今話を読まれるその前に・・・
前話において大改革の内容を書きましたが、これらは時間稼ぎができなければ実現が非常に難しい出来事です。
というのもSOSにおけるストームクローク軍(反乱軍)は、スカイリムの領土の約半分を手中に収めているようですが、戦力から言えばまだまだ帝国には及びません。
数字的に表せば帝国が10とするならストームクロークはその半分にも満たない数字になります。
ですので実際には防戦一方となり、いくら防御を固めたとしても、薄い壁一枚のような防御なので、もしもその一部が破られたら容易に攻め込まれてしまう可能性があります。
ストームクローク軍(反乱軍)は、この困難を乗り越えなければ先はありません。
なお12話においては、この困難を反乱軍がどう切り抜けていくのかEPを分けて書いていこうと思います。

1
テュリウスはウィンドヘルムの陥落に失敗した後、ソリチュードへの帰還の際もあちこちに偵察兵を放ち、ホワイトランへの侵攻路を探っていた。
2
最もな近道としてはドーンスター方面からだったが、この道はホワイトランに近づくにつれ、両手の山間に挟まれるように道が続く形になる。
だがすでにポエットは、ホワイトウォッチャー砦周辺及び山手において二翼に別れて陣を敷かせており、この道からの侵攻はリスクが高かった。
そしてこの道は、ウィンドヘルムからの道とも重なることになる。
3
もう一つはモーサルからの侵攻だが、この道程は雪山の道なき道を通り抜けなくてはいけない。
そのために、一度に多くの兵を動かすには、かなりの時間を要することになる。
更に途中にはラビリンシアンという古代の遺跡があり、人気はないものの、トロールという強力なモンスターが数匹住みついており、
仮にそれらを除いたとしても、山を越えた後にグレイムーア砦を占拠する反乱軍の強襲の可能性が高かった。

結局のところ、一度ソリチュードに戻らざる得なかったのである。
4
ホワイトラン侵攻にはもう一つの道がある。
それがドラゴンブリッジ方面からの侵攻であった。
この道は、ホワイトランから最も遠い道筋ではあるのだが、最も安全な道のりでもある。
途中山賊の砦はあるが、さすがの彼らでも帝国軍の大軍に勝負を挑むほどの度胸は無い。
5
テュリウスは、急ぎ兵の招集をかけ出陣しようと準備を始めていた。
だが首長であるエリシフに止められてしまった。
彼女の話では、近くヴィットリア・ヴィキの婚姻の儀があるので、出兵は暫く控えて欲しいとの事だった。

だがテュリウスは反論した。
ホワイトランの重要性を彼女に訴えたのだ。
この事が、彼を支持する者とエリシフを支持する者との間で言い争いに発展してしまった。
随分な激論が交わされたのだが、結局のところ、帝国の臣であるテュリウスが折れるしかなかった。
6
ヴィットリアは東帝都社における重役であり、帝国の皇帝であるタイタス・ミード二世の従妹にあたる。
皇族の御目出度い行事があるにもかかわらず、戦をするのは不吉であるというのだ。
7
だがテュリウスには、どうしてもホワイトランを取り戻さねばならない理由があった。
ホワイトランがバルグルーフによって治められていた時に、彼を本気で脅しでもしておけば、こんな事態にならずに済んだという負い目もあった。
だがそれ以上に深刻なのは、戦略拠点として最も重要なホワイトランが、ドラゴンボーンによってあっさり陥落させられてしまい、彼女が反乱軍に与することになったという事実である。

テュリウスもナディアとは面識はあったのだが、舌先三寸だけでホワイトランを落とせるほどの能力があるようには思えなかった。
いかなる人物が彼女の元に現れたのか?
今はその疑問よりも、急ぎ行動しなければ、反乱軍に守りを固める時間を与えてしまう。
もし、ホワイトランの守りが今以上に強固になってしまったら、帝国軍はこれ以後の進軍が非常に困難になる事は必然だった。
8
テュリウスは、リッケを大将に一千の兵を与え、副将としてアルディスを付け、ロリクステッドに本陣を構えるよう指示を出した。
彼女たちには、陣を構えたら”決して打って出ぬよう”強く命令し、夜陰に乗じてソリチュードを出発させ、自身は式が終わってから合流する事とした。
9
ロリクステッドはドラゴンブリッジ南にある小村である。
ここは正式にはホワイトランの敷地内にあたるのだが、西のリーチとの国境境の村であり、村長のロリク個人によって開かれた小村であった。
彼は元々帝国軍人であった事から、反乱鎮圧に乗り出した帝国軍に対しても、ある程度の理解を示し、村を守ってもらえるならと布陣に反対はしなかった。
リッケはテュリウスに言われた通り、ここに本陣を敷き、守りを固めグレイムーア砦の反乱軍に睨みを効かせる事にした。
10
実はホワイトランには、もう一つ帝国軍の小さな野営地がある。
ロリクステッドから少し東に離れた、クエンティン・シピウス特使の陣である。
彼はロリクステッドの陣構えが終えた事を知ると、すぐさまリッケの元に赴いた。
11
リッケ
『それは許可できないわ』

シピウス
『遠路はるばるロリクステッドまで来たんだ。
奴らはきっと、俺らが疲れて切っていると思っている。
そこに先手を打つんだよ!』

リッケ
『私は将軍に打って出るなと命令されてるのよ!』

シピウス
『この出陣は、エリシフ首長の目を盗んでの出陣じゃなかったか?
皇帝の従妹の結婚式なんだっけ?
将軍にだって負い目があるんだ。
だが先にグレイムーア砦を占領してしまえば、逆に花を添えられるってもんじゃねーかぁ?』

リッケ
『何か策でもあるって言うの?』

シビウス
『まぁ・・・一応なw』

彼は肩を竦ませ破顔を見せた。
12
リッケは悩んだ。

リッケ
-将軍が打って出るなと言ったのは、おそらくは警戒からだろう。
だが、この男の言うことを無下にしてしまえば、きっと抜け駆けをする-
13
リッケ
『わかったわ・・・
ただし私が預かった兵は貸せられない。
あなたの兵のみでやって!』

シピウス
『よ~し!そうこなくちゃな!』

リッケ
『それともう一つ!
この出陣に関して私は一切責任は取らないわ!』

シピウス
『じゃぁ成功すれば、功績は全部俺のもんだw』

彼は喜び勇んで自身の野営地に帰って行った。
14
アルディス
『リッケ殿・・・本当にいいのですか?』

リッケはため息を付く。
15
シピウスには、グレイムーア砦を落とす自信があった。
この砦は以前、多数の山賊達が占拠していた。
だがナディアの従者達が、彼らを一掃し追い出していたのである。(SOS第九話)
16
逃げ出した数名の内、若頭を含む三人の山賊達は、近くの帝国軍の陣に逃げ込み降伏していた。
つまり彼の下には、この砦について最も詳しい人間達がいたのである。
元山賊だった彼らは、居心地のよかった寝床を横取りされ、常々復讐を考えていたのだ。
17
シピウスの野営地には、それほど多くの兵士は駐屯していない。
彼は反乱軍が寝静まるころを見計らって出陣し、ゲリラ戦を仕掛けることにした。
18
彼はまず、内情に詳しい三人の元山賊たちに砦内部に偵察に行かせ、反乱軍が寝静まっている事を確認したら、外に出て松明を”横”に振るよう指示した。
その合図を待つように、シピウスは一隊を引き連れ岩陰に隠れて待機し、すぐにでも攻撃を仕掛けられる体制を取っていた。
19
この砦の内部に侵入するには、南側の正面ゲートを抜けてから二つの扉を開けて入るしかない。
だが、あまり知られていないのは、砦の北側にある排水溝からの侵入口である。(そういう設定でw)
彼らはシメシメと言わんばかりにそこから侵入した。
20
しばらくすると、砦の一角にて松明の明かりを”横”に振る動作を確認した。

兵士
『シピウス様!松明が横に振られてます!』
21
シビウス
『よ~し!出撃だぁ~!!!』

彼は隊を引き連れ、暗闇に乗じてグレイムーア砦正面に突っ込んで行った。





22
しかし、入口のバリケードに近づいた時である。
突如として現れた炎の壁が、彼らの行く手を遮った。

シビウス
『なにっ!!火だと!!』

目の前の炎に兵士たちも慌てる。
すると兵士の一人がシピウスに指さし訴えた。

兵士
『シピウス様!後ろをっ!』
23
その声に反応するように彼は隊の後ろを見やる。
すると多数の松明の灯りと旗を掲げている大軍が、こちらに迫ってくるのが目に入った。

シピウス
『まさか・・・』

???
『シピウスッ!!』

一際大きな声が砦の方から聞こえた。
24
再び反応し振り向く。
彼の目に映ったのは、多数の反乱軍が砦の上から弓を構えこちらを狙っている姿だった。

シピウス
『しまったっ!罠か!退け!退けぇ~!!!』

ここにきてハメられたとわかった彼は、急ぎ退却を言い渡した。

アルギス
『撃てぇぇぇ~!!!』
25
アルギスの声に反応した反乱軍は一斉に矢を放った。
26
慌てたシピウスは、今来た道を戻るように一目散に馬を走らせた。
その間にも反乱軍は、大声で罵声を浴びせながら追い掛ける。

『まてこらっ!!シピウスーーー!!!』

『逃げんな腰抜けっ!』

『お前ら何しにきたんだよっ?!』

『戻って戦えっーーー!!!』

だがシピウスは振り向きもせず、ひたすら馬を走らせ逃げ続けた。
27
ようやく声も聞こえなくなった頃、彼は足を止め一呼吸着いた。
人馬ともに全速力で走ったせいで、皆息切れ状態だった。

シピウス
『おのれぇ~反乱軍めぇ~!!』

彼は馬上で歯ぎしりする。
ところが・・・

再び兵士の一人が指さし彼に言った。

兵士
『シピウス様!陣がっ!!』
28-1
シピウス
『あぁーーーーーーーーーーーっ!!』









28-2
時すでに遅し。
シピウスは自分達が出発した陣に、多数のストームクロークの旗が並んでいるのを目撃した。
しかも篝火があちこちに焚かれ、兵士も配置され既に掌握されていたのだ。

シピウス
『いっ、いったいいつの間に・・・』


『シピウス様!あの旗の数じゃ、兵はかなりの数がいるかと思われます!!』

シピウス
『止む終えまい・・・本陣と合流する!』
29
彼はリッケが守るロリクステッドの本陣に逃げ込んだ。
30
ホワイトランホールドは北と南とを山麓に挟まれ、西のリーチ方面に向かうほど広い平野の続く土地である。
緩やかな起伏が多数あり、大きな物もあるが、数えるほどしかない。
大都市であるホワイトランは、ほぼ中心に位置し、そのやや西にある小高い山の上にグレイムーア砦は建っていた。
40
この砦の歴史については不明だが、防御拠点としては実に優れており、西からの攻撃に睨みを利かせるにはうってつけだった。
平地に立つ高い砦は、襲い来るいかなる脅威にも事前に対処し易いからである。
今の帝国軍にとってホワイトランという街を奪還するには、この砦の陥落は絶対条件と言える。
逆に言えばここさえしっかり守れば、ホワイトランは奪われないという事になる。

リッケ率いる帝国軍がロリクステッドに陣を構え終えた頃、ナディア達一行はウィンドヘルムへ向かっていた。
ポエットは、テュリウスの行動をある程度予測し、砦の守りを任せたアルギスとイオナの二人に、万が一の為の一計を授けて於く事にした。
41
三人の元山賊たちが、砦の北側にある排水溝から侵入した時、ちょうどその真上の一角で一人の兵士が彼らの姿を目撃する。
42
するとその兵士が合図し、事前に用意していた大きな狼煙台の藁に火を付ける。
43
モウモウ上がる煙と炎の明かりが、西の監視塔頂上にいた兵士の目に入ると、彼もまた用意した大きな狼煙台に火を放った。
44
その明かりと煙は、ホワイトランにいた衛兵の目に入る。
この時点で帝国の攻撃が始まった事を、ホワイトランに駐留する全ての反乱軍が知ったのである。
45
さて、まんまと砦に侵入した元山賊達は、抜き足差し足で二階に上り、寝所、台所、食堂を探り、誰もいない事に不信感を抱いていた。
とは言え、シピウスと打ち合わせていた合図を出すためには、外に行かなければいけない。
46
しかし、屋上に続く梯子がある三階の階段は瓦礫に塞がれ、隣の牢獄へ行く道も瓦礫に塞がれてしまっていた。
47
止む終えず、今来た道を戻り排水溝から外に出て合図しようと思ったのだが、何処から現れたスキーヴァ―の群れに道を阻まれ戻れなくなってしまった。

となると、最後の手段は正面の玄関から出ていくしかない。
しかし、内部が無人ということは、反乱軍が外にいると言うことになる。

山賊の若頭だった男が、あることに気づく。
48
若頭
『おい!これ見ろ!』

彼が見つけた物は何を隠そう反乱軍の兜に鎧、そして手袋にブーツである!
しかも武器まで見つけた。

元山賊A
『おおっ!マジ!?』

元山賊B
『さっすが兄貴ねっ!?』

彼らは迷うことなく擬態した。
49
”これで大丈夫!!”

余裕をブチかまして正面玄関から外に出る。

が・・・











50
若頭
『おいっ!待てよ!オレたちゃ味方だぜ!?』

イオナ
『味方・・・?』

三人に緊張が走る。
51
イオナ
『あんたたちが被ってる兜・・・それはソリチュード衛兵の兜よ!』
52
元山賊達
『え”っ』

彼らは、兜を恐る恐る取ると布地の”色”を確認した。
ストームクローク軍は”青”だが、ソリチュード衛兵の布地の色は”赤”である。

というわけで、あっさり捕まってしまい。
シピウスとの作戦が露呈した。
53
帝国軍がこの砦を取戻そうとするならどうするか?
ポエットは、砦の内部から外周に至るまで、兎に角歩き回った。
なので排水溝からの侵入口も事前に知っていたのである。

多数の兵を砦に進軍させるには、外壁を昇るか正面の門からの二つしかない。
だがリスクを考えるなら、外壁を昇らせるような真似はしないだろう。
となると、排水溝から偵察兵を送り込み、内部の情報を何らかの形で外部へ知らせ、それから進軍してくる形を取ると考えた。

キーは偵察兵である。
彼らの逃げ場を一か所にさせるためにも、他の道を塞ぐ必要があった。
54
アルギスとイオナは、ポエットに言われた通り作戦を実行した。
砦内部における、牢獄への道と三階へ通じる階段へのそれぞれの入口を事前に瓦礫で封鎖。
排水溝から侵入した彼らを逃がさないためにも、大量のスキーヴァ―を捕獲し、彼らが侵入した後解き放った。

これで出口は一か所になる。
後は前述通りである。
55
外に配置しておいた狼煙台は、ホワイトランに伝え、そこから強行軍を出発させ、ほぼ空になった敵の陣を一気に占領するための引き金だった。
更に砦にて煙が上がったことを、西の監視塔で待機していた一隊が知ると、彼らは即座に松明に火を着け、多数の旗を掲げた。
56
シピウスの一隊がグレイムーア砦で立ち往生しているのを確認すると、彼らは後ろから大声を上げて走って行ったのである。

慌てたシビウス達は一目散に自陣目指して馬を走らせた。
だがその目に映ったのは、既に反乱軍によって占領されていた自陣の様子だった。
57
帝国軍の野営地を占領した反乱軍は、翌日早朝には姿を消していた。
馬も、テントも、テーブルも、兵糧も、お鍋や薪に至るまで全て無くなり、あたかも最初から何も無かったように全て戦利品として奪っていったのだ。

シピウス
『ハイエナどもめぇ~!?』

58
アルギスとイオナは、無暗(むやみ)に命を奪わないようにと頼まれていた。
シピウス達が自陣に帰る際、反乱軍は多数の矢を放ったが、その狙いは地面であり、彼らではなかった。
捕まえた元山賊たちは、グレイムーア砦の地下牢に閉じ込めた。
59
ポエットは、テュリウスがロリクステッドに陣を構えた時、必ず一度は攻撃を仕掛けてくると睨んでいた。
その理由は、第一に帝国軍には地の利が無いこと、第二に彼の行動力の速さからである。
だが同時に誤算もあった。
未だテュリウスは、ロリクステッドに姿を現していないう事。
そして、彼がポエットの存在に警戒心を持ち始めていた事である。
60

ガルマル
『ポエットよ、我々とて馬鹿ではない。
ハンマーフェルやハイロックには、何度となく使者を送っておる』

ウルフリック
『色々と好都合な条件を出してやってはいるが、悉(ことごと)く断られているのが現状だ』

ポエット
『当然ですよ』

ウルフリック
『なんだと?』

61
ポエット
『スカイリムは、彼らにとって今や火中の栗です。そんな危ない真似するはずがありません』

ウルフリック
『だが、帝国の目をハンマーフェルへ向かせるのだろ?
後ろを攻めてもらう事が、最善の方法ではないのか?』

ポエット
『ハンマーフェルやハイロックは、私たちが何を言おうと動こうとはしませんよ』
62
ウルフリックは眉を顰める。

ウルフリック
『では・・・どうハンマーフェルに目を向かせるつもりだ?』
63
ナディア
『わかった!!帝国がハンマーフェルに攻め込むんだ♪』

いきなりの発言に皆の目がナディアに集まる。
64
リディア
『あ!こらっ!ナディア!余計な事言わないのっ!』

ナディア
『んぁ?』
65
ポエット
『いいんですよそれで^^』

ポエットはナディアに向き直り笑顔で答えた。

リディア
『え?あっそうなの・・・・^^;』

ポエット
『でも攻め込むか攻め込まないかは、帝国の判断なのでハッキリとは言えませんが。
少なくとも、帝国にそう思わせるようにすればいいんです^^』
66
ガルマル
『帝国がハンマーフェルに攻め入るような・・・口実を作ってやる訳か』

ポエット
『はい^^』

ウルフリック
『帝国は先の大戦で大きな力を失っている。
だからこそ鎮圧の為に、テュリウスは一万の兵しか与えてもらえなかったと聞いたが?』
67
ポエット
『白金協定の経緯(いきさつ)を覚えていますか?』

ウフルリック
『経緯だと?』

ヨルレイフ
『それなら、私が・・・』

珍しく口を開いたヨルレイフに視線が集まる。
68
ヨルレイフ
『白金協定は始め、アルドメリから帝国への申し出でした。
その時の条件は、タロス崇拝の禁止、ブレイズの解体、ハンマーフェルの割譲でした。
ですが、元老院からの猛反発があったらしく、特にハンマーフェルの割譲についてです。
オブリビオンの動乱以後、離反する国が相次ぎ、領土の減少を最も懸念したからだそうです。
ですが最終的には、タロス崇拝の廃止、ブレイズの解体、ハンマーフェルの譲渡に収まったとのこと。
帝国はハンマーフェルの独立を認めた上での譲渡だったとか・・・』

ウルフリック
『独立を認めた上での譲渡など、今の帝国は腐っているとしか言えん』

ヨルレイフ
『噂では・・・この件に関し皇帝に口添えしたのは、テュリウス本人だという話です』
69
ガルマル
『なるほど・・・となると狙いは元老院、シロディールじゃな』

ポエット
『そうですっ!』

ウフルリック
『元老院を利用するのか?』

ポエット
『元老院は、現皇帝であるタイタス・ミード二世の補佐役です。
彼らは言わば側近中の側近です。
彼らを無視してテュリウスの意見を優先するなど、皇帝と元老院の仲は良好ではないと考えるのが自然ではないでしょうか?
もちろんそこには、テュリウスも入ってると思われますが』
70
ウルフリック
『皇帝とテュリウスの二人と元老院か・・・となると・・・どう利用するんだ?』

ポエット
『テュリウスが反乱鎮圧に1万の兵しか与えてもらえなかったのは、大きな圧力があったからだと私は見ています。
元老院はスカイリムにおける反乱など、ハンマーフェルの地を取らる事に比べれば、大きな問題ではないと思ったからでしょう。
彼らはノルドを北方の野蛮人と見下しているので、いつでも対処できると侮っているんですよ。
テュリウスは、スカイリムに赴任してから既に3年近くここにいます。
にも関わらず、未だ平定もできずじまいでいるのは、民心の安定、兵の徴募、停戦協定などなど・・・』

ウルフリック
『フッ・・・将軍様はご多忙のようだなw』

ガルマルの目線がウルフリックに行く。

ポエット
『ホワイトランを掌中にする前に、ウィンドヘルム侵攻を図ったのは、彼の焦りもあったのかもしれませんね』

ウルフリック
『それで・・・どうするんだ・・・?』
70-1
ガルマル
『ヴヌヌ~ッ!!ウルフリック!?』

ガルマルは、うねり声を交えて彼を怒鳴った。
ウルフリックは突然の出来事に口を開けてポカンとしている。

ガルマル
『今の話を聞いとらんかったのか!?』

ガルマルは出来の悪い息子を叱りつけるようにガナった。

ウルフリック
『あ、いや・・・』
70-2
ガルマル
『テュリウスが一万の兵しか与えてもらえなかったのは、元老院が我々を舐めているからじゃ!
にも関わらず奴は3年もここにいる!ここにハンマーフェルを加えれば、離間材料になるじゃろ!!』

ガルマルの叱責に彼は焦りを見せた。

ウルフリック
『なるほど・・・3年かけても平定できていないというのは、不味いだろうな・・・』

ガルマルはため息を漏らす・・・

ウルフリックという人は、親の七光りがある分、礼儀や行動あるいは名誉という点に於いて、他のノルドよりも纏まった部分は持ち合わせている。
だが、いざ戦略になると大雑把な考え方をするので決して優れているとは言えなかった。
その為、しばしば運任せな行動に走る人物でもある。
ポエットのように、緻密な戦略になると本性が露呈してしまうのだ。
70-3
ポエット
『帝国には黒馬新聞があります。
多数の間者とお金を掴ませれば、元老院の耳にも簡単に入ると思います』

ヨルレイフ
『しかし、黒馬新聞は帝国資本だ。
帝国に不利になる情報は流さないのでは?』

ポエット
『いえ、帝国に不利になる情報ほど上に行き易いものです。
裏を取ろうとするでしょうが、大衆の力は大きいので、一度ばら撒かれた情報を抑え込むのは難しいです。
逆に口封じに掛かったとしても、その頃には元老院たちの耳にも入っているはずです。
間違いなく裏を取る前に、テュリウスに警戒心を抱くはずです』
71
ウルフリック
『ははははっ!』

ウルフリックは思わず笑ってしまった。

ウルフリック
『元老院に警戒されたら、テュリウスは即刻帰国せねば・・・・』
72
彼は開いた口が塞がらず、自らの言動に驚いてしまった。
73
ポエット
『現在のシロディールには、主だった将は数える程しかいません。
テュリウスは帝国軍にとっても際立って優秀ですから、おそらく帰国命令が出る可能性は高いです』

ウルフリック
『では・・・帝国は、何もせず撤退するというのか?』

ポエット
『それはまずありえませんね。
テュリウスがいなくなったからと言って、スカイリムには帝国を支持する者はいますので。
それに、スカイリムにおける内戦が終結して一番困るのは・・・”アルドメリ”です』

ガルマル
『エルフ達の新たな軍が、入り込んでくる可能性があるわけか・・・』

ポエット
『あるいは代わりの指揮官が・・・何れにせよ時間は十分に稼げると思います』

ウルフリックたちは早急にこの作戦を実行に移すことにした。
74
ナディアたちがウィンドヘルムを出発し、ホワイトランに向かい始めた頃・・・
75
テュリウス率いる本隊が間もなくロリクステッドに到着しようとしていた。
彼の傍には、かつてホワイトランの首長であったバルグルーフ、そして従士イリレス、

弟のフロンガルが尽き従い、ホワイトラン奪還に執念を燃やしていた。




ポチットお願いしますm(_ _)m

<備考>

◎タイタス・ミード二世
現帝国領土を治める皇帝。
オブリビオンの動乱の後、帝国は皇帝空位の時代が続き、ミード家が台頭を掲げた。
タイタス・ミード二世は、かつてシロディールを占領したアルドメリ(エルフの軍隊)を追い出した人物として英雄視されている。

◎元老院

TESにおける元老院職に就いている者は2名しか分かっていない。
総書記管オカ―ト(前作オブリビオン)
アマウンド・モティエール(スカイリム)

スカイリムにおいて闇の一党クエストをクリアした方ならお分かりだと思いますが、
今回はこの点を利用して【反間の計】を使ってみました。
はたして成功するんでしょうか?

◎クエンティン・シピウス特使

帝国軍ホワイトラン野営地を任されている人物。
このような野営地は、帝国軍もストームクローク軍も各地域境に配置している。
SOSでは元々周辺の山賊対策の為にストームクローク軍が配置したのだが、後に帝国は反

乱鎮圧に乗り出してきてから配置した設定にしている。
これらの野営地に配属されている特使には、殆ど個性が見当たらないので、今回は見た

目で都合のいい性格に設定にしました。
ちなみにSOSでは野営地=陣とし、見た目を改造しています。

NPC Clothes Changer and Maintainer

今回初めてこちらのMODを導入してみました。
いろんなNPCさんの衣装を自由に変更できるMODです。
すごく便利でしたー♪
これからも重宝していこうと思います^^

◎【Skyrim imperial light armor】と【Cloaks of Skyrim

帝国軍の軽装変更MODと沢山のマントを導入するMOD。
どちらも有名どころですね^^;

今回は帝国軍の”本気”を表現したかったので思い切って導入しました。
すごくかっこよくて気に入ってます^^
以後の話でも使わせていただこうと思います。