルドに嫁がせたせいで、帝国には・・・帰る場所もないんだよ』

エイドリアン
『そんな・・・』

ナディア
『行くとこないなら家にきなよ^^』

プロベンタス
『そいつは・・・ありがたいんだがな・・・』

ポエット
『それはダメですよナディア』

ナディア
『なんでぇ~><;』

プロベンタス
『そりゃそうだ。お前さんは目立つからな。そんなところにオレはいられねーよ』

ナディア
『う~~~ん><;』

ポエット
『手配しますよ。内戦が終わるまで安全に住まえる場所を。あなたほどの人を埋もれさせるのは惜しい』

プロベンタス
『へっ!俺は引退間地かのジジイだ、できれば死んだことにしてほしい』

52

ポエットは彼の希望を全面的に受け入れることで同意させた。
プロベンタスには当日の兵の配置替えを頼んだ。

危うい瞬間を体験したが、思わぬ出来事を逆転させることに成功した。

52-1

これで当日の人の動きは、ほぼ制御できると判断した。

プロベンタスが、ホワイトラン衛兵の配置を内外問わず全て変更してくれたので動きが取り易い。
執政の命令ならば衛兵隊長のカイウスも反論はできない。
なので、こちら側からのスパイを潜り込まることもうまくできた。
衛兵を二階に連れて行き、片側の通路のみに集めさせたのは彼の指示だった。

バルグルーフが気性の荒い男だということは分かっていたので、
ポエットはワザと激高する文章をしたためてリディアに渡すよう伝えた。

イリレスの性格もリディアがよく知っていたので、
プロベンタスと衛兵は首長の命令を聞いても、彼女だけは残るだろうと予想していた。

バルグルーフの弟であるフロンガルは、殆ど2階にいることが多い。
武芸に秀でているが頭のほうはイマイチだと、プロベンタスは言っていた。
なので、彼の事は俺に任せろと一任してくれた。

そしてドラゴンズリーチから外に出るための監獄への道も塞いだ。

ホワイトランには二つの弱点がある。

一つはバルグルーフの気性の荒さ。
そしてもう一つは、交易のための人の出入りが激しいことである。
ホワイトランには定住している人の数は限られている。
こういう街を制御するには資本主義的でないと成り立ちにくい。
なので犯罪は少ないというものの、実際は格差も激しい街でもある。
町民にとってバルグルーフは、尊敬する存在ではあるが、
命を懸けて守るほどの価値は薄く、お飾り的にしか思われていないのが現実だった。

ポエットはこの二点をうまく利用し、ものの見事に制圧したのである。

53

しかしホワイトランの制圧には、もう一つだけやり残していることがある。
それは帝国側の偵察兵をテュリウスの元に返さないことである。
テュリウスはホワイトランの動向を必ず見張っているはずだとポエットは睨んでいた。

だが、ナディアだけは絶対に出したくなかった。
主君には制圧完了後、安全を確保できてからの入場をしてもらうためである。

とはいえ、バルグルーフご一行は四人、彼らを無事にグレイムーア砦に届けるには最低でも5人は必要だ。
それもかなりの手練れの。となるとどうしても従者の数だけでは回せない。

ジョディス
『一人いるじゃないw』

リディア
『ムリよ。昼間は嫌がるでしょ』

ナディア
『ああ^^セラーナがいたね^^』

ポエット
『セラーナさん?誰です?』

ナディア
『あ!来た来た^^セラーナ!』

54

セラーナ
『なんですの?』

55

ポエット
『えええ!うっそ・・・・き、き、きゅうけつき~~~!!
なんで吸血鬼がいるんですかぁ~!!??』

ポエットはとっさに机の下に隠れ、頭だけのぞかせた。

56

セラーナ
『嫌ですわ!太陽はお肌の大敵ですのよ!』

ナディア
『いつものフードかぶればいいじゃん^^』

セラーナ
『あなた私をなんだと思っているんですの!?00+』

なんだかんだ言っていたが、ちょっとだけという約束で穴埋めしてもらうことができた。




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<備考>

◎同胞団
ホワイトランにあるジョルバスクルに住んでいる戦士ギルドの一団である。
伝統高く格式の高い組織であるため、スカイリム中にその名は轟いている。
彼らのところにはスカイリム中から様々な仕事の依頼が来て、それらを解決することで収入としている。
同胞団の特に限られた者たちには獣の血を持つ者がいる。
獣の血とはウェアウルフに変身できる能力を持つ者である。
このことは一団だけの秘密であり、決して漏れることはない。

◎バナードメア
ホワイトランにある酒場件宿屋。
夕方近くになるとホワイトランにいる人たちの大半がここに集まってくる。
飲めや歌えやの騒ぎがほぼ毎日のように行われる。
ノルドらしい一面が見れる場所でもある。

◎ホニングブリュ―ハチミツ酒醸造所
ホワイトラン郊外にあるハチミツ酒醸造所。
ハチミツ酒を自社ブランドとして売り出しているが、よく妨害にあったりもする。
ライバルはリフテンのブラックブライヤーハチミツ酒。

◎ファレンガー
ドラゴンズリーチの宮廷魔術師
バルグルーフは彼にドラゴンの研究をさせている。
ややもマッドな面もあるが、魔法書などの販売からウィンターホールド大学への入学案内などもやっている。

◎エオルンド・グレイメーン
兄ウィグナー・グレイメーンの弟。
ホワイトラン斬っての名匠。
ジョルバスクル付近に自分専用のスカイフォージと呼ばれる鍛冶場を持っている。
同胞団お抱えの鍛冶職人でもあり、同胞団に所属する者はみんな彼の武器を持つことができる。
寡黙な性格で、人との関わりをあまり好まない。
彼の名前はスカイリム中に轟き、彼に憧れる鍛冶職人は多い。

◎アヴルスタイン・グレイメーン
グレイメーン家には実はあと二人の家族がいる。
アヴルスタイン・グレイメーンとソラルド・グレイメーンである。
ソラルドはノースウォッチ砦で囚われていたところをナディアに救われたが、自宅には戻らずどこかへ行ってしまった。
もう一人のアヴルスタインは、作者のスカイリムでひたすら探したのだが、コンソールを使用しても出てきてくれなかったので、
止む終えず存在しないことにした。

◎セラーナ
ディムホロウ墓地にて数百年間封印されていた吸血鬼。
ストーリー上ナディアは彼女を封印から解き放ち助け出すことになる。
タムリエルには吸血症という病がある。
その原因は吸血鬼に噛まれたせいではあるが、この病気をもたらしたのはモラグ・バルというデイドラである。
ハルコンは吸血症より吸血鬼になり、そして吸血鬼の王になった。
セラーナは彼の娘であり、モラグ・バルより寵愛を受けて純血種の吸血鬼となった。
これを【コールドハーバーの娘】という。
好奇心旺盛で何事にも積極的なところもあるが、基本的に吸血鬼なので昼間の活動は好まない。

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