お待たせいたしました。
【SOS第十六話EP3前編・後編】本日公開いたします!

盗賊ギルドの作戦の最中、リサと知り合う事になったナディア。
二人は近くの砦にいたドーンスターの避難民達と出会う事で一緒に行動する事に。
巨人の脅威から逃がれ、ようやく落ち着けたのも束の間。
再びこの砦に何かが迫ってきて...

SOSでは今までにもブラック・ブライヤー家や盗賊ギルドなどを題材にしてきましたが、
今回はリフテンが抱えるもう一つの闇に焦点を当てて物語を構成してみました。
今回はビンビさんのボタンちゃんをキーマンに据えています。

また今回は思いのほか長くなったので前編・後編に分けました(;´・ω・)モウシワケナイノダァ
前置きはここまでにして、お時間のある時にでもお楽しみくださいm(_ _)m









201

少しづつだが確かに此方に近づいて来るのが分かる。

ドスン

ドスン


202
皆が天井に釘付けになった。

ドスンッ

ドスンッ


203-1
振動が体に伝わり始める。

ドスンッ

ドスンッ


203-2
ドスンッ

ドンッ!


204
たがそれは唐突に止む。

止まったぞ...
鉱夫の一人が囁いた。


205-1
ジプサム『ヒスイ、起きなさい』

ヒスイ『うーん...』


205-2
再びドーン、ドーンと鈍い音が繰り返される。
地面の揺れは緩いモノの、空気の振動が激しい。


206
だが今度はかなりの速さで近づいて来るのがわかる。
衝撃と破壊、何かで何かを叩き、そして崩している音だ。
それに伴うように砦全体が振動し、石屑が天井からパラパラと落ちてくる。


207
グジャク『この音...近いぞ...』

ロンド『まさか...嘘だよな?』


209
ドーン ドーン

音は更に近づいた。
確実に、そして耳に響く音量で...
だが音が反響してしまい方向がうまく特定出来ない。


210
リサ『とにかくココから出るのぜ!』

フリダ『そうね、外に出た方がイイわ!』


211-1
フリダがそう言った瞬間、鉱夫の一人がリサの脇を疾走していった。


211-2
ロ『グジャク!!』

イ『二人ともまちなさいよぉ~(>_<)』

一人を追うように残りの二人も駆け出す。


212
ク『うわぁぁ!!』

グジャクが階段先で目にした物は、壁を破壊して突き出してきた巨大な金属の塊だった。


213
グ『なんだよこれ!?逃げ道が無くなったじゃ...』


214
ロ『おーい、こっちだ!』

ロンドが大声で皆を呼ぶ。
彼が指さす方向には、外へ通じるもう一つのドアが。
どうやら階下に行かずとも、ここから外へ出られるようだ。


215
リ『待て待て!待てって!オマエらこのまま外に出てどうするのぜ?』

ドアに手を掛けようとしたらリサが体を割込ませてきた。


216
イ『何言ってるのよ!?外に出ろって言ったのはアナタじゃない!』

リ『そりゃ言ったけど、相手は巨人だろう。このまま出て行っても踏み潰されて終わりなのぜ』


218-1
ロ『じゃあどうしろって言うんだよ?』

リ『わたしが囮になって注意を引くのぜ。その隙に砦から離れるのぜ』


218-2
イ『そうよっ!彼女、あのドラゴンを倒したんですものっ!彼女ならやれるわ!』

皆の視線がリサに集まる。


219
ロ『でも...あんた一人で大丈夫なのかい?...』


220
リ『へっへ~任せろなのぜ!』

そう言い残すと、彼女はそのまま出て行ってしまった。





221-1
グ『よし、俺達は屋上に行って様子を見よう』

グジャクの一言で皆が動き出す。


221-2
屋上へはベッド脇のハシゴで出入りできた。


222-1
だが外に出た途端、信じがたい光景が目に飛び込んでくる。

グ『で...でけぇ~』

ロ『なんてこったい...』

イ『あぁあ...あ...』


222-2
ナ『...』

フ『何なのさあれは...』










222-3
夜半過ぎ、月明かりに照らされたその姿はあまりにも禍々しく、そして悪意に満ちた巨大さだった。


222-4
腫物のように歪に膨れ上がった額。
曲がった鼻に八の字に開いた唇。
咬み合わせが悪く、不揃いな歯が剥き出ている。
大きな額の下には、血のように赤い瞳がこちらを覗いていた。


222-5
右手には船のアンカーのような物を握りしめている。
さっきグジャクが階段で見た鉄の塊だ。
巨人は静かにこちらの様子を伺っている。
まるで、見つけた獲物を確認するかのように...


223-1
そしてアンカーをゆっくりと振り上げた...まさにその瞬間だった。


223-2
リ『おいっ‼どこみてるっ⁉お前の相手はこっちなのぜ‼』

リサが巨人の顔近くまで飛び上がってきたのだ。


223-3
リ『おらぁ!!』

巨人『グボァッ!!』

左頬に思い切り正拳を叩きつけた。
歪んだ顔を更に歪めると、巨人は一瞬動きを止めてしまった。


223-4
巨人『グガガガァ~』

くぐもった奇声を上げつつよろめき、巨体がくの字に曲がる。


223-5
巨人は自分の身に何が起きたのか理解できなかった。
突然、何か大きな物で横殴りされたせいで気持ちが焦っている。


223-6
リ『おいデカイのっ!遊んでやるからこっち来るのぜ!こっちなのぜ!』

リサは容赦なく挑発する。
巨人にとってみれば驚きの連続だろう。
まさか自分が、こんな"豆粒"に殴られたなんて。


223-7
その上挑発までされれば、例え九大神でもプライドを揺るがされるに違いない。
当然青い巨人も心情は同じはずである。


224-1
グ『す、すげ~...巨人を殴ったぞ...』

ロ『ち、挑発してる...』

ドロマラシ『あの体のいったいどこにあんな力があるんだ?』

男性でさえある種の憧れを抱いてしまう戦闘スタイル。
リサは巨人を圧倒する事で、瞬く間に彼らの心を鷲摑みにした。


224-2
しかしそれに魅了されていたのは、何も男性ばかりではない。


224-3



224-4
フ『...』


225-1
青い巨人『グガ―――――――ッ!!』

リ『アハハハ!!楽しいなぁ~』

巨人は怒り心頭でリサを追いかけるが、当の彼女は砦の門に向かって走り出した。
...ところがである。


225-2
リ『お?』

巨人は神速的な速さで回り込み、通り道をあっさりと塞いでしまった。


225-3
続けざまにアンカーを振り上げると...


225-4
地表めがけて思い切り振り落とた。
怒を叩きつける衝撃音が広がり、彼女は"それ"の餌食になってしまう。


225-5
『うわっ!』

『アッ!』

『キャ!』

無残な現場を目撃した者達の中から奇声が上がる。
やはりあの体格差では無理があった。
そう知らしめられた一瞬だった。





225-6
だが次の瞬間、アンカーが勢いよく空に飛び上がった。

巨『ヴァ―――ッ!!』

どうやら弾き返されたようだ。


225-7
リ『残念wわたしは見た目ほど軟じゃないのぜw』

リサは自前の法具で防御態勢を取り、巨人の攻撃を見事に防いでいた。


225-8
ドロマラシ『生きてるぞ!』

グジャク『何だあの鎧?』

ジプサム『あれは魔法なのか?』


226-1
リ『お前!なかなかいい当たりなのぜ!それに今の動きはちょっと驚いたのぜw』

リサは巨人に話しかけて褒めた。
言葉が通じているのかどうなのかはわからなくても、彼女なりに相手に敬意を示しているつもりなのだろう。


226-2
リ『力もありそうだし!もっと遊びたいのぜw』

巨人は様子を伺っている。
状況を見る限り、どうやら彼も興味を沸々とさせているようだ。


226-3
だがリサは再び走り出した。

リ『だからこっちこい!もっと広い場所でやるのぜ!』

わざと巨人の股下を潜り、羞恥心を煽るような真似をする。


226-4
"バカにしやがって!"
明らかに彼の目にそう映し出された。
この時の巨人には、リサの背中しか見えなくなっていた。


227-1
リ『アハハハッ!こっちこい!』

彼女は見事に巨人を砦の外に誘導した。
巨人は感情のままにリサを追いかけていく。


227-2
イ『やったわっ!』

ド『うむ、あの赤毛、旨く誘導したな』

ロ『でも...一人で大丈夫かな?...』

グ『なぁ...あっちって、リフテンの方向じゃないか?』


227-3
彼女が巨人を誘導した道は、避難民たちの逃げ道だった。


228-1
イ『そうだわ!?』

ロ『( ´゚д゚`)アチャー』

鉱山夫達は頭を抱えてしまう。


228-2
フ『アハカリ、アンタら行商だろ。この辺は詳しくないのかい?』

ア『確か...反対の道を東に向かうと、ミックスウォータっていう材木工場があったと思ったけど』


228-3
フリダはナディアに視線を戻すが、一瞬自分の目を疑った。

フ"なんだいこの青いのは?"

いつの間にか彼女の周りに煙のようなモノが纏わりついている。


228-4
フ『ナディア...』

それが何なのかはわからないが、何故か彼女は夫を亡くした時の事が頭を過った。


228-5
フ『ナディア』

また大切な人を失ってしまうのではないか?
彼女の中にあの憂鬱で不安な日々が湧き上がってくる。


228-6
怖くなったフリダはナディアの耳元で叫んだ。

フ『ナディア!!』

ナ『アフゥ!』

ようやく反応を見せる。
同時にあの奇妙な青い煙も消えた。


228-7
ナ『どうしたのだフリダ?』

何かの呪縛から解き放たれたように、いつもの無邪気な顔が戻ってきた。


228-8
さっきのあれは?。
それでも、どうやら思い留まらせる事はできたようだ。
自分が何を見て、何を思い留まらせたのかわからないが、少なくとも今は落ち着けた。


228-9
そして自分の手をナディアに差し出す。

フ『おばあちゃんをミックスウォーターまで案内してちょうだい』


228-10
ナ『(⊙ꇴ⊙)アフゥ!わかったのだ!』

彼女はいつもの笑顔を見せてくれた。









228-11
巨人が砦から離れて行くのを見計らい、一行はその足で材木工場に向かう事に。


229
ナディアはフリダを安心させようと、彼女の腕に自分の腕を絡ませピッタリと体をくっつけた。
老女を落ち着かせる方法を心得ている。
それは信頼している証でもあった。


230-1
ナ『ミックスウォーターならナディアも知っているのだ(⊙ꇴ⊙)!』

フ『知っているのかい?』

ナ『(゚ω゚)(。_。)ウンウン ギルフレがいるのだ』

フ『お友達なのかい?』


230-2
ナ『(゚ω゚)(。_。)ウンウン ナディアも材木買った事があるのだ』

そいえば、ちょっと前に酒場で耳にした事を思い出した。
ドラゴンボーンがアルドゥインを倒したという噂。
さっきのアレは、その事と何か関係があるのだろうか?
フリダにとってそうであって欲しくなくても、今はこの娘が無事であってくれる事が何よりだった。


230-3
念には念をと松明は使わない事にした。
また巨人に見つからないようにする為の処置である。


231-1
幸いカジート達は夜目が効く。
だからアハカリ達が目的地までの先導を買ってくれた。


231-2
とはいえ真夜中の移動は危険が伴うものだ。
狼やら山賊やらと、どこで鉢合わすか分からない。


231-3
こういう事に慣れていない者にとっては、ある意味恐怖感だけが正気を保つ材料だ。


231-4
あの赤毛は巨人をうまく誘導できただろうか?


231-5
心配性のロンドは思った。


232-1
橋の上を巨大なマッサーが照らす。
実のところ、あの月はすでに死んだ衛星であり、だからいつも半分しか見えないんだとか...


232-2
月とカジートが密接な関係にある事は有名だ。
彼らは何かに引き寄せられるかの様に一斉に夜空を見上げる。


232-3
ここまでの道中、特に会話と呼べるモノは無い。
砦から早く離れようと自然と足早になっているのは確かだ。
間の悪い事はこういう時に続いたりするモノだが、天は彼らを見放してはいなかった。


233-1
イルグニール『明かりだわ!』


233-2
暗がりの中に小さな窓明かりが見えてきた。
どうやらアハカリの話は本当だったようだ。
少しの希望が湧くと、気持ちが支えられて自然と足も軽くなる。


234
近くまで来るとそこは大きな平屋だった。
川沿いには木材を切る水車式の切断機が見える。


235-1
フリダはナディアに顔を寄せた。

フ『ナディア、あんたが話してちょうだい』

ナ『(⊙ꇴ⊙)アフゥ~わかったのだぁ~』


235-2
ナディアはトコトコと玄関に向かって歩き始めた。
皆は離れた所から彼女の動向を見守っている。


235-3
だが玄関前に着くなり、何故かス~っと息を吸い始めた。

そして...


236-1
ドンドンドンッ!

ナ『ぎるふれぇ~ぎるふれぇ~ナディアなのだぁ~ナディアなのだぁ~』

何を思ったのか、扉を激しく叩き大きな声で家主を呼び始めた。



236-2
ドンドンドンドンドンッ!
夜中だというのに容赦なく叩きまくっている。


237
グ『ば、婆さん、迷惑なんじゃないか、アレ?』

グジャクは不安そうな表情でフリダを問い詰める。

フ『今のあたしらの状況を考えたら...気にしてもしょうがないわ...』


238
ドンドンドンドンドンッ!

ナ『ぎるふれぇ~ぎるふれぇ~ナディアなのだぁ~ナディアなのだぁ~』

夜更けだけに声もよく響く。

ドンドンドンドンドンッ!


239
ナ『うわっ(;°д°)‼』

リクエストに応えるようにドアが勢い良く開いた。


240
ギルフレ『うるさいわねっ!今何時だと思ってるのよ!』

当然の反応だろう。


241
ナ『ギルフレ(⊙ꇴ⊙)!』

ギ『あん?...ん?...ナディア?』









242
ギ『材木の発注なら当分無理よ。今はウィンドヘルムからの城壁修繕の仕事で忙しいのよ』

眠気を押しごろすようにあくび顔を見せる。
友達だと認めていたナディアの反応は本当らしい。


243-1
ナ『今日は違うのだ^^助けてほしいのだ^^』


243-2
そう聞いたギルフレは、後ろにいる連中に片目を泳がせた。


244-1
ギ『...もしかして...この人達を泊めてほしいとか?』


244-2
ナ『(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン』

ナディアは激しく頭を上下する。


245
ギルフレは額の隅を掻いて面倒くさそうな顔を見せた。
こんな夜更けにいきなりドアをガンガン叩かれ、開けてみれば大人や子供が複数。
中にはカジートまでいる始末だ。
しかもこんな大人数を泊めて欲しいときた。
普通に考えても無理なお願いだが...


246-1
ギ『いいわ、ただし向かいの離れを使ってちょうだい』

思いもよらない反応だった。


246-2
ギ『こっちよ』

仕方ないなといった素振りはあったが、それでも愚痴一つこぼさず案内してくれる。


247
暗がりで気が付けなかったが、少し離れた向かい側にもう一軒、彼女の家と同じくらいの建物が存在してた。
南京錠を外すと、ギルフレは皆を中へ招き入れる。


248
ギ『いつもは従業員がいるんだけど、今は出張しているからいないの。好きに使ってくれていいわ。食べ物は樽に入っているし、水は川から汲んでちょうだい。あと、火の扱いだけは気を付けてね』


249
フリダは思い余って思わず声を上げた。

フ『ギルフレさん、いいのかい?あたしら何も説明してないが...』

彼女は不安な表情を浮かべている。


250-1
ギルフレは鼻でフンッと息を吹き出すと、ゆっくりナディアに目線を向けた。

ギ『前の従業員達が戦争に持ってかれたのよ。女一人じゃ木一本切るのも楽じゃないし、なにより運ぶなんて無理。あまりに突然だったから途方に暮れたわ』


250-2
ギ『でもそんな時に、ナディアが手の空いた連中を連れてきてくれたのよ。しかも仕事までくれたわ』

ナ『(⊙ꇴ⊙)アフゥ!』


251
ギ『おかげで今がある』

フリダは少し涙ぐんでしまった。


252-1
ギ『でもナディア!これで貸し借りなしだからね!』

ナ『(⊙ꇴ⊙)アフゥ!』


252-2
ギ『それとっ!玄関をガンガン叩くのやめてっ!』

ナ『え?だってギルフレ、ドア叩けって言っていたのだ('ω')』

ギ『言ったけど、あんなに何度も叩かなくも聞こえてるわよぉ~。二、三回でいいのっ!』


253-1
ナ『ワ、ワカッタノダァ (;´・ω・)ゴ、ゴメンナサイナノダ』


253-2
ギ『だいたい~、今日はリディアどこにいったの?いつも一緒のはずでしょ?』


253-3
ナ『リディアはいないのだ^^』


253-4
ギ『え?ちょっ...えぇっ!?』


253-5
ナ『はいはい~あとは大丈夫だからギルフレはお家で寝ているのだぁ~』

ギ『リディアがいないって...ちょっ!ナディア!』


253-6
ドンドンドンドン!ナディア!!ドラゴン呼ばないでよっ!!

ナ『あふぅ~』


第十六話EP3後編に続く...



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