1

エリジウムエステートはホワイトランから南にある屋敷である。
ナディアはアルドュインを討伐するちょっと前にこの家を購入した。

スカイリムでは従士職に就くと、その街で家を購入する権限を持つ。
というより半強制的に家を購入させられるのだ。
従士職はその街の周辺での問題を率先して解決する職務である。

そして私兵を一人連れることを許される。これを従者という。

彼女はスカイリム各地の従士職に任命され、自らの持ち家をいくつも所有していた。
このため彼女は各地の首長に絶大なる信頼を持たれている。
その代わり休みなく働かなくてはいけないということでもある。
24時間フル稼働で各街を旅し、問題を解決し続けなければいけないのだ。

あるとき従者のリディアが言った。

リディア
『みんなでお金出し合って、家買わない?真面目に死ぬわ・・・』

そこでナディアは各地の従士職を辞退し、
この家を購入し、私兵を連れて住むことにしたのである。

従士職のFA宣言である。

これは異例の待遇であり、彼女だからこそできたことだと言ってもよい。
各町の首長は問題が起こると伝達兵を使ってナディアに連絡をするようになったのだが、
基本的にナディアという人は自由人なので、なかなか捕まらない。

とはいえ、ナディアが行くことがなくても、従者達がこれらの問題解決に率先して働いてくれたので、仕事に穴が開くという事は一度もなかった。

2

カーリア
『これがナディアの家よ^^』

ポエット
『ここなら何度か通過していたのに・・・灯台下暗しだった・・・』

カーリア
『あらら・・・^^;』

3

リディア
『あら?カーリアじゃない!』

カーリア
『久しぶりねリディア^^元気にしていた?』

リディア
『まぁね。ようやく引っ越しの片づけが終わったところかな^^;』

カーリア
『ずいぶん掛かったわね???』

リディア
『ええ、みんな仕事に行ってしまって、私とジョディスでほとんどやったのよ』

カーリア
『ごくろうさま^^;』

リディア
『今までに比べたらずっと楽でいいわ^^;』

リディア
『ところでその娘は?』

4

ポエット
『私はポエットと言います!ナディア様にお会いしたくシロディールから来ました!』

リディア
『ナディアに?』

カーリア
『ナディアを見つけるためにスカイリム中を旅してまわったそうよ^^ナディアに仕えたいんだって^^』

リディア
『あらら、大変だったわね^^;』

ポエット
『いえ!そのようなことはございません!』

リディア
『ここは軍隊じゃないのよ、楽にしてくれていいわ^^』

ポエット
『は、はい・・・』

リディア
『普段通りでいいいの^^』

リディア
『実はナディアなんだけど、ここ2日間書斎にずっと籠りっぱなしなのよね』

5

カーリア
『じっとしてられない人でしょ?珍しいわねw』

リディア
『うーん、こういう場合考え事してる事が多いから、私たちも近寄りがたいのよ^^;』

ポエット
『あの・・・もしかして・・・帝国にするか反乱軍にするかで悩んでおられるのでしょうか?』

リディア
『あら?よくわかったわねw』

6

ポエット
『時期的なものと・・・あとは旅をしている間、ナディア様がどちら側についたという話を一つも聞かなかったもので・・・』

リディア
『それだけでわかったの?』

ポエット
『予想ですけど・・・』

7

カーリア
『この娘面白いのよ^^チンパンノルドっていう種族らしいんだけど、未来を予知できるだってw』

ポエット
『えっ!ちょっとカーリアさん違いますよ!違いますってばぁ!』

リディア
『へぇ~♪そんな能力があるんだ^^』

ポエット
『えーーー!もう!なんてこと言うんですかカーリアさん!私はできません!』

カーリア
『ごめんごめんw冗談よ^^でも実際、彼女ずいぶん肝が据わってるわ。だってあのブリュでさえ弱腰になったのよ^^』

リディア
『それならナディアにアドバイスしてもらえると助かるわ^^』

ポエット
『・・・』

8

カーリア
『いきなりってそりゃないんじゃない?もうちょっとしたら夕飯でしょ。今日はご馳走になって行くわ^^』

リディア
『それが、全然出てこないのよ^^;』

カーリア
『2日間何も食べてないの?』

リディア
『まさかw籠るときは色んな物持って入るのよ。暖炉もお風呂もあるから心配ないと思うんだけどね^^;』

9

ポエット
『あのぉ~入ったら怒られるのでしょうか?』

リディア
『そうねぇ~私が前に入ったときはものすごい目で睨まれたわwそれになんか近寄るなっていうオーラが出てたし』

10

ポエット
『ええええっ!』

カーリア
『オーラって・・・ほんとにぃ?』

リディア
『ホントよ。青いオーラがでてたの^^』

ポエット
『ひぃぃいいいぃ~><;』

11

リディア
『ふだんのあの娘とはまるで大違いだけど、それだけ真面目に考えているってことね^^』

カーリア
『まぁやるときはやる人よねナディアって』

リディア
『どうする?中に入ってみる?』

考えてみればあのアルドュインを倒したドラゴンボーンである。
その力は計り知れないものがある。

だがここまできて逃げる理由もなかった。

ポエット
『や、やりますっ!』

12

カーリア
『大丈夫かしら?』

リディア
『まぁ、実害はないんだけどね^^;』

13

ポエット
『ナディア様!私はポエットと言います!ナディア様にお仕えしたくシロディールから来ました!
ナディア様のお悩みの助力になれればと思いますので・・・・』

ポエット
『し・・失礼します!!!!!』

14
15

ポエット
『ひぃいいいいいい!!!!』

16

リディア
『あらら・・』

カーリア
『本当だったんだ・・・』

17

ナディア
『かわいいいいいいいいいっ!!!!』

18

ナディア
『ねぇねぇねぇ!君はだれだれだれぇ~^^』

ポエット
『わ、私はポエットと言います・・・』

ナディア
『うわぁ~ポッポちゃんねぇ~^^』

ナディア
『どうしたのぉ~?なんでここにいるのぉ~?^^』

ポエット
『え?あの、私は、ナディア様にお仕えして、ナディア様のお手伝いができればと思って・・・』

ナディア
『ええええ!ナディアの傍にいてくれるのぉ~^^やったぁぁあああ!!!^^』

かなり上機嫌であった。

19-1

ナディア
『うふふふうぅ~ふふうぅ~♪』

リディア
『あんた気持ち悪いわよ・・・』


リディア
『そういえば・・・リサードが言っていた娘じゃない?』

ナディア
『ああ~wモフモフが言っていたね^^』

ポエット
『も、モフモフ?』

リディア
『あなたカジ―トキャラバンと一緒に来た娘じゃない?』

ポエット
『はい!そうです』

リディア
『え~とぉ~誰だったっけ?あの猫の名前・・・』

ポエット
『もしかしてカルジョですか?』

リディア
『あーそうそうそんな名前だったわ』

カーリア
『なるほど^^リサードはカジ―トキャラバンの元締めよ。彼の許可がないとスカイリムで商売ができないのよ。
たぶんそのカルジョっていうカジ―トはリサードにあなたの話をしていたのね^^』

19-2
19-3

リディア
『で?ナディア決まったの?』

ナディア
『うーん、大体はね・・・でも乗り気がしないんだよなぁ~』

ポエット
『あのぉ~どっちにしようと思ってるんですか?』

ナディア
『う~ん、7:3でストームクロークw』

リディア
『あんた正気?反乱軍なのよ?それにこの間ウィンターホールド落とされて、今ウィンドヘルムで睨み合いしてるのよ』

ナディア
『う~ん、そうなんだけどさぁ~・・・』

19-4

ポエット
『私もナディア様と同じ考えです』

リディア
『え?そうなの?』

ナディア
『面白そう^^なんでなんで?』

ポエット
『ストームクロークがウィンターホールドを奪われたのは、守りに適していないという点ともう一つ、兵の士気が低いせいです。
これは停戦条約が結ばれた時点から始まっています。そもそもこの反乱自体、最初から勝てる見込みなんてないんですよ』

リディア
『言ってることがアベコベなような気がするんだけど・・・』

ポエット
『そうですね^^まず順を追っていきましょう』

彼女は自分が兵役していた時に感じていたことを淡々と語り始めた。

19-5

ポエット
『まずこの反乱が起きた原因は帝国がスカイリムを裏切り続けたことにあります。
タロス崇拝の廃止を始めとし、マルカルス事件、ウルフリックの投獄とその殆どがウルフリック個人による逆恨みからきています。
ウィンドヘルムはウルフリックが首長として治めているので、ここに住むノルドが彼を支持するのはあたりまえです。
でも他の首長は同じ考え方を持っていません。ウルフリックよりも自分たちの領地を守ることで頭がいっぱいです。
それに住民だって、ウルフリックのことをいいように思わない人もいれば、ノルドでありながら帝国と通じていたりする人もいます。
さらに言えばスカイリムは帝国よりも特にダンマーの移民の数は多いはずです』

19-6

イオナ
『モロウィンドウを取られたからね』

ナディア
『あーみんな帰って来たの?』

イオナ
『面白そうな話ね。続けなさい』

19-7

ポエット
『はい、えっと。そうですモロウィンドウがアルゴ二アンに征服されたからです。
ウルフリックはノルドがダンマーを迫害することを見て見ぬふりです。
だから彼に対して心からついていこうとするものは、スカイリム全体でもたぶん3割も満たないはずです』

イオナ
『それはちょっと極端すぎない?
タロス信仰はノルドにとってノルドの生き方そのものなのよ。
ウルフリックはその象徴として反乱軍の頭をはってる』

ポエット
『たしかにその通りですね。
ノルドにとってタロス信仰は生活そのもの、それを廃止となればノルドそのものを否定されたことになる。
でも残念ながら、今はそれが通用しません。反乱軍にノルド以外の種族って見たことありますか?』

イオナ
『そ、それは・・・』

ポエット
『ホワイトランには極端なタロスマニアが一人いますよね・・・』

ナディア
『あーーーわかるぅ~♪ヘイムスカーでしょwあいつ面白いんだよ!!!』

リディア
『うるさい!黙りなさい!』

ナディア
『あ、ご、ごめんなさい・・・』

ポエット
『彼は四六時中叫んでるみたいですけど、信者らしい信者を持っているように見えますか?』

19-8

イオナ
『う、うーん・・・』

ポエット
『ホワイトランの首長バルグルーフはノルドでありながら未だにどっちつかずです。
彼は他の首長とは一線を画しているところがあります。それは驚異的なバランス能力です。
あそこには二つの名家がありますよね。帝国側のバトルボーン家とストームクローク側のグレイメーン家。
さらに側近にはダンマーにインペリアルがいるでしょ。
もしウルフリックが、バルグルーフのように、ダンマーを取り込む形をとっていれば、この数はもっと上がっていたと思います』

イオナ
『確かに・・・帝国には他の種族も含まれているわね・・・』

ポエット
『あとは、ノルドの風習にも問題があります』

19-9

カルダー
『どういうことだ?』

ポエット
『ノルドの祖先はネディック人で元々アトモーラからスカイリムに来た異民族ですよね。
スカイリムは北方の寒冷地帯であり、彼らは寒さを凌ぐために酒を飲んで体を温めるといった習慣を身に着けました。
しかし別な意味での習慣も身に着けているんです。つまり飲酒による酩酊が気持ちを高揚させ、これが士気に繋がるといった考え方があるんですよ』

19-10

カルダー
『当然だ。それが俺たちの生き方ってやつさ』

ポエット
『生活の知恵としては正しいです。でも戦では通用しません・・・』

カルダー
『なぜだ?』

ポエット
『お酒という物は兵士たちに取って楽しみの一つです。戦ではそのメリハリをつけることが大事なんですよ。
大将を倒した。砦を落とした。陣を奪った。その報奨として与える物の一つです。
でもノルドは戦に勝とうが負けようが関係ない。仕事の最中でさえ水代わりに飲んでるんです』

カルダー
『寒冷地で働いているんだ。それくらいいいだろうw』

19-11

ポエット
『いいえ、これは悪習です。
飲酒は人間の判断能力を奪います。
戦いになれば痛みを感じにくくなり動きも鈍くなります。
そうなれば命を奪われる可能性が高くなります』

カルダー
『俺はそうはならないぜw』

ポエット
『私は反乱軍にいました。あなたと同じこと言っていた者と一緒に下水道の害獣退治をした時です。
彼はいつものように酒を飲みながら下水道を歩いていました。
突然、彼にスキーバーが噛みついたんです。彼はかすり傷だと言ってましたが、翌日亡くなりました』

19-12

カルダー
『う・・・』

カーリア
『あなた反乱軍にいたの?』

ポエット
『はい、一年と半年くらいですけど・・・』

19-13

ポエット
『みなさん・・・帝国が同じことをしていると思いますか?
テュリウスという将軍がどんな人なのか私はあまり知りません。
でも彼はシロディールでは有名な人で、老練で戦略に関しては帝国随一と評価されていました。
あのアルドメリのエルフだって一目置いているんです。そんな彼がノルドの弱点を見抜けないはずがない』

ナディア
『へぇ~あのオジサンそんなに凄い人だったんだ』

ポエット
『皇帝にも信が厚いそうです』

19-14

ジョディス
『ねぇ、反乱軍が帝国に勝てないって理由はよーくわかったわ。じゃぁどうしてあなたは反乱軍に味方するほうがいいと思ったの?』

ポエットはナディアの目をジッと瞠った。

ポエット
『その前に、まずナディア様がどうして反乱軍押しなのか聞きたいですね』

19-15

ナディア
『う~ん ナディアはさ、イオナが作ってくれる”おにぎり”が大好きなのね。
だからさ、イオナっていうおにぎりの神様がいたらナディアは信者になるんだよ』

ポエット
『は、はい・・・』

ナディア
『でも、明日からイオナ信仰禁止!って言われたら、そりゃナディアだって怒ると思うんだよ。
だからノルドの気持ちもわかるのね』

ポエット
『そうですね^^;』

ナディア
『エルフがタロスをイイように思ってないのはさ、タロスが昔、ドゥーマーの機械を使っていっぱいエルフを殺したからでしょ。
でも、エルフの祖先だって定命の者に酷いことしてきたじゃん』

ポエット
『はい』

ナディア
『だからさ、仕返し仕返しの繰り返しなんだよ』

ポエット
『憎悪の連鎖ですね』

ナディア
『そう、それそれ!こういうのはどっちかが我慢するしかないんだよ』

ナディア
『でもね。正直言ってナディアはタロス信仰なんてどうでもいいんだよ。
それはさ、私が無宗教だからとかじゃなくて。自由なはずなんだよ。
誰かを傷つける行為に繋がらないなら、どんな神様を崇拝しようと自由でしょ』

ポエット
『そうですね^^』

ナディア
『なのにさ、サルモール大使館なんて置いて、タロス崇拝している人を捕まえて拷問するなんて酷いじゃん!』

ポエット
『ご、拷問してるんですか・・・?』

19-16

リディア
『ノースウォッチ砦で、エルフがタロス寄りのノルドを捕らえて拷問していたのよ』

ポエット
『それは、行きすぎですね・・・』

ナディア
『でしょ!自由を奪われるのはさ、誰にだって辛いことだと思うのね。
でも帝国はエルフと同盟組んでるでしょ。でも大使館まで設ける必要はなかったはずなのね。
帝国はそのことを知っててやってるんだよ!』

ポエット
『だから帝国は嫌だと』

19-17

ナディア
『うん。でもウルフリックについてナディアもタロス押しって見られるのも嫌なのね。
でも、戦争になると罪もない人たちまで犠牲になっちゃうでしょ。
7:3って言ったのはさ、帝国についたらエルフの汚いやり方を認めることになっちゃうじゃん。
それならナディアが我慢して、ウルフリックについたほうが正しいんじゃないかなって思ったの』

ポエット
『だから乗り気にはならいと』

ナディア
『うん!ナディアは頭悪いけどさ、やっぱり弱い人を虐めるのはダメだよ!』

19-18

ポエット
『それなら、ナディア様自身で台頭を掲げてみては?』

ナディア
『台頭って?』

ポエット
『ナディア様がスカイリムの上級王になるんです』

ナディア
『な、なにいってるんだよぉ~そんなことできるわけないじゃ~んw』

ポエット
『いいえ!できます!』

ナディア
『そ、そんなぁ~。私、頭が悪いし、偉くないし・・・ムリだよぉ~><;』

ポエット
『あなたは各地の首長の絶大な信頼を得ている。
ウィンターホールドのアークメイジであり、盗賊ギルドのマスターです。
そしてアルドゥインを倒したのもあなたです。
山賊だってあなたの名前を耳にするだけで震え上がります。
それにあなたについてきてくれるノルド達がこんなにいるじゃありませんか』

19-19

(一人ちがった・・・)

ポエット
『あなたは種族間を超えた考え方の持ち主のようだ。それはスカイリムに限らず、今のタムリエルに必要な考え方だと私は思います。
だからこそ、あなたにはその資格があります。私は将来、あなたにタムリエルの皇帝になってもらいたいと思っています』

19-20
19-21

リディア
『ちょっと、刺激が強すぎたかもね^^;』

19-22

ポエット
『すみません・・・こんなつもりでは・・・><;』

リディア
『いいのよ^^気にしないで。まぁ皇帝はならずも、あの娘には上級王くらいなら資格があるんじゃないかなって私も思っていたから^^』

19-23

カーリア
『なるほどねぇ~それで反乱軍についたほうがいいって、あなたは言うのねw』

ポエット
『は、はい・・・わかりました?カーリアさん^^;』

カーリア
『まぁ、大体はね^^』

19-24

リディア
『それなら、あなたには今の反乱軍の状況を打破する方法があるってことなの?』

ポエット
『もちろんです!でもそれにはまず、ナディア様に決断してもらわないと・・・』

19-25

アルギス
『おい・・・どういうことなんだ?さっぱり意味がわからん・・・』

カルダー
『俺もだ!』

19-26

カーリア
『要するに、ナディアにとって帝国につくよりも、反乱軍についた方が都合がイイってことよ』

アルギス
『都合がいい?』

カーリア
『ナディアは各地の首長の信頼があるでしょ。ってことはスカイリム全体にとってナディアの一言は誰も無視できないのよ。
ウルフリックは今危機に直面している。この状況をもしひっくり返すことができれば、ナディアは絶大な力を手に入れるのよ』

19-27

アルギス
『絶大な力・・・?』

イオナ
『この・・ばか!』

リディア
『ハァ~・・・・』

カーリア
『危機に直面しているウルフリックを助けるのよ。しかもナディアは各地の首長の信頼がある。ってことはウルフリックより人気が出るってことよ。
みんなナディアになびくわ。そうなればほっといてもナディアは上級王になるのよ』

19-28

アルギス
『じょ・・・上級王!!!』

19-29

リディア
『イオナ、おにぎり作ってくれない?』

イオナ
『はぁ?』

リディア
『ナディアに持っていくのよ』

19-30

リディア
『ポエット。あなたも一緒に行くのよ』

ポエット
『ええっ!?』

リディア
『ナディアを説得させたいんでしょ』

20

リディアはおにぎりをもってナディアの前に立つ。

リディア
『ほら、ナディア、置いとくわよ』

ナディア
『・・・』

ポエット
『あの、すいませんナディア様。私そんなつもりじゃ』

ナディア
『様はやめて・・・ナディアでいいよ^^』

ポエット
『は、はぁ・・・』

リディア
『ナディア、時間はあまりないわ。あなた次第よ』

ナディア
『ムリ!私に王なんて無理だよ・・・皇帝なんて・・・考えられない!』

21

ポエット
『正直・・・私うれしいです・・・』

ナディア
『え?』

ポエット
『私の一族はヴァレンウッドを故郷とする少数民族です。
でも私が生まれたときには一族はすでに放浪民をやっていました。
父が言うには、昔ウッドエルフとの戦争で敗れて、故郷を追い出されたんだって。私には故郷がないんです・・・』

22

ポエット
『エルスウェアとシロディールの国境沿いを放浪しているときに、
ウッドエルフの団体と出くわしちゃって、小競り合いになったんです。
父が私をシロディールまで逃がしてくれました・・・』

ポエット
『私小さい時から一族の習慣になじめなくて・・・いつも抜け出したいって思ってたんですよね^^;
だから、これをチャンスだと思ったんですよ。それでスカイリムに行くことにしたんです』

ポエット
『最初は帝国軍に入隊しようとテュリウス将軍に会いました。
彼には”子供は入隊させられない”と言われました。
それで、反乱軍に入ったんですけど、雑用ばっかりで、兵士の間ではいつも子供あつかい。
それに、意見を言っても全然取り合ってくれませんでした』

ポエット
『諦めたんです・・・それで、シロディールに戻って家族を探そうとしていたんです。
そんな時カルジョに言われたんです。”故郷に錦を飾れ”って』

(言ったけど、自分で考えろと言われた)

ポエット
『思ったんです。このまま家族の元にもどっても、きっと私はまた窮屈になる。
それに私には故郷がないから、戻る場所がないんです』

ポエット
『そんな時、タイバー・セプティムの事を思い出しました。
彼はドラゴンボーンで、帝国の皇帝になったノルド人。
だから最後の賭けに出てみることにしたんです』

23

ポエット
『あなたは、私のことを最初から拒否しませんでした。
差別もしませんでした。
だから・・・
あなただけです。
あなただけなんです。
私の意見に耳を傾けて、こんなに悩んでくれた人は^^;』


24

ポエット
『だ、だから・・・ありがとうございました^^』

25

ナディア
『王様とか皇帝とか、そういう身分になれるかどうかはわからない。
でも・・・でも・・・』

リディア
『でもなに?』

26

ナディア
『でも!故郷を取り戻すお手伝いならできると思う!
それで良ければナディアもがんばるよ!』

リディア
『ポエット』

27

ポエット
『・・・』

リディア
『今のナディアじゃこう答えるのが精いっぱいよ。どうする?』

ポエット
『はい!よろしくおねがいします^^』

ナディア
『イェーイ!』




ポチットお願いしますm(_ _)m


<備考>

◎各都市の持ち家について
スカイリムのゲーム内では家を購入すると従士職に就く権限を得られる。
ストーリーではその点を逆にした。
ちなみに従士職を辞退することはできない。

◎マルカルス事件
フォースウォーンというスカイリムの原住民がマルカルスを占拠し、帝国に対して統治を求めた。
帝国はタロス崇拝容認を餌にウルフリックにこれの鎮圧を命令した。
だがこのことがアルドメリに発覚し、ウルフリックを逮捕する結果となる。

◎ダンマー
ダンマーとはダークエルフのこと。
彼らの故郷はタムリエルの北東に位置するモロウィンドウ。
現在はアルゴ二アンに侵略されてしまい、ダンマーの殆どはスカイリム領のソルスセイム島やスカイリムに逃げ込んでいる。

ちなみに作中のカーリアはダンマーである。

◎ドゥーマー
ドワーフの事。ドワーフはTESのストーリー上、遥か昔に消え去った種族として描かれている。
彼らがなぜ突然姿を消したかは未だに謎のまま。しかし、彼らには高い技術があり、タムリエル各地にドゥーマーの遺跡として残っている。
中でもスチームアニムンクリと呼ばれる、ロボット兵は侵入者を排除するために未だ動き続けている。

◎スキーバー
スカイリムの洞窟や地下や下水道にいる大きなネズミのような害獣。
病原菌をもっている可能性が高いので噛まれると病気になる可能性がある。