【マルカルス アンダーストーン砦にて・・・】
74
ソーナーは、イグマンド達を取り逃がした事を酷く後悔していた。
それに加え、カルセルモだけではなく、甥のアイカンターさえも姿を消していた事を知って驚いた。
まさかあのカルセルモが、ドゥーマーの研究を放棄してしまうとは、思いもよらなかったのである。
75
マルカルスには、イグマンドの父親の代から、ハイエルフで組織されたサルモール達が常駐している。
彼らもカルセルモの研究資金を提供していたので、見事に出し抜かれたと思い、その意外性に驚いていた。
76
実はソーナーが、クーデターを成功させる事ができたのは、自分が抱えている傭兵団の力だけでできた事ではない。
裏でサルモール達が、暗躍してくれていたからだった
といっても彼らとは、やはり”銀”の繋がりがでしかないのは確かなのだが、話を持ち掛けたのはソーナー自身であった。
77
マルカルスは、カルセルモの読み通り、嘗てのドゥーマー達が作り上げた強大な都市国家であった。
その影響力は主にタムリエル北部で、しかも地上だけではなく地下までもが、彼らの支配地域として広がっていた。
なので彼らの事を【ディープエルフ】と呼ぶ場合もある。
ドゥーマーの技術力は非常に高く、現在に至ってもその解明は難題の一つとされている。
78
しかし、そんなマルカルスだが、【歪んでいる】と評価する者も少なくない。
記録として残っているだけだが、嘗てのドゥーマー達は、自分達の技術力の高さには、相当なプライドと自信があったらしく、
自らの限界でも試そうとしたのか、神をも恐れぬような所業を何度も繰り返していたとか。
【恐ろしく不可解。知的で勤勉ではあるが、残酷でさえある】
もしかすると、世界の創造に至る真実まで、解き明かそうとしていたのではないだろうか?
それについては、真偽のほどはわかっていない。
79
だが一つだけ確かな事実が残されている。
”理性と倫理に重きを置いたと思われる彼らは、デイドラ神への崇拝を軽蔑し嘲笑していた”という事である。

ドゥーマー達が謎のまま姿を消してからというもの、マルカルスの支配権は人間種達によって取って代わる事になる。
以後様々な勢力が興亡を繰り返してきたのだが、現在確認できる範囲でこの問題に直面していたのは、
ホルフディル以降になり、もちろんイグマンドもその一人として含まれいる。
噂だが、マダナックもこの事に関わっていたらしい。
80
これはこの街の”特記事項”として、首長となった者達にだけに、代々語られてきた話になる・・・
マルカルスには【強大な獣が潜んでいる】と言い伝えられてきたのだ。
81
イグマンドが、フォースウォーンの対処に遅れが出ていたのは、これが大きな原因だった。
というのも、前文でも説明したが、かつてマルカルスでは、ナミラの信奉者によるおぞましい事件が発生していた
しかし事件はこれだけではなく、無人のはずだった住居の一つから、あるはずのないモラグバルの祭壇が発見されたのである
82
デイドラ関連の問題が連発したせいか、自分たちでは手に余ると考え、イグマンドは【ステンダールの番人】と呼ばれる組織と手を組む事になる。
82-1
ところが、彼らが拠点としていた【ストゥーン渓谷】が、吸血鬼達の急襲を受けてしまった
突然の襲来に対し、準備もままならなかった彼らは劣勢に追い込まれてしまう。
82-2
その為、壊滅的なダメージを受けてしまい、一気に力を失ってしまったのだ
しかし、問題は人外の者の事だけではない。
82-3
この機に乗じてウルフリックが上級王トリグを殺し、スカイリムで内戦を引き起こし、イグマンド自身にもその火の粉が飛んできたのである
もはやフォースウォーンなど、貸す耳すら持てない状態だった。
83
しかし、これらの出来事の一部にサルモールが絡んでいた事を知るのは、ほんの一握りの者しかいない。
その一握りが、ソーナーとレブルスである。
ソーナーにとっては、街の実権を握る為、サルモールにとっては、帝国の弱体化の一端を担う為の策であった





【マルカルス城外にて・・・】
84
コルスケッガ―鉱山前で立ち往生していたリッケは、何度もマルカルスに密偵を送り、街の様子を探らせていた。
早い段階で中の様子を知りたかったからである。
とは言えフォースウォーン達は、退却する様子も無く、街中からの洪水は止みそうもなかった。
どこからか使者をねじ込む方法も考えていたのだが・・・
85
二日ほど経過した頃、フォースウォーン達の姿がサルヴィウス農園から消えたという報告を受けた
ようやく諦めがついたのか、ネズミの穴に潜ったようである。
85-1
リッケはここでワザと隊を分け、少数兵でマルカルスに向かう事にした。
街中からの洪水により、布陣できる場所が小さく、フォースウォーンによる被害を最小限にするというのも理由なのだが・・・
本命は、マルカルスの首長が誰になったのか?である。
事と次第によっては、こちらも手を打っておく必要があったからだ。
86
だが、農場に足を踏み入れた途端、唐突に目に入り込んできたモノは、その場にいる者全員にショックを与えるには十分な惨状だった。
人はかくもここまで残酷になれるモノなのか?と、問い詰めたくなる。
フォースウォーンとは、行き場を失った者が最後にたどり着く終着点だと、リッケは聞いた事があった
ともすればこれは、彼らの厳しい戒律による結果なのか、或いは最後に至ってまで悪足掻きをした結末なのか?

注意:次のSSは残酷な描写となっております!!心してご覧ください。










86-1
目の前に現れたのは、本当にあのマダナックなのか?
そう疑いたくもなった。
86-2
体中に剣を刺し込まれ、手足にも杭のように剣や斧が差し込まれている。
恐らく背中から刺された大剣が、最初の一撃だったのではないだろうか?
例えそうでなくでも、そうであって欲しいと願わんばかりだ。
その後に体を固定され、遠巻きに矢を打ち込んだといった所だろう。
87
何故彼が、こんな最後を迎えなければいけなかったのか?
その真実は不明のままだが、それでもリッケは彼と、彼と死を共にした者を懇(ねんご)ろに弔ってやるよう、兵士達に指示した。
嘗てはリーチの王としてこの地に君臨し、帝国を散々に悩ませた男。
彼らの習慣が何であれ、一つの時代に生きた勇者であった事には変わりはない。
87-1
彼らの遺体は、草木に覆われた場所にある、一本の痩せた木の下に埋葬された。
決して目立たぬよう、それでも”此処に有りき”と示せるよう、精一杯の心意気として。
87-2
そしてリッケは、無人になったサルヴィウス農園に簡易的に陣を敷く事にした。
個人宅が在るのだが、不在の為そこは使わず、暫くの間だけ外を使わせてもらう事にしたのである。
生死は不明だが、ここを去る際にでも土地を整備し、僅かな賃金と手紙を認(したた)める事で許してもらおうと彼女は考えた。
軍の勝手による、良民に対する迷惑への最低限の配慮である。
88
ソーナーも帝国軍の存在に気づき、街から水を引かせる段取りを取る必要性を感じていた。
元々彼自身が呼んだようなモノなのなのだが、本来ならイグマンドとラエレクの死体があるはずだった。
だが、この二人を仕留め損なっている。
89
【この二人が死んだので、止む終えず首長の座に就く事にした】
というシナリオを設定していたのだ。
90
だがレブルスは、その事に関して重きを置いていなかった。
傭兵団の力があり、それによりマルカルス兵達も支配している。
更にアンダーストーン砦を占拠した以上、この街の実権はソーナー自身が持っている訳で、
今更になってイグマンドが戻ってきたとしても、状況は何も変わらないとわかっていたからである。

だが主君の悩みも解らない訳ではなかった。
91
レブルス
『二人を仕留め損なった事を後悔しても始まりません』

ソーナー
『だがあの二人がいないと、帝国は私を正式なマルカルスの首長として認めない。
そう言ったのはお前だぞっ!!

レブルス
『その可能性があると言っただけで、必ずしも認めないとは限りません』

ソーナー
『どういう事だ?』
92
レブルス
『シルバー・ブラッド家は、この街の利権を殆ど手中に治めています。
それはホルフディルの代であった頃より、スカイリム中で知れ渡っている事です。
シルバー・ブラッド家の持つ利権と人脈は、帝国にとっても非常に有用的であるはず。
彼らが内戦を治めようと考えている以上、今もこれからもこの関係を崩そうなどとは、
余ほどの馬鹿でもない限り、考えようとはしないでしょう』

ソーナー
『う~ん』
93
レブルス
『しかし、帝国も恐らくシドナ鉱山の所有権を狙っているとは思えます』

ソーナー
『だろうな・・・我々にとって最もな弱みだ・・・
もしクーデターが明るみになったら、帝国は我々を罪人扱いし、鉱山を奪いかねないぞ?』
93-1
レブルス
『なので排水をする前に、なんとか外に出て、帝国軍と接触する必要があります』

ソーナー
『こっちから先に出向くと言うのか?』
94
レブルス
『そうです。
帝国もシドナ鉱山を欲しがるでしょうが、それよりも守りたいモノがあるはず
そちらの方に話を持っていくためにも、こちらから先に出向くのです』
94-1
ソーナー
『帝国が守りたいものとは・・・なんだ?』

レブルス
『それについては、私が帰って来てからにしましょう』

ソーナーにとっては、彼のここまでの惜しまぬ尽力を考えれば、この程度のワガママは見逃すに値した。
一方のレブルスにとっては、この事が彼を追い詰める事であっても、説得できる自信があった。
95
ソーナー
『それはいいが、お前が行くのか?』

ソーナーとしては珍しい言動だった。

レブルス
『元々私が進めてきた計画です。
誰が指揮をとり、マルカルスの動きをどこまで知っているのか探り、状況に応じて対処します』
96
レブルスはシロディールでの自分の苦い経験を元に、ソーナーに対して、全てを掛けて補佐しようと考えていた。
彼にはそれだけの価値があると、認めていたからである。
97
抜け道がある訳ではないが、水が溢れ出ていない北側の壁を数人の兵士達に協力させ、ロープなどを使ってレブルスと共の者を街の外に出した。
98
そして馬を使いサルヴィウス農園の帝国軍の陣に到着すると、大将に謁見を求める。
この時彼は、自分の事をこう言った。

”シルバー・ブラッド家の使者だ”と・・・
99
その事を耳にしたリッケは、 ”やっぱり”という言葉が頭に浮かんだ。
ロリクステッドに来たマルカルス兵達が、フォースウォーンに進路を絶たれたハズなのに、考えていたよりも早く報告ができたのは、
シルバー・ブラッド家の手による者だという予想は、大方間違いないと確信できた。
彼らがこの混乱を利用しないハズがないと言えるのは、マルカルスにおけるシルバー・ブラッド家の影響力は、
嘗てのホルフディルを大きく上回っている事が、スカイリム中でも周知の事実だからだ。
100
しかし問題は二つある。
いったいどうやってクーデーターを引き起こしたのか?
そして今現在の首長は?
101
だが反面、ここで彼らを追い詰めるような事をすれば、シルバー・ブラッド家との亀裂が生じる危険性がある。
彼らのマルカルスでの影響力を考えると、第二のウルフリックを作る事になり兼ねない恐れもあった。
とはいえ、 【シルバー・ブラッド故の帝国有き】という構図だけは、避けねばならい・・・
102
レブルス
『レブルス・クインティリアスと申します』

リッケ
『大将のリッケだ』
103
リッケ
『シルバー・ブラッド家の使者と聞いたが?』

それでもやはり、この名前を口にするには奇妙な違和感を感じざる得なかった。
104
レブルス
『その通りでございます』

レブルスは真顔で答えた。
105
リッケ
『マルカルスの首長は、イグマンドだったと思ったが?
何故シルバー・ブラッド家の使者が此処に来る?』

レブルス
『実はそのイグマンド首長なのですが、執政のラエレク及び従士のファリーンを含め、行方不明となっており、現在街中にて捜索をしている次第です』
106
シピウス
『なんだとっ!?いったいどういう事だっ!?』

リッケを差し置いて、シピウスは即座に反応した。
レブルスは、自分がいったい誰と話をしているのか一瞬迷った。
107
リッケ
『あなたは黙ってなさいっ!』

リッケが有無を言わさず喝を入れる。
彼は”しまった”とばかりに口を噤んだ。
108
『では、今現在マルカルスを統括しているのは誰?』

レブルス
『現在、仮の首長として、シルバー・ブラッド家の二男で有らせられる ”ソーナー様”が、マルカルスを統括なさっております』
109
シピウスを含め、側近達も少なからず驚いた。
だがリッケは、ある程度覚悟はしていた。
そしてその名前を聞いた聞いた時、少々安心できたのは事実である。
ポエットが関わっていないと確信できたからだ
110
リッケ
『どういう事なのか説明して欲しいわ』

彼女は落ち着いた表情を見せて口にした。
111
レブルス
『フォースウォーンが攻めてきた時、首長のイグマンドは排水溝を堰き止め、街中に水を貯め、水攻めを使って彼らを退(しりぞ)きました』

レブルスは平然とし淡々と語る。

レブルス
『その後、我々シルバー・ブラッド家の元に一人の兵士が訪れ、首長が不在の為に代わりに指揮を執って欲しいという要請を受け、現在に至っている次第です』
112
リッケ
『イグマンドが突然、職務を放棄したというの?』

リッケは眉を顰める。
113
レブルス
『詳しい内容は、御本人が不在なので我々にも理解しかねています。
ですが、何故かイグマンド首長の一派だけではなく、我々シルバー・ブラッド家の長兄であるソーンヴァー殿も、行方を暗ませています』
114
リッケ
”ソーンヴァーも・・・?”

自分達の方にも奇妙な出来事が起きていると、まるで被害者寄りの言い分だった。

シピウス
『ゆくえふめぇって・・・おまえなぁ~~』

あまりにも都合の良い話のせいか、シピウスは呆れぎみだ。
だがリッケはそれを無視し、問答を続けた。
115
リッケ
『レブルスとやら。
お主の話の内容を聞く限りでは、随分と都合が良い様に思えてならないのだが?』

レブルス
『しかし、我々としても、どう答えようもありません。
実際、フォースウォーンが攻めてきた時、シルバー・ブラッド家は一切関わっていなかったのですから』

これは事実である。
116
リッケ
『水攻めで攻勢に転じている以上、要請もしてこなかった訳か・・・』

レブルス
『おそらくはそういう事かと・・・』

リッケ
『その後に、上層部が突如として姿を消し、困った兵士達がそなた等を頼ったと?』

レブルス
『その通りです』

レブルスは、しごく平然と答えた。
117
この問答は酷く幼稚な印象であり、はぐらかされているようにしか思えない。
だが当のイグマンドの立場にしてみれば、何かの危険を察知し、マルカルスから脱出を図ったとも考えられた
それにコルスケッガ―にて、マルカルス兵達の遺体を目にしている事から、フォースウォーンが攻めて来るのを知って、兵を先行させた可能性もある
だがどれも、これと言って証拠となるものは見当たらない。
元々シルバー・ブラッド家が、自分達を呼びよせたのだと思われるが、その確たるモノすらない。
これらの人物を行方不明扱いにする事は、一見稚拙(ちせつ)の様にも見えるが、”常套手段”と表現したほうが適切だと思えた
118
彼女は一息つくと、椅子から立ち上がり口を開いた。

リッケ
『私が考えていた事を話そう』

”そらきた”
レブルスは心中で囁いた。
119
リッケ
『私はこの一連の出来事を、フォースウォーンを利用したシルバー・ブラッド家の仕業と見ている

しかし、リッケの唐突とも思えるこの言葉には、冷や汗を掻かざる得なかった。
120
レブルス
『それは・・・どういう事でしょうか?』
121
リッケ
『そもそもの発端は、ロリクステッドに来たマルカルスの伝達兵だ』

レブルス
『・・・』

リッケ
『そこでそなたに聞きたい。
コスルケッガ―鉱山の前で落石が起きていた事と、マルカルス手前の橋が沈められていた事は、知っているか?』
122
レブルス
『街の目の前の橋が壊されているという報告は受けましたが、コスルケッガ―については初耳でございます』
123
リッケ
『なるほど。
という事は、仮にイグマンドが、伝達兵をロリクステッドに送ったとしても、簡単には到達できないという事は理解できるな?』

レブルス
『マルカルスから外に出るには、通常この二本の道しか存在していませんので・・・』
123-1
リッケ
『となると、マルカルスはその伝達兵を”いつ”送ったかという事になる』

レブルス
『帝国軍に救援を求めに行った伝達兵という訳ですね』

リッケ
『そうだ』
124
レブルス
『残念ながらその事について、我が君ソーナー様も、私も一切関与していないので、答えようがございません』

シピウス
『なんだとぉ~!!』

シピウスは歯ぎしりをして口にする。
しかし、間髪入れずリッケが言葉を綴る。
125
リッケ
『だろうな』

そしてレブルスとの間を急に詰め、彼の事を疑わしいと言わんばかりに見下ろす。

リッケ
『残念ながら我々も、シルバー・ブラッド家が、この件に関わったという決定的な証拠を持ち合わせてない。
何せ我々に知らせた後、”その伝達兵は姿を暗ませたからな”』

舐めずり回すような言葉遣いに、レブルスは思わず唾を飲み込んでしまった。
126
リッケ
『それにっ!』

リッケは急に語尾を強く発すると、レブルスの目を蟻一匹逃すまいと刺すような視線で凝視した。
そして更に顔を近づける
126-1
リッケ
『裏付けをしようにも、送ったと思われる本人が行方不明となれば、尚の事都合がいいと感じないか?』

彼女が本当に言いたい事は、
”誰も呼んでないと言うなら、なんで私たちが此処にいるんだ?”という明らかな矛盾である。
そしてこれは、シピウスが怒った事を代弁しつつ、暗に”帝国を舐めるなよ”と威圧している意味も含まれている。
127
そしてその意味は、レブルスにも嫌というほど理解できた。
心の焦りが表に出てくる。
リッケが自分を覗き込む瞳は獣のようであり、思考ごと飲み込まれていきそうな感覚があった。
本物の将とは、 【爪痕を敵の心に刻むものだ】と聞いた事がある。
ある程度は承知ではあったが、百聞は一見に如かずとは正にこの事だと実感できた。
とはいえ自分がここでしなくてはいけな事は、徹底的にシラを切り通す事である
彼は声の上擦りを防ぐため、気づかれまいと唾を飲み込んでから口を開いた。
128
レブルス
『私が知る限り、マルカルス兵はフォースウォーンとの戦いの際、一兵卒も城門の外へは出ていないはずです』

リッケ
『何故そう言い切れる?』

幸いにも、帝国軍が決定的な証拠を持ち合わせていない事が確認できた。
”強気に出ろ”そう自分に言い聞かせる。
129
レブルス
『戦闘の後、現場で戦っていたマルカルス兵から、直接得た情報ですので。
何度も言うようですが、シルバー・ブラッド家は、フォースウォーンとの戦いの際、イグマンド首長には一切手を貸していません。
戦いがほぼを終わりを見せてから、我々の所に要請が来たのです。
私共シルバー・ブラッド家が知っている事は、戦闘以後の事であり、戦闘以前や最中に関しては答えようが無いという事です』
129-1
レブルスの抗弁はさらに過熱する。

レブルス
『そして我々シルバー・ブラッド家は、マルカルスにおける名士ではありますが、決してイグマンド首長との確執があった訳ではありません。
我々は常に、街の事を第一に考えています。
だからこそ信用があり、多くの住民達から支持を得ていられるのです。
ソーナー様が、帝国軍を支援しているのも、マルカルスという街を考えての事。
イグマンド首長の身に何があったにせよ、彼がこの街を投げ捨てたのは事実です』
130
リッケはレブルスの語りに、一切水を差さなかった。

レブルス
『しかしソーナー様が、この街を今現在統括されていますが、混乱一つ起きておりません。
私が知る限りでは、一度(ひとたび)戦が起きれば、力のない良民達は第一の被害者になります。
この街の統括を受け入れた以上、シルバー・ブラッド家はその責務を全うしなくてはいけません。
今回のフォースウォーンの襲撃が、イグマンド殿が招いた事なのかは不明であっても、最も大変な後始末を投げ捨てたのは明白なハズ!
我々がどの様に疑われようと、この事実は覆りませんっ!!』

レブルスは、心内に燻(くすぶ)っているモノを吐き出すかのように言い切った。
シルバー・ブラッド家によるクーデターなど無い。
職務を放棄したイグマンドこそ、戦犯に問われるべきである
と言わんばかりに熱弁を振るった。
131
リッケ
『そなたは、イグマンドより、ソーナーこそ、この街の首長に相応しいと言いたげだな・・・?』

それを聞いた時レブルスは、一瞬背筋が凍り、思わず奥歯を強く噛みしめた。
”しまったっ!ミス待ちしていたのかっ!?”
132
実際、シルバー・ブラッド家というのは、帝国軍内部においても謎の多い一族ではあった。
シドナ鉱山で採掘される”銀”によって成り上がり、帝国だけではなく、サルモールに至るまで広い人脈を持ってはいるが、把握すらできていない組織とも繋がりがあるとか・・・
黒い噂も絶えない分、彼らを支持する者が多いのも事実である。
寧ろそんな一族が、マルカルスを支配していない事自体がおかしいと言わんばかりに。
実兄である”ソーンヴァー”でさえも行方不明扱いにする事に、何かの不気味ささえ感じ得なかった。
133
レブルス
『それは・・・私個人としての見解ですので・・・』

彼は気まずそうに口にした。

しかしリッケは、仮にこの不可解と思われる出来事を不問にしたとしても、帝国軍としての権威(プライド)だけは守り通さねばならないと考えていた。
134
なのでこれ以上の問答は、お互いの為にならないと考え、早々に切り上げ、椅子に腰かけてから話を進める事にした。

リッケ
『マルカルスには、いつ入れる?』
134-1
この言葉に、レブルスは落ち着きを取り戻した。
だが”ため息”だけは絶対しなかった。

レブルス
『現在マルカルス内にて、積み上げた土嚢を取り除く作業をしております。
早ければ今日の夕方頃には、町の北側よりアンダーストーン砦へご案内できるかと・・・』
135
しかしそれでも”楔(くさび)だけは打つ”

リッケ
『よし、ならば水が引き次第、こちらも入城するとしよう。
しかしそれがわかるよう、お前達も外に出て来て、我々を出迎えて欲しい』
136
レブルス
『わ、私達と申しますと?』
137
リッケ
『ソーナー以下、重臣達全員だっ!』

リッケは睨むような目つきで、ぶっきらぼうに答えた。
要するに”臣下の礼をとれ”と言っているのである。
マルカルスにて権威を振るっているシルバー・ブラッド家と言っても、それは帝国が着いてくれているからだという事を暗に示したかったのだ。






138
レブルスは、 ”やはりそうきたか”と胸中を抓(つね)る思いだったが、それでも今後の事を考えれば選択肢は無い事も分かっていた。
だが当初の目的通り、鉱山目当てよりも、帝国の権威を守らせる事で好条件を引き出せた。
と同時にリッケという人物が、ノルドであっても中々の切れ者であり、要注意である事もわかった。
あとは残りの後始末だが、ソーナー本人の激怒は免れなかった。
139
ソーナー
『なにっ!!臣下の礼だと!?』

それも当然である。
ソーナーにとっては【シルバー・ブラッド故の帝国有き】が、プライドの一つだったからだ。
140
レブルス
『我が君、ここは辛抱する所です・・・』

ソーナー
『ぐぬぬ・・・ テュリウスの腰巾着に頭を下げろと言うのか ・・・』
141
レブルス
『我が君は、まだ正式な首長と認められた訳ではありません』

ソーナー
そんな事は百も承知だ!!
シルバー・ブラッドは、帝国を散々に支援してきたっ!
なのに!私を足元に据え置こうと言うのかっ!?

142
レブルス
『私はリッケ大将と、クーデターの話は一切していません。
疑っているような衒(てら)いはありましたが、彼らも我々との関係にヒビが入る事を最も恐れているようでした』

ソーナー
それがお前の言う、帝国が銀鉱山を手に入れるより、守りたいと言っていた事なのかっ!?

レブルス
『いいえそれだけではなく、それを含めた上での帝国としての権威を守る事ですっ!』

ソーナーは気難しい表情を浮かべながら、暫く黙り込んだ。
そして言葉をゆっくりと吐く・・・
143
ソーナー
”帝国有き故のシルバー・ブラッド”を示したい訳だな・・・

ようやく彼が、プライドの枷(かせ)を一つ外したようだった。
144
レブルス
『リッケ大将は、証拠を一つも持ち合わせていないと、私に直接話しました』

ソーナー
『それは、 ”今は持っていない”という事だろう?』
145
レブルスは表情を急に強張らせる。

レブルス
『我が君。
今の帝国軍にとって最も重要なのは、シルバー・ブラッド家のクーデターを糾弾する事ではありません!
スカイリムの独立を阻止し、ウルフリックの反乱を鎮圧する事ですっ!

ソーナーは再び口を閉ざした。
146
レブルス
『テュリウスが、我々との繋がりを持っているのは、自分達だけでリーチを治める事は、難しいと考えているからですっ!
なぜなら彼は、スカイリムにとって外国人であり、現地の人間では無いからですっ!
その為の多少のリスクも承知のはずっ!』
147
ソーナー
テュリウスが、我々のクーデターを不問にすると?
148
レブルス
不問にするのではなく、おそらく帝国全体の事を考え、揉み消しを図るでしょう。
それだけではありません、我が君がこの街の首長となる方向性だけでも決まれば、
イグマンド達は、”職務放棄”他多数の”犯罪人”として、帝国軍が処罰してくれます!

流石にこれには、ソーナーも驚きを隠せなかった。
149
レブルス
『なので今回はプライドを捨て、この”臣下の礼”を一つ守れば、シドナ鉱山の利権を奪われる事も無いはずです』
150
”やはりこの男はデキル。自分には無い物を持っている”
ソーナーは単純にそう感じ、奇妙にも身震いさえした。
時にハラハラさせる所もあるが、自分の右腕としては申し分のない人材だと感心した。
151
元々彼は商人である。
”益”こそが、彼を説得する唯一の方法だとレブルスは心得ていた。
同じ数字を扱っていた彼にとっても、一番に理解できる事でもあった。
152
ソーナーは不愉快な気持ちはあったが、レブルスの説得もあり、演技を続ける事にした。
152-1
街中の水を引かせた後、彼は城門前に立ち、 ”臣下の礼”を取ってリッケ率いる帝国軍を迎え入れた。
153
リッケはソーナー以下重臣達を含め、今後のマルカルスの方針を端的に話し合った。

リッケ
マルカルスは、帝国統治の元で治められる事で、商業、医療、工業などの産業支援を受け続ける事ができる。
ただし、軍による行動は制限され、本国(これはテュリウス将軍も含まれる)の命令が無い限り、勝手な行動は一切認められない!
マルカルスは帝国軍の一部として統合され、共にスカイリムの和平及び帝国法制度における順守に活用される物とする!

153-1
これはつまり、シルバー・ブラッド家がマルカルスを統治するのなら、彼らの持つ私兵も、帝国軍の兵士と見なされる事を指す。
そしてその”帝国軍兵士”によってマルカルスは守られる代わりに、現在遠征軍として、ソリチュードを拠点に活動している帝国軍を全面的に支援しなくてはいけない。
という事はソーナーは、帝国軍に対して”銀”の供給を止めてはならない という事になる。

リッケはこの時、サルモール達も会談に臨ませた。
首長の交代に同意させ、なおかつマルカルスが帝国軍傘下に治まる事を”証人”として立ち合わせたのだ。
154
そしてリッケは、ホワイトランホールドに陣取るテュリウスに手紙を送った。
受け取ったテュリウスは、その内容にかなり驚いた。
154-1
将兵達の間では、しばしば不満の声が上がった。

”腹黒い事で有名なシルバー・ブラッド家を首長に据えるなど・・・”

”そのうち帝国を裏切るに違いない!”

”信用にならない・・・”

それでも現在の状況を考えれば、リッケは最善の方法を取ってくれたとテュリウスには思えた。

154-2
将兵達の意見も最もだが、今はホワイトランを奪還せねばならない。
その為には、マルカルスを敵に回すような事だけは控えねば・・・

今回は素直に受け入れる事で、目の前の問題に注視しようと判断した。
そしてソリチュードとロリクステッドの陣に手紙を送ったのである。
155
ソリチュードのエリシフには、マルカルス首長として”ソーナー・シルバー・ブラッド”を推挙する内容を。
そしてロリクステッドのバルグルーフには・・・
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ホワイトランホールドから西側一帯に、多数の捜索隊を差し向けるよう指示を出した。
目的は ”元マルカルス首長のイグマンド”、”元執政のラエレク”、”元従士のファリーン”
この三名の逮捕である
そしてこの逮捕には”生死を問わず”と付け加えた。
しかもこの内容は、ソリチュードに送った手紙にも書き加えられていたのである。
だがこの中には、カルセルモとアイカンターの二人は除外されていた。




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<備考>

◎アーンリーフ・アンド・サンズ貿易会社
初代の名前はアーンリーフであり、その息子がグンナールで、息子の嫁がリスベットです。
そしてイメドゥナインとコスナッチは、アーンリーフが存命からの従業員でした。
この事は、リスベットとイメドゥナインから直接聞く事ができます。

おそらく『アーンリーフ・アンド・サンズ』という店名は『アーンリーフとその息子達(子供達)』とでも解釈できると思われるので、
初代のアーンリーフは、血筋よりも家族の輪を大切にした人物だったのかもしれません。
ゲーム内では、リスベットはグンナールといつ結婚したのかはわかっていません。
スカイリムの始まりは【E4 201(第四紀の201年)】となっているので、その五年前にグンナールがフォースウォーンの襲撃で命を落としています。

SOSではアーンリーフ・アンド・サンス貿易会社の起源について、いつ発足されたのかまでは書きませんでした。
そのうえでワザと”マルカルス事件”を跨がせています。
実際のマルカルス事件は176年に起きているようで、帝国対アルドメリによる大戦終結の翌年という形になります。
なので、SOSにおけるアーンリーフ・アンド・サンズ貿易会社は、20年以上続いている老舗という形にしてあります。
ただし、シルバーブラッド家による買収話があったかどうかは分かりません。

マルグレッドと言う人物の日記には、ソーナーはマルカルスのあちこちで地上げをし、土地を買い漁っていた。
とあるので、アーンリーフ・アンド・サンズもその対象であった可能性はあると思われます。
という所からストーリーに仕立てました。


◎シルバー・ブラット家のバナー

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このバナーは、著者のオリジナルですw
銀のインゴットに血が注がれているというイメージです。
マルカルスには血と銀が流れているを比喩しましたw


◎イメドゥナインとコスナッチ
彼ら二人は従兄弟同士だというのは、イメドゥナインから聞く事ができます。
二人ともブレトンですが、二人でのイベントは見当たりません。
共に同種族のブレトンではあるのですが、ゲーム内でイメドゥナインは店で雑務を担当し、コスナッチは宿屋シルバー・ブラッドで酒ばっかり飲んでますw
SOSでは”互いにブレトンという種族でありながら、ノルドの影響が強いらしく、消耗する事に必死だったようである。”と表現してみました。
ちなみにコスナッチは、プレイヤーとの殴り合いのイベントがあり、これに勝利するとフォロワーになってくれます。

”ブレトン”という種族は”人間”と”エルフ”の混血種であり、ハイロックに住みついたネディック(人間種)が、エルフに支配されていた時代に誕生したとされています。
当時は”マンマー”と呼ばれていたらしく、マンは人間、マーはエルフなのでそのマンマーでしょうw
オマンマではないのだ(´・ω・`)あふぅ?
彼らの特徴は、人間種でありながら魔法も使えるバイリンガル的な要素を持ち、情熱的であり知的であり気高く独創的であるとされています。
そんな彼らだからこそ、プライドも高いはずなのですが・・・
彼ら二人は完全に落ち目といった存在にしか見えませんw
ブレトンと言えば、フォースウォーンもブレトンを主軸として構成されていますが、二人は彼らとの関りは無いようです。

因みにSOS主人公のナディアも、何を隠そうブレトン種ですw


◎シルバー・ブラッド家の傭兵団の起源
シルバー・ブラッド家の傘下に入った、アーン・リーフ・アンドサンズでの仕事の為に傭兵団が発足されたという話は、架空ですw


Particle Field
ライアーの隠居所にて毒ガスのイメージを、こちらのフォグを使わせていただきました^^
綺麗なSSを撮影するには持ってこいのMODで、ナディアも以前個人撮影で使わせてもらった事があります^^
フォグ以外にも、羽とか花びらとか泡とかが、自分の周りを飛び回ったりします
すばらしいMODですね^^ノ


◎ファルメル(ファルマー)
タムリエル大陸を元々支配していたのは、ハイエルフ種族だったそうです。
彼らから派生した種族が多数おり、実はファルメルもその一つです。
彼らは元々スカイリムに定住していた、スノーエルフと呼ばれる種族だったのですが、アトモーラ大陸から人間種(イスグラモル)が入り込んできたおかげで住処を失い、
嘗てのドゥーマー(ドワーフ)を頼る事で地下に潜ります。
しかしそのドワーフに騙され、毒キノコを食べされたおかげで視力を失い、完全に奴隷扱いされ、ドゥーマーが姿を消した後も、何世代にも渡って地下に住み続ける事によって、
現在の醜悪な姿に変化してしまったという、悲しい過去を持つ種族でもあります。
そして、だからなのですが、ドゥーマーの遺跡の傍には彼らが多数蔓延っている事が多々あります。


◎クリフサイドとライアーの隠居所
二つのロケーションは、実際のスカイリムでも地図上ではほぼ密接しています。
ライアーの隠居所は、ブロークンタワー要塞からクリフサイドに向かう途中にあるのですが、個人的に意外と気付き難いと感じました。
またこの場所は、元々山賊達が占拠していたのですが、ファルメル達が地上に出るために穴を掘っており、彼らと戦った為に全滅させられたというエピソードになっています。
そしてプレイヤーがこの場所を訪れると、すでに事が終わっているのですが、たまたま外に出っ張っていた山賊達が帰って来て、戦闘になるイベント付きです。
今回はこの辺をチョコチョコ変えて、新米の傭兵団を抱えたコスナッチが、マルカルスに戻れないから、中継点として予定していたライアーの隠居所を訪れたのだが、
カルセルモとアイカンターの二人が迷い込んでいた所に鉢合わせ、その上ファルメル達が襲って来た。
そのファルメル達が壁の穴を掘っていた音が、たまたま地上にいたマリアの耳に入ったという設定にしてみました。
因みに本編では『ナミラの祠』は出てきませんw


◎リッケの警戒
リッケがサルヴィウス農園に向かう際に、兵を少数編成させた理由は・・・
①使える土地の狭さ。
②フォースウォーンの奇襲への対処。
③マルカルスの首長が誰になったのか?という警戒から。
と書きました。

使える土地が狭いのは、事前に偵察隊の報告によるものです。

フォースウォーンの奇襲は、ネズミの巣からの襲撃があった場合、道幅が限られている場所で、多数兵による戦闘は不利になり易いです。
また少数で戦いになったとしても、援軍があれば逆に奇襲になります。
そして、すぐに逃げられるようにするという意味もあります。

マルカルスの首長については、リッケはこの時点ではまだ兄であるソーンヴァーが、クーデター?か何かの首謀者と考えてます。(SOS第十三話EP3後編)
そうなると、ホワイトランにいるはずのポエットが関わっているのでは?という疑いが浮上してきます。
もしこれが当たりなら、即座に戦闘態勢に切り替えなければいけないからです。
その為の少数兵であり、そして偵察という意味も含めてあります。


◎モラグバルとナミラ
共にデイドラの王子です。

●モラグバル
支配・使役・冒涜・不和を司るデイドラロード。
元々はデイドロスという、ワニを二足歩行させたようなデイドラだったが、デイドラロードに伸し上がった。
以前、タムリエルに吸血症をもたらしたデイドラロードと書いたのですが、どうやら彼が直接広めた訳ではないようです。
この病の発端は、ラマエ・ベオルファグという一人の女性が関わってきます。
モラグバルは、彼女を散々に冒涜した事により、彼女の負の部分が増大し、それが元で吸血症が広まったというお話しです。
これはスカイリム内の【オプスカルス・ラマエ・バル】という書籍で確認できます。

●ナミラ
古代の闇を司るデイドラ、または霊魂のデイドラとも呼ばれ、あらゆる悪霊や邪霊を統べている。
蜘蛛、昆虫、ナメクジなどの人間が本能的に嫌悪する薄金悪い生物と関りがある。
『廃滅の女公』とも呼ばれている。
今作スカイリムでは、最も弾けているクエストを持つデイドラとも呼ばれていたりします。
内容に関しては、敢えて言及しませんが・・・
ナミラに関しての書籍は少なく、有名な一冊は『物乞い王子』です。
デイドラロードの中では、大人しい部類に入るかと思われてもいるようです。

ちなみにSOS十一話EP2の、ロザリーがナディアを助けた時のお話しに使ったロケーションは、『Beyond Reach』というクエストMODを使用しています。
このMODにはナミラが密接に関係してくる内容であり、彼女が支配する領域『スカトリングヴォイド』に足を踏み入れる事ができます。



◎ストゥーン渓谷
ストゥーン渓谷は実際のゲーム上のスカイリムには存在していません。
クエストMOD『Vigilant』にて登場する架空のロケーションです。
ゲーム上には『番人の間』と呼ばれるロケーションがあり、DLCであるDawnguardを導入する事によって、吸血鬼達に襲われたという設定になります。
今回は、筆者がVigilantをプレイしていた事と、ステンダールの拠点が印象的に良かった点で使わせてもらいました^^
非常に人気があるMODですのでお勧めですw

また”ストゥーン”とはステンダールの昔の名前だそうです。
なので九大神の一人である【ステンダール】の事を指します。
因みに前話である【第十四話EP2後編】に登場した、ファルクリース首長のデンジャールは、正式には”ストゥーンのデンジェール”という二つ名となっています。
彼との会話で『ファルクリースはステンダールに守られるだろう』と語る場面がありますが、どうやら彼はステンダールの信者のようです。
彼の親族が吸血鬼になっていたりと、奇妙な繋がりがあるようなので、この点は間違いがないと思われます。
最もステンダールの番人とは、関りがあるのかどうなのかは不明です。


◎ステンダールの番人
オブリビオンクライシスを起源として組織された集団。
主にデイドラ及びその崇拝者、または人外の者を排除・殲滅を目的としている。


◎イグマンドとラエレク、そしてファリーンとカルセルモ
イグマンドとラエレクは伯父、甥という関係で家族ですが、ファリーンは血筋が違います。
ソーナーが、イグマンドとラエレクの命を狙うのは、自分が正式に首長の座につくためという野心があるからなのですが、何故かファリーンだけターゲットに入ってません。
それはファリーンがカルセルモに見初められたからです。
彼女を亡き者にされたら、カルセルモの怒りを買い、マルカルスから出ていく、あるいは復讐しに来るなどの、デメリットの可能性がある為にリストに入れてませんでした。
カルセルモと言う人はマルカルスだけでなく、タムリエル全土における貴重な財産、人間国宝級の人物とSOSでは考えているので、主要人物からは基本的にターゲット外という事にしています。
寧ろ重宝した方が、自分にも利益があると考えられるからです。
ファリーンはその保護があるおかげで、今はリストに入っていないという事です。
これがもし、イグマンドと血筋が繋がっていたとしたら、状況はまた複雑になっていたかもしれませんw
ただし物語上では、ソーナーはこの全員を取り逃がしていますw
そしてこれは、マルカルスの裏の支配者らしい選択と表現しているつもりです。
というのも、帝国軍のテュリウスやリッケにとっては、カルセルモとファリーンの関係など問題に入っていません。
あるいは知らないのかも・・・?





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