Nadia's Skyrim

  -スカイリムRP妄想日記-
【スカイリム独立戦争編】

【ファルクリース】
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ファルクリースは、スカイリムの最南に位置する町である。
ホワイト峠を挟み、シロディールとスカイリムとの国境の町でもある為か、しばしば山賊や盗賊などのターゲットにされ、
更にはリーチ地方からリフト地方を跨ぐ為、帝国とストームクロークによる小競り合いが頻繁に行われていた。
当然ながら、無関係な人々の被害が多発していた場所でもある。
この歴史は何も内戦に限った事ではなく、ファルクリースは戦乱の歴史を何度も繰り返してきた場所でもある。
故にここには、スカイリムでも最大級の墓地群が密集している。
その殆どは、幼い子供達の墓で埋め尽くされていた。
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普段は木々に囲まれた閑静な町ではあるが、主な産業は林業であり、大半の者はこれによって収支としている。
宿屋や鍛冶屋、それに雑貨店など、必要最低限の物は揃っているモノの、地域的な問題の為か旅人や行商達もあまり近寄ろうとはしない。
同じ国境の街でもあるリフテンとは、雲泥の差であり、今では忘れ去られたかのように、ひっそりとしていしまっていた。
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唯一の救いは、停戦協定の際、ナディアがドーンスターとファルクリースの交換を提示し、それを帝国側が飲んでくれた事だった。
おかげで帝国からの物資の流入は無くなってしまったものの、それを狙って集まってくる輩が極端に減ったのである。
そしてナディアが、反乱側に着いてくれた事が、周囲のならず者達の目を逸らしてくれる”見えない抑止力”になっていた。

それでも・・・人々の心が晴れるような事はなかった・・・



実はナディアは、ここで一つの事件を起こしていた。
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現在首長を務めているのは、”デンジェール”という高齢のノルドである。
彼は、ウルフリックの粗暴で野心的な面は嫌っていたが、彼のやっている事には理解を示してしてた。
反乱鎮圧の為に帝国軍がこの地に足を踏み入れると、デンジェールは即座に降伏してしまっていた。
自身の信仰や信念よりも、住民達の命を優先したと言われているが、帝国が彼を罠にハメたという噂もあった。
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代わりに椅子に座ったのが”シドゲイル”という男だった。
実は彼はデンジェールの甥っ子である。
移り気の多い性格で、酒と女を好み、町の金庫を私事によって平気で費やしてしまう放蕩者だった。
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故に民衆からは、あまりいい声は上がってこず、デンジェールの復帰を望む者が後を絶たなかった。
だが彼は帝国の目を気にし、自ら復帰する事を望まず、空しい隠遁生活を送っていたのだが・・・
100
そんな時、ナディア達が姿を現したのである。
シドゲイルは、彼女がドラゴンボーンだという事を知ると、すぐに抱き込みに掛かろうと計った。
【オーク達の襲撃に悩まされているから助けて欲しい】という、嘘の文面を送り付け、誘い出したのである。
101
ナディア達が首長の長屋に到着すると、そこにシドゲイルの姿は無く、代わりに”ネンヤ”というハイエルフの執政が対応した。
一緒に着いてきたリディアとイオナ、そしてジョディスは、その対応に一瞬カチンと来たのだが、ナディアが何も言わず依頼を受けたので、その時は我慢した。
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翌朝ナディア達は、オークが立て籠るというバイルガルチ鉱山に行き、山賊達の一掃を始めた。
バイルガルチに屯巣(たむろ)しているオークの数は、相当数おり、ナディア達4人に対して、向こうは数十人という激しい戦闘になった。
102-1
鬼のような形相と緑色の肌、厳しい戒律と肉体労働によって鍛えられた体。
ナディア達よりも、倍近くありそうな背丈の者ばかりで、オーク一人一人がかなりの強敵だった。
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戦いとは目線の高さが違うだけで、大きく変わってくる。
ホワイトランホールドでは、新進気鋭として名が売れていたにも関わらず、今まで経験した事のない相手に、流石の彼女達もかなり手こずった。
103-1
大概の者は負傷し、膝を着くと、力量の違いを知ってか、命乞いをしてくる。
だがオークは勇敢なのか、無謀なのかは分からないが、満身創痍でも弱音一つ吐かずに襲い掛かってくるのである。
104
オークという種族は ”マラキャス”というデイドラの王子を崇拝しており、マラキャスは愚かで、力のない者を嫌っていた。
それが為だったのかもしれない。
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普段なら最悪でも気絶程度で勘弁していたのだが、どうしても選択肢が無かった。
106
それでも山賊長の生け捕りに成功したのである。
彼の話を聞いた後、四人の心情は複雑になり、帰りの道すがらは、まともな会話一つ無く、決していい気分にはなれなかった。
108
バイルガルチ鉱山は、オーク達が好んで使う【オリハルコン】が大量に採れる。
オリハルコンで作った装身具の殆どは、大概は近くの町に卸すのだが、時にはフォースウォーンとの取引に使っていた。
彼らには、奇妙な呪術に長けたバグレイブンがいるため、主に薬品との取引に使っていたのである。
最初は必要最低限の取引だったのだが、ある時分から状況が一転した。
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”マルカルス事件”である。
この事件の後、チリジリになったフォースウォーン達は、リーチのあちこちに野営地を設けるようになった。
彼らはオーク達の力を最大限に利用し、次なる反撃に備えるようになっていったのである。
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この概要はこうである。
マルカルスにスパイとして潜り込ませたネポスが、シルバー・ブラッド家の銀を横領し、この銀を各地のフォースウォーンが手にする。
彼らは、その銀を利用しオーク達と取引をしていたのである。
オーク達はその銀を使い、物資を調達していたのだ。
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この件に関しては、リーチ、ホワイトランそしてファルクリース各地の首長達も、オーク達の不穏な動きを耳にはしていた。、
しかし既にウルフリックが、帝国に対し反旗を翻していた為、そこまで手が回らないというのが彼らの言い分になっていた。
おかげでフォースウォーン達は野放し状態だったため、反撃の力をドンドン増していったのである。
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それというのも、バイルガルチという場所は、元来ホワイトランの領地に組み込まれていた。
これはホワイトランとリーチを行き来する為の”主要幹線道路の所有権”の問題が絡んでいる。
ここにファルクリースを加えると、道路が三つに分断されてしまうという懸念から、
代々のファルクリースの首長は、この問題に関わろうとしなかった。
しかもこの場所は、殆ど領地境に接している為、どの主要都市からも目が行き届かない。
なので、誰が所有しているのかという点においては、民衆の間で有耶無耶になっており、暗黙のデルタ扱いになっていた。
つまりは殆どグレーゾーンと言う訳である。
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シドゲイルはこの点に目を付けた。
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帝国がスカイリムに介入し、ファルクリースを帝国の傘下に収めてから後、シドゲイルは一通の手紙をソリチュードに送った。
”バイルガルチ鉱山をファルクリースの領地として認めてくれ”という内容である。
これが偶然の出来事だったのかはわからないが、この頃のテュリウスは、ホワイトランのバルグルーフをどう説き伏せるかで悩んでいた。
なので宙ぶらりん状態のバイルガルチは、すんなりファルクリースの領地として認められたのである。
バルグルーフを追い詰める材料になるからだ。
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シドゲイルは、バイルガルチ鉱山で働くオーク達の仕事を公的に認める代わりに、税金と称した高額な賄賂を要求したのである。
だが帝国の目が厳しくなってくると、オーク達も仕事がやり難くなり、シドゲイルに泣きついてきた。
何もないよりはという事で、初めのうちは彼も容認していたのだが、徐々に身入り少なくなってくると、その身可愛さで切る事にしたのである。
誰かに手を汚させ、適当な爵位を与えてやった方が、ずっと安く済んだからだ。
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フォースウォーンがリーチ地域で問題になっている事は、ナディアも知っていたのだが、何故シドゲイルがこんな悪どいマネをするのか?
その理由を問いただそうと、討伐から戻って来るなり首長の長屋を訪れた。
だが肝心のシドゲイルは、またも不在で、代わりに執政のネンヤが対応するというお粗末さだった。
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問い詰められたネンヤも『自分には何も言えない』の一点張りで、慌ててシドゲイルを探させた。
ほどなくして彼が姿を現す。
まだ昼間だというのに、顔を赤らめさせ、酒の臭いを漂わせ、明らかに酩酊していたのである。
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玉座に腰かけた彼は、ナディアに言う。

シドゲイル
『思った以上の戦果を挙げてくれたようだなぁ~
流石はドラゴンボ~ンだ^^
さっそくだが褒美を取らせよう~^^』

ナディア
『お前に聞きたい事があるのだ』

彼女は間髪入れず口にした。

シドゲイル
『首長を”お前”呼ばわりとはな・・・
まぁいい、今日はいい酒が飲めたからな。
二、三質問を許そう^^』

119
ナディア
『ファルクリースじゃ、昼間から酒を飲んで、仕事をサボっている人間なんて誰もいないのだ。
なのになんでお前は酔っぱらってるのだ?
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シドゲイル
『首長の権限というやつだ。
お前の気にすることじゃぁない』

121
ナディア
『スカルドだってそんな事しないのだっ!』

シドゲイル
『ふん、あんな妄想っ気の強い、死にぞこないのジジイと、一緒にして欲しくないものだなw』
122
カチンッ!ときたナディアは、右足で近くにあった小テーブルを思い切り蹴とばした。
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従士のヘルヴァルドを始め、数名の衛兵達がナディア達を取り囲むように剣を構え、空気が忽ち殺気を孕み、張り詰めた緊張感で埋め尽くされた。
リディアやイオナ、ジョディスも、ナディアを庇うように剣を構える。
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いきなりの出来事だったのでシドゲイルは驚いてしまい、酔いが一気に醒めてしまった。
こめかみに一筋の汗を垂らし、悔しさに気付かれまいと下からナディアを睨みつけた。
粗ぶる本心をひた隠そうと、必死に堪える。
125
シドゲイル
『はははは、おやおや、ドラゴンボーンというのは随分と粗暴な娘なんだなぁ?』

ナディア
『お前の事は全部、捕らえたオークに聞いた。
フォースウォーンがリーチで問題になっているのに、お前はそれに加担するような真似をしているらしいな?』

シドゲイル
『加担?言っている事の意味がわからんが・・・』
125-1
リディア
『バイルガルチは、元々ホワイトランの鉱山よっ!
なのに、あなたがそこから賄賂を掠め取っているって聞いたわ!?』

シドゲイル
『あぁ~そういう事か・・・
あの場所は、ソリチュードに直接掛け合って、正式にファルクリースの地域に認めてもらっている。
徴収しているのは、ファルクリースに住む住民からの正式な税金だ。
なので賄賂などではない』
125-2
イオナ
『その住民達が、フォースウォーンと取引をしているそうじゃない!?』

シドゲイル
『なるほど、それで”加担している”という訳か。
残念ながらそれは初耳だ。
仮にそれが本当だとしても、私が彼らから税金を取っているならば、それはそれでフォースウォーンの力を削いでいる事にはならないかな?』
125-3
ナディア
『お前から貰った手紙には、”町がオークに襲われている”と書いてあったのだ。
だがオーク達は、一度も襲撃をしたことが無いと言っているのだ』

シドゲイル
『町で問題が起これば、首長はそれに対処せねばなるまい。
今回は住民からの訴えがあったからなのだが・・・我々の手には余ると判断したために、有名な英雄に手を貸してもらおうと思っただけだよ。
それに、”薄汚いオーク”の話など、まともに耳を貸さぬ事だ。
ろくな結果にはならんぞ

125-4

リディア
『ナディア、帰りましょっ!!
これ以上話をしても、胸糞悪いだけよっ!』

シドゲイルの態度に呆れたリディアが声を掛ける。

ナディア
『こいつはナディアの最初の質問に答えてないのだ』
125-5
ヘルヴァルド
『貴様!!無礼だぞっ!!下がれっ!!』

従士のヘルヴァルドが、武器を突きつけ怒鳴る。
だがナディアはピクリともせず、冷たい視線を動かしただけだった。
125-6
シドゲイル
『だ、だから、それは首長の権限だと言っただろう?
お前の気にする事ではない』

シドゲイルはナディアの冷たい威圧を感じてが、少々言葉に焦りが出てしまった。
125-7
ナディア
『スカルドは、”王が国の金庫を好きなだけ使ったら国が崩壊する”と言っていたのだ。
何故なら、”国は民を以て元を成す”からなのだ。
お前の放蕩ぶりを見ると、ファルクリースの良民を食い物にしているようにしか見えないのだ!
126
シドゲイル
『ひ、人聞きの悪い事を言わないでほしいモノだな。
まるで私が、良民達の税金を横領しているとでも言いたげな・・・』

彼は喉に詰まった唾を飲み込んだ。

シドゲイル
『いったい何の証拠があって、そんな事を言うのかね?』
127
ナディア
『お前を始末してしまえば、簡単に答えが出るのだ』

ナディアの目から殺気が放たれる。
128
シドゲイル
『帝国を敵に回すような発言は、控えた方が身の為だぞ?』

シドゲイルは、自分が追い詰められている予感を感じた。
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周囲はそれとは別に、ピンッと空気が張り詰め、一触即発となる。
しばしの間、重苦しい沈黙が続いた。
130
ナディア
”熊の威を借る狐”とは、お前の事を言うのだ』

ヘルヴァルド
『おいっ!!いい加減にしろっ!!』

ヘルヴァルドの怒声など、ナディアの耳には全く届いていなかった。

131

ナディア
『帰るぞ』

そのまま長屋を出て行こうとした。
132
だが一連の出来事を見ていた衛兵達が、ナディアの進路を塞ぐ。

ファルクリース衛兵
『止まれっ!!お前は・・・』
133
ナディア
『ドケェ―――ッ!!!』

ナディアのシャウトまがいの怒声に、壁を作ったはずの衛兵達が吹飛ばされた。
真横で見ていた者も、あまりに一瞬の出来事で硬直してしまっていた。




135
この約2か月の後、停戦協定が結ばれた。
デンジェールが首長に復帰すると、シドゲイルは有無を言わさず牢に閉じ込められた。
住民たちは、ようやく安寧を手に入れる事ができたと喜んでいたのだが・・・
136
ただでさえ帝国に対する警戒心が強く、さらに甥の不始末が重なったせいか、デンジェールは心を病んでしまい、次第に被害妄想が強くなっていった。





【ホワイトウォッチ反乱軍の陣】

137
ホワイトラン攻城戦、前夜の事である。
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ジョディス
はぁ?・・・私にファルクリースの援軍に行ってくれって・・・どういう事よ?』
139
ポエット
『何か問題でもあるんですか?』

ポエットは不思議そうにジョディスを見つめる。
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ジョディス
『も、問題って・・・わ、私は、そり、ソリチュード出身よっ?
そりゃあ、ナディアと行った事はあるけど、あの辺について・・・私は疎いわ・・・
リディアやイオナならわかるけど、ファルクリースから一番遠い出身なのに、どうやって守れて言うのよ!?
それに首長のデンジェールは、頭がボケてるって有名だし、帝国に対して異常なほど警戒する男よ!
ソリチュードに居たって言うだけで・・・毛嫌いされるわ・・・』

ジョディスは明らかに挙動がおかしく、かなり焦り気味な口調だった。
141
ポエット
『テクラさんがいますから大丈夫ですよ^^』

ジョディス
『テクラって誰よ?』

ポエット
『デンジェール首長の新しい執政です^^』
142
ジョディスは額に汗しながら、不満げに明後日の方に視線を向けている。

リディア
『???・・・ジョディスぅ~何かあるのぉ?』

リディアも、嘗てのファルクリースでの出来事を知っていたのだが、彼女のそれは、”別の何か”を感じ取るに十分だった。
143
ジョディス
『べっ、別に何もないわよっ!!』
144
突発的に怒鳴る。
ポエットとリディアは顔を見合わせた。
145
ジョディス
『と、兎に角、私はファルクリースだけは嫌なのっ!!
あそこは、私の肌に合わないわっ!!』

駄々をこねるジョディスに、リディアは呆れ気味だった。
146
リディア
『首長が変わったんだから、前のファルクリースとは違うはずよ?
あなたがダメなら、作戦を練り直さないといけないわ。
でも、そうそう簡単には変えられないのよ。
ちゃんと理由を説明しないきゃダメじゃない?』
147
ジョディス
『私じゃなくて、カルダーじゃダメなの?』

ポエット
『あぁ~私の口から言うのもなんですが、カルダーさんだと多分、デンジェール首長とは馬が合わないと思って^^;
それに男性だから、女性の方が都合がいいと思うんですよね^^;』
148
ジョディス
『だったらリディアやイオナだって良いじゃないのよ!?
だいだい何で私なのよっ!?』
150
ポエット
ソリチュード出身だからです^^』

ポエットは満面の笑みで口にした。
151
リディア
-また始まったわ・・・-

ジョディス
『もおっ!意味分かんないっ!?』
152
ジョディスは都会育ちのせいか、普段から無駄な注文が多く、少々我ままなところがあった。
リディアは、ナディアに迷惑が掛からなければ程度で我慢していたが、イオナとはよく衝突していたのである。
最近は落ち着いてきていたと思っていたのだが・・・
153
リディア
『ソリチュード出身って、どういう事?』

ジョディスが問いただす前に、リディアが先に口にした。

ポエット
『ジョディスさんは、エリシフ首長に、直接ナディアの従者に任命されたんですよね?
となれば、帝国の事を知っているナディアの従者って事になります』
154
ジョディス
『まるで帝国のスパイみたいじゃない・・・』

ポエット
『でも、ナディアの名前がジョディスさんに着いている以上、デンジェール首長はナディアを優先せざる得ないはずです。
ナディアはファルクリースの従士にも任命されていますから^^
それに、今現在即座に対応できるのは、ホワイトランだけです。
首長がこれを拒否すれば、ファルクリースは誰も助けてくれません^^;』
155
リディア
『ちょっと足元見ている感じはするけど・・・
つまり、帝国の事を知っている人物が、ナディアの部下にいるって事は、それだけでファルクリースの強みになる訳ね・・・』

ポエット
『そういう事です^^』
156
リディア
『となると、ジョディスは適任って訳だw』

ジョディス
『だったらアルギスだって適任じゃない!!』
157
ポエット
『リーチ地方は・・・フォースウォーンなどの独自の文化が根付いている分、帝国とはあまり深い縁は無いかと・・・』

アルギスは、マルカルスでナディアの従者に任命された人物だった。
158
ジョディス
『うぐぐぐ・・・』

リディア
『さぁ、ジョディス。次はあなたの番よw』
160
ジョディスはサッと立ち上がると、外にいる兵士達に適当な指示を与えて追い払った。
160-1
するとテントの入口のシートを降ろし、外からの視界を完全に遮った。
”誰にも見聞きされたくない”という態度が顕著に表れていた。

そして二人の前で視線を逸らしながら、ややも落ち着かない様子で話始めた。




161
突然!
ポエットの叫び声が、テントの外に木霊する・・・
161-1
ジョディス
『シ―――――ッ!!!
ちょっ!ポエット!!声が大きいわよ!!』
162
リディア
『あぁ~・・・バイルガルチに向かう朝、妙に早起きしていたのは、そういう事だったのね・・・』

”こいつよく覚えてるな”とジョディスは心中で呟いた。

ジョディス
『だって!
知らなかったのよっ!!
まさかあいつが、その・・・”シドゲイル”だったなんて!!』
163
リディア
『あんた、名前も知らない相手とっ!!』
164
ジョディス
『その、気が合って、つい通飲しちゃって・・・
それに、まぁその、なかなかの男前だったし・・・』

リディア
『はぁ~・・・』

リディアは呆れてモノが言えなかった。
165
ジョディス
『だ、誰だってあるでしょ!?
一夜限りのアバンチュールってやつよ!!』

リディア
何が一夜限りよっ!!ちゃんと今になって・・・』
166
リディア
『まさか・・・あんた・・・』

リディアは気付いたように、ジョディスのお腹に視線が行った。
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ジョディス
『し、してないわよ!!あれから随分経ってるし!大丈夫よ!!』
168
リディア
『あ~もぉおおおお!!
信じられないわっ!!!』
169
この後、リディアとジョディスの不毛な言い争が、小一時間続く事になった。
170
彼女は、シドゲイルがデンジェールの甥だという事を後々になって知り、”恥ずかしくて行きたいくない”という事だった。
どのみち彼は、犯罪人としてウィンターホールドの北にある”悪寒”という氷の洞窟に護送され閉じ込められている。
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執政のネンヤは姿を消し、従士のヘルヴァルドもファルクリースを去っていた。
そして彼らに与した者達は、皆ファルクリースから姿を消し、町は元の静けさを取り戻していた。
172
なので”当時の関係者はいないはず”だとポエットは説き、なんとか彼女を向かわせる事ができたのだ。



しかし、ファルクリースに着いた途端にトラブルは発生した。
173
デンジェール
『100人じゃと!?
たった100人しかホワイトランは援軍を寄越せんのか!?』

ジョディス
『たったって・・・これでも精一杯の人数なのよ?』
174
デンジェール
『ふざけるなっ!!
ここは国境の町なんじゃぞ!!
すぐ目の前に帝国軍が迫って来ているのじゃ!!』

ジョディス
『えっ!?帝国軍が来ているの!?』

ジョディスは、自分もそんな話は聞いていたなかったので少々驚いた。
175
デンジェール
『うるさいっ!!
聞けばロリクステッドに駐留している帝国軍は、6000だと言うではないか!?
6000の帝国兵と、山越えしてきた帝国兵に、は、は、はぁ~挟み撃ちされたら、ファルクリースは終わりじゃっ!!』

デンジェールの猜疑心は更に過熱しており、有りもしない事をのべつ幕無しに並べ立てた。
言いたい事を言い切ったのか、彼は肩で息をしていた。
176
テクラが慌てて駆け寄る。

テクラ
『シロディールから帝国軍は来ていないわ、落ち着いてデンジェール・・・』

デンジェール
『バカもん!!これが落ち着いていられるかっ!!』
177
すると彼は、激しく咳払いを繰り返し、椅子に座りながら前のめりになってしまった。
テクラが彼に駆け寄り、背中をさする。
178
そして近くにいた侍者に連れられ、寝室へと姿を消して行った。
ジョディスは、一連の出来事に眉を顰めるしかなかった。
179
寝室に入るデンジェールを確認すると、テクラはおもむろに口を開いた。

テクラ
『ジョディスさん、これは本当にポエットさんの作戦なの?』

ジョディス
『ええ、そうよ』
180
テクラ
『これじゃあんまりだわ・・・
ウィンドヘルムでは領主制度を掲げ、ファルクリースの危機の時は、ホワイトランからの援軍を約束してくれたのよ!
ここには駐屯兵も少ないというのに、たった100人でどうやってこの町を守るつもりなのよ?』(第十一話EP3)

ジョディスにも、デンジェールやテクラの不安が、解らないわけでもなかった。
とはいえ、あまりにもいきなりの出来事だったので、少々面を喰らってしまった。
181
テクラと言う人は、元々デンジェールの侍女をしていた女性であり、身の回りの世話をしていた人物である。
甥が牢に繋がれ、他人を信用しなくなったデンジェールにとって、唯一心の拠り所にしていた人物でもあった。
とはいえ気弱な面は変っておらず、執政という職務に就けた時は内心喜んでいたモノの、思った以上の重責からか、彼女自身もプレッシャーに押し潰されそうだった。
ウィンドヘルムから派遣された護衛役のソリッグには、常駐の従士を兼任してもらっていたのだが、人手不足というのもファルクリースの問題の一つになっていた。
182
だが、”やっぱり無理でした”で済ます訳にもいかないのも事実である。
ジョディスは腹をくくると、おもむろに口を開いた。

ジョディス
『ポエットはちゃんと援軍を寄越したじゃない。
約束は破ってないわ』

テクラ
『でも、たった100人よっ!!』
183
ジョディスは、自分を落ち着かせるよう一呼吸置いた。

ジョディス
『ホワイトランじゃ、明らかに反乱軍の方が劣勢なのに、みんな勇敢に戦ってる。
なのにアンタ達は、姿も見せていない帝国に怯えてるなんて、どうかしてるんじゃないの?』

テクラは思い出したかのように悟り、思わず恥ずかしくなってしまった。
184
ジョディス
『私も含めて100人の兵士達は、死ぬ為にここに来たんじゃないわ』

極々”当たり前の事”を話す。
185
ジョディス
『私はソリチュード出身のナディアの従者よ。
だから帝国を知っている。
あなた達にとって、一番の武器になるはずよ』
186
テクラは一瞬驚いた顔を見せた。

ジョディス
『ポエットには、100人の兵を10000の兵にしろって頼まれてるわ』

彼女はワザと極端な数字を上げた。
187
ジョディス
『今まであの子の作戦が、外れた事は一度も無い。
ファルクリースを帝国に渡さないためにも、あなた達も手伝ってよ!
そうすれば帝国の手に落ちる事は無いはずよ!』

ジョディスの”一喝”に、テクラも少し勇気づけられた。
188
ポエットがジョディスをファルクリースに派遣したのには、ソリチュード出身という事と、もう一つ別の理由があった。
それは、”物事の要点”を掴む事に非常に長けていたからである。(第八話・第十一話EP1)
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デンジェールが疑心暗鬼に苛まれている事は、リディアやウィグナーからも聞いていた。
なので、彼よりも傍にいる”テクラ”が一番頼りになるだろうと踏んだ。
だが彼女が気弱な性格である事は、ウィンドヘルムでのやりとりでポエットも感づいていた。
なので、余計な事をグチグチと話すよりも、要点を話した方が動くと考えたのである。
189-1
お酒を飲むとだらしが無いが、ジョディスは見事テクラを説得する事ができた。






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<備考>

◎時間軸表

A

SOSでは、時間軸を行ったり来たりしているのですが、自分でもわかるように、こんな風に時間軸を作ったりしています。
その日、その時何が起こったのか?
ここにこんなお話しを入れると、時間的に無理があったり、どうも矛盾しているなぁ~・・・などなど・・・
なので一話一話が、だいたい同じ時間帯で別な場所という形で作られています。
一応考えてやっております^^;
複雑なお話しになってくると、書き手も大変なんですが、読み手の方はもっと意味がわからないんじゃないかと思いまして(; ^ω^)
今回は上記の赤枠の部分のお話になっております^^
ただ、最後のSSの所だけ、ネタバレ防止の為に書き込んでいませんw

◎ソーナーの焦り
ソーナーが、イグマンドとラエレクの首を取り損ねた事に対して焦っているのは、
この後に来るはずの帝国軍に、二人が死んだという”証拠”が無いと、
帝国軍は正式にソーナーを首長として認めてくれないかもしれないからです。

◎ソーンヴァー・シルバー・ブラッド
ゲーム内ではあまり目立った存在ではありませんが、イグマンドが首長をしている間は、
玉座の前の階段を降りた所にいつも立っており、彼はそこから殆ど動く事はありません。

内戦をストクロで終えた場合、彼が首長となります。
ソーンヴァーはシルバー・ブラッド家の長男であり、事実上のトップという設定ですが、嘗てはエルフとの大戦にも参戦しており、帝国軍人の一人でした。
彼の人柄については、アンダーストーン砦内で働く鍛冶屋のオーク、”モス・グロ・バゴル”から聞く事ができます。
因みにイグマンドの父であるホルフディルとは、旧知の仲という設定にさせました。

イグマンドの父(ホルフディル)
ホルフディルというキャラは、本編のスカイリムには登場しません。
イグマンドから、自分の父親の盾を探してくれという、クエストのみに名前が出てくるだけです。

SOSでは【Elder Scrolls Wiki】に書かれている【ホルフディルの歴史】を参考に創作しました。
なので、彼が死後に遺言を残したという件は創作しています。


彼の創作については、実は既に出来上がっているのですが、なにぶん本人が登場しないので現在どう掲載するか思案中です。
その内『SOS Character』にて載せていこうと思うのですが・・・どうしようかな(´Д`)

創作エピソードの中には、嘗てファリーンは孤児であり、彼女を拾って育てたのがホルフディルという設定にしています。

◎ドゥーマー・ヒュペリオン
今回は、ドゥーマーの研究者らしく『カルセルモが隠していた秘密兵器』という設定で使わせていただきました。

このMODはなかなかカッコイイです^^v
装備すると重量制限が増え、高いジャンプに素早い動き、蒸気をブシュブシュ言わせながら猛ダッシュできますw
戦闘はやや慣れが必要だと思いますが、なかなか楽しめるMODだと思います^^
Space Wiking Dwemer Exoskeleton

因みに由来や歴史については、MOD内で表示されるものを使わせてもらっています。
ヒュペリオンはオートマトンの原型であり、年代からいえばオートマトンよりも、さらに昔に作られた物と設定されています。

◎符呪
スカイリムにあるギミックの一つです。
使用には魂の入った魂石(こんせき)と解呪された能力が必要になります。
今回は『水中呼吸』という能力を兜に符呪させました。
この能力は実際にスカイリムにあります。

◎クヴァッチの英雄(Champion of Cyrodiil)
前作【Elder Scrolls Ⅳ Oblivion】におけるプレイヤーキャラクターの事です。

◎エイドラとデイドラについて・・・
TESシリーズには8or9のエイドラ神と、16のデイドラの王子が明らかになっています。

エイドラとは、所謂『創造神』と呼ばれている存在です。
タムリエルとは、二ルンと呼ばれる惑星にある大陸の一つです。
その二ルンを内包するのが、ムンダスと言う宇宙であり、これらを創造したのがエイドラと呼ばれる存在とされています。
彼らがタムリエルに干渉する事はあまり無いとされていますが、中にはよく干渉する者もいます。
またエイドラには『死』という概念があるのですが、定命の者の『死』とは意味が違うそうです。

デイドラとは神に近い存在と言われていますが、あまり良い印象の無い存在でもある為、
場合によっては『悪』の部類に入るのでは?という者もいます。
主にムンダスの創造に反対した者の事を言うそうですが、エイドラからデイドラに変わった者もいます。
デイドラは不死の存在です。
一度死んでも、オブリビオンで再び復活を遂げます。

今回は2人のエイドラと2人のデイドラの王子を簡単に説明をしていこうと思います。

●アカトッシュ(エイドラ)
時を司る竜神であり、九大神の長とされています。
彼はタムリエルに度々干渉しています。

マーティン・セプティムが、メイルーンズ・デイゴンをオブリビオンに送り返す時、彼はアカトッシュの力を借り、
自らが竜の姿となりデイゴンと戦いました。
最後は石像となり、デイドラの門を塞いだ人物です。
因みにスカイリムのラスボスである”邪竜アルドゥイン”は、アカトッシュが創造した最高傑作とされています。

●アーケイ(エイドラ)
生と死、輪廻を司る神であり、不自然な生き物にとって厄介な存在と位置付けられています。
今作スカイリムでも、死を司る行事、施設などにおいては必ずと言っていいほど、アーケイの司祭が登場します。
また墓がある町には、大抵アーケイの祭壇が設置されています。

●メイルーンズ・デイゴン(デイドラ)
破壊や変革を司るデイドラロード。
スカイリムの時代から遡る事、およそ200年前。
シロディールにて『深淵の暁』と呼ばれる教団が呼び寄せたデイドラ。
タムリエル侵攻好むデイドラの一人です。

●マラキャス(デイドラ)
オーク達が好んで信仰する神。
拒絶されし者、追放されし者の後見人でもある。
オークという種族は、その見た目から差別をする者もいる。
なので迫害の歴史を歩んできた種族でもある。
そういう種族の後見人というくらいなので、面倒見が非常に良い。

◎サルモールによる同種族の大虐殺
これについては、スカイリムの書籍『高まる脅威』に書かれています。
所謂エルフの純血種でない者や、サルモールに批判的なエルフ達を粛清したという事です。

◎バイルガルチ鉱山
バイルガルチ鉱山は、本編ではファルクリースに属しています。
SOSではこういう理由で、元々はホワイトランに属していたという事にしています。

◎シドゲイル
首長職に就いている者の中で、若い世代に入る首長。
伯父に当たるデンジェールの話では、町の金庫を平気で費やし、首長の座でさえ帝国に渡してしまう人物なんだそうです。
プレイヤーがドラゴンボーンだと判明すると、一通の手紙を送り付けてきて、ファルクリースでシドゲイルと話すとクエストが始まります。
実はゲーム内では、バイルガルチ鉱山ではなく、リバーウッド付近の『エンバーシャドー鉱山』が舞台となっています。
シドゲイルは、この鉱山に住みついている山賊と取引をし、小銭を稼いでいましたが、そろそろ縁を切りたいという事でプレイヤーに依頼してきます。
ここでの出来事を創作し、彼を帝国の犬らしく、嫌な奴的に描いてみました。
実際、彼のセリフを見ても、首長職の乱用が見られ、あまりいい印象のある首長とは言い難い存在だと思われます。

B

ちなみに今回彼が来ている服は、『Velvet Robes and Cloaks』というMODを使用させていただきました。
高級で王族って感じが出ていてNadiaは結構気にいってます^^

◎熊の威を借る狐
本来は”虎の威を借る狐”ですw
スカイリムには虎がいないので、ワザと文字りましたw
サーベルキャットがその部類に入るかどうかは、定かではありませんが・・・

◎ナディアとスカルド
ナディアとスカルドの関係については、『SOS Character』にて執筆済みです。
人間的には決して褒められるものではありませんが、35年間ドーンスターを仕切ってきたという経験を持っている人物です。
父親のいないナディアにとって、スカルドはそういう存在として近かったのかもしれません。
若輩者のシドゲイルに馬鹿にされたという事で、頭に来たという設定です。

◎悪寒(あっかん?)
ウィンターホールドで犯罪を犯し、牢に入れられると、町から北にある”悪寒”という氷の牢屋に閉じ込められます。
ここには人間の看守はいません。
代わりに”氷の精霊”が24時間体制で見張りをしています。
脱獄しようものなら、外にも複数の彼らが巡回しており、逃げるには相当な腕っぷしと脚力が必要になります。
さらに加えて、恐らく相当寒いと思われます。
スカイリムにおいて、最も厳しい監獄だと思われ、生きてるだけでも”ありがたい”と思える場所でしょう。
生きられるかどうかは保証できませんがw
良民を騙す政治家には、これくらいの罰を与えてもいいのかもしれませんw

◎ファルクリースとナディア
ファルクリースでの過去の出来事を元に、停戦協定での出来事も加えてあるので、デンジェールはナディアに恩義があります。
さらに、ナディア達はバイルガルチ鉱山の強力なオーク達を一掃しているので、彼女の影響は周囲の山賊達にまで及んでいます。
なので言ってしまえば、ナディアは首長のデンジェールよりも支持力が強く、ファルクリースはナディアに逆らえません。

◎帝国とソリチュード
ソリチュードはスカイリムの首都です。
第三紀のセプティム朝においては、セプティム家の直系の者がこの街の首長をやっていました。

例として、ペラギウス・セプティムやポテマなど・・・
なのでソリチュードという街自体は、帝国と深い縁を持っています。

◎オブリビオンSS
今回はtwitterにて色々とお世話になっている『naritete』さんから、SS撮影のご協力をしていただきました^^
【メイルーンズ・デイゴン】
【クヴァッチの英雄】
【マーティン・セプティム】
のSSを使わせていただいております^^
オブリビオンは過去作なのに、スカイリムに負けず劣らずの綺麗なSSを頂けて大変感謝です^^
nariteteさん、撮影にご協力いただき誠にありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いしま~す^^ノ




ポチットお願いしますm(_ _)m

大変長らくお待たせいたしました(; ・`д・´)
ようやくSOS第十四話EP2公開いたします!!
今回はアイディアに詰まってしまい、だいぶ悩みながらカキカキしておりました。
今まで月に一回は更新していたのですが、とうとう月を跨いでしまうという事態に・・・
申し訳ございませんm(_ _;)m

今回のお話しは、マルカルスでのその後の出来事を前編に、そして帝国軍対策の為に動いたジョディスを中心とした後編の前後編で構成されています。
マルカルスでの水攻めの後、シルバー・ブラッド家のクーデターはどうなったのか?
フォースウォーンは?
現首長のイグマンドの運命は?

そして、プレイヤーの従者になってくれる人物、『ジョディス』なのですが。
彼女はある事が切っ掛けでファルクリースに派遣されました。
ゲーム上での彼女は、言葉遣いがお嬢様のようだとか、ソリチュードで従者になる事から、やはり都会っ子のイメージが強く、
リディアに比べてあまり目立たず、不遇な従者とも言われているようです。
SOSでの彼女は、一味違った存在として描いてみました。
これには作者なりに理由があるのですが、それはまた後々という事で・・・

それでは、はじまり、はじまりぃ~(´・ω・`)


1
【カースワスティンにて・・・】

ファリーンはフョトラを見つけた後、ここで兵を割き、後始末を申し付けた。
残された彼らは、マルカルスの様子など知る由もなく、黙々と仕事を続けていた。
だがこの後、彼らは思いもよらない襲撃を受けていたのである。
2
地面を覆いつくすような巨大な影。
空から聞こえる轟音の様な羽ばたきと、雷のような嘶(いなな)き。
ドラゴンの炎の咆哮が、彼らを襲ったのである。
3
マルカルスは石の町と言われるだけあってか、家々が石でできている。
いままで街での被害は、皆無に等しかった。
そのせいもあり、ドラゴン対策というのは殆ど取られていない。
そしてドラゴンボーンが、”邪竜アルドゥイン”を退治した事から、ドラゴンの脅威など昔話になっていた。
慌てた彼らは、一目散に鉱山洞窟へと避難するしかなく、その場から一歩も動けなかった。
4
宵に差し掛かろうとした時。
奇妙な身形をした5人が、この村に足を踏み入れた。
5
ドゥーマーの鎧に身を包んだ彼らは、村の真ん中で佇んでいたドラゴンに、果敢にも立ち向かって行ったのである。
それに気づいたドラゴンも、慌てて両の翼を羽ばたかせる。
6
中空に逃げようとするが、一人の手に仕込まれた飛び出し矢が、大きな眼に突き刺さり、余計に混乱するハメになってしまった。
7
洞窟の入口から様子を伺っていたマルカルス兵達も加勢し、一斉にドラゴンに襲い掛かった。
パニックに陥りながらも、炎を吐き出し必死に抵抗するドラゴンを、下から弓矢で攻撃する。
矢は、ドラゴンの固い甲羅のような皮膚に当たる事はあっても、刺さる事はなかった。
8
それでも分の悪さに感づいてか、ドラゴンは一目散に西の空へと退散していった。
その場にいた誰もが、その様子を眺めていた。
マルカルス兵達は、一時はどうなるかと思ったほどだった。
しかし勇敢な5人のおかげで、何とか無事にやり過ごすことができたのである。

だがドゥーマーの鎧を着こんだ一人が、おもむろに兜を取った瞬間、兵士達は驚いた。
9
マルカルス兵士達
『しゅ、首長!?』

彼らが目にしたのは、こんな所にいるはずがないマルカルス首長である”イグマンド”その人だった。




10
マルカルスでは、フォースウォーンが撃退された事を見越して、シルバー・ブラッド家によるクーデターが成功していた。
ソーナーは傭兵達を動かし、アンダーストーン砦を占拠。
すぐさま玉座についた。
砦の外では、マルカルス兵達がフォースウォーンの二次攻撃に備えて、再び水を貯める作業を進めていた頃である。
11
隊長クラスの者が、何人か砦へと報告に戻ろうとした時、門の前には鋼鉄鎧を着こんだ傭兵達が立ち並び、彼らの侵入を防いだのである。
最初はどういう事なのかわからなかった。
傭兵達が手に武器を構え、続々と姿を現し彼らを包囲する。
12
イングバー
『アンダーストーン砦は、シルバー・ブラッドが占拠したっ!!
大人しく降伏すれば良し!
抵抗するようなら、お前たちを謀反人と見なし、
生涯太陽を拝めなくしてやるぞっ!!』
13
シルバー・ブラッド=シドナ鉱山。
イングバーの一括に驚いた彼らは、皆武器を床に降ろし、両手を上げて降伏した。
それというのも、さっきまで一緒に戦っていた仲間の兵士達までもが、傭兵達に紛れ、弓矢を片手に取り囲んでいたからである。
多勢に無勢。
彼らには選択肢が無かった。
14
一方、首長の座を奪った”ソーナー”は、傭兵達がイグマンドとラエレクを始末し損ねた事に腹を立てていた。

ソーナー
『探せ!!何が何でも見つけ出し、あの二人の首をここに持って来い!!』

ソーナーは吐き捨てるように、傭兵達に激を飛ばした。
15
ついさっきまで、フォースウォーンと戦っていたはずなのに、あの二人の姿が見当たらないというのは、”裏切り者がいる”のかもしれないとまで考え始めていた。
16
ソーナー
『さっきまで交戦していたと報告したのはお前だろ!?
いったいどういう事だ!?』

たまらずレブルスを問い詰めた。

レブルス
『情報が錯綜しているのかもしれません。
街中がこのような状態では、報告の後先が、入れ替わる事もあるものです』
17
ソーナー
『だがフォースウォーンは退いたはずだ!
それは確認したんだろう!?』

レブルス
『つい先ほどの報告では、”サルヴィウス農園”に集まっているという話に変わりました』

正しくは”サルヴィウス農園方面に向かったのを見た”だった。
18
ソーナー
『くぅ・・・』

レブルス
『状況が落ち着くまで、情報収集に目を向けましょう。
今焦ると、兵士達だけでなく、良民達にまで不確かな情報が伝わり兼ねません。
そうなったら街は、パニックに陥ってしまいます』
19
しかしレブルスはわかっていた。
ソーナーが玉座についた事で、例えイグマンドが戻ってきても、再びこの椅子に座れるハズもない事を。
なので、”裏切り者”の存在も大方の予想が付いた。






20
マルカルスでのフォースウォーンの襲撃の際、イグマンドはカルセルモの奇策のおかげで、何とかその難を跳ね除ける事ができた。
だがカルセルモの進言は、この後も続いていたのである。
21
ソーンヴァーは、弟の説得は無理だと判断すると、トレジャーハウスを後にし、アンダーストーン砦へと足を運んでいた。
しかし彼が会いに行った人物は、首長のイグマンドではなく、カルセルモだった。
22
ソーンヴァー・シルバー・ブラッドという男は、一族の頭首であり、そしてクーデターを起こしたソーナーの兄でもある。
だが彼は、嘗てマルカルスをフォースウォーンの支配から解放してくれたのは、帝国ではなく、ウルフリック・ストームクロークだと、強く主張していた。
なので傍から見れば、彼は反乱軍の一人として見られている。
だが帝国がシルバー・ブラッド家の支援を受けている以上、イグマンドもこれを強く言えず、彼もウルフリックを悪く言えない理由があった。
しかし、マルカルスにはサルモールの支部もある。
彼らの意見も無視できなかった為に、イグマンドは板挟み状態だった。
ソーンヴァーの存在は、微妙な均衡の中に立っている人物でもあった。
23
ソーンヴァーが、よくアンダーストーン砦へと足を運んでいたのは、イグマンドとの対話による説得を考えていたからだった。
なのでカルセルモとは、時々顔を合わせていたのである。
だが弟がクーデターを起こす事がわかった以上、自分が此処にいれば、対話での説得は難しくなり、
仮にクーデターが失敗したとしたら、シルバー・ブラッド家の権威が落ちてしまう恐れがある。
そうなると、今度は自分の命が危うくなる。
また、弟との亀裂ができた以上、その逆も然りという事である。
24
カルセルモが、ドゥーマーの研究を続けていられるのは、その費用をサルモールとマルカルスで負担してくれていたからだった。
イグマンド政権下では、ドゥーマー研究は街の為になると判断し、懐柔策を取ってくれていた。
だがシルバー・ブラッド家による政権下に代わると、状況が180度の転換する恐れがある。
ソーナーは他人を信用しない性格なので、無駄だと判断した以上、打ち切りを要求するかもしれない。
仮に資金を提供してくれても、今までは無かった制限が付け加えられる事になるかもしれない。
サルモールは容認してくれても、マルカルスは容認しないなどなど・・・
様々な不安要素が重なってくる事になる。25
もし全面的支援が容認されたら、【兵器開発】の四文字が、今まで以上に色濃くなる事は間違いないだろう。
ハイエルフの中でも、温厚な性格の持ち主であるカルセルモにとって、これほど悩ましい事はなかった。
26
ソーンヴァーは、カルセルモを動かす材料があった。
”イグマンドの命令で、ファリーンをカースワスティンに派遣した”という事実を、近くで見聞きしていたのである。
なのでカルセルモには、”ファリーン”を取るか、”ドゥーマー”を取るかで強く迫った。
お互いの利害は一致していた。
それでも彼は迷った。
だがそれを決定づけさせたのは、一緒に研究をしている甥の”アイカンター”の言葉だった。
27
アイカンター
『せっかく見つけた人との繋がりを捨ててしまうなんて、間違っていると思います。
マルカルスは、ドゥーマー研究には最適な場所なのはよくわかります。
ですが、まだまだ発見されていない場所も沢山あるはずです。
今はむしろ、ファリーンに目を向けるべきです!』
28
カルセルモは目を覚まし、一目散にイグマンドの元に駆けつけたのである。
だが彼にとっては、ファリーンの情報が重要だった。
もし情報が得られなければ、このまま自分達だけで街を出て、彼女を探そうと考えていた。
29
しかし、偶然にもイグマンドは自分を呼び止めた。(第十三話EP3)
30
そして、街の構造を利用した策を授けると、シルバー・ブラッド家の陰謀を伝えたのである。
それを聞いた二人は驚く。
ラエレクがカルセルモを問いただすと、彼は数回軽く頷いた。

イグマンド
『証拠はあるのかっ!?』
31
ソーンヴァー
『俺が教えた』

後ろからソーンヴァーが姿を現した。
32
イグマンド
『きっさまぁぁああ!!!』

イグマンドは、有無を言わずソーンヴァーに殴りかかった。
33
だが彼は、それを軽く避けると、鳩尾に膝蹴りを喰らわせた。
イグマンドは床に四つん這いになり、体が痺れて動けなくなってしまった。
34
ソーンヴァー
『落ち着けイグマンド!
これは弟の仕業で、オレは関係ない!』
35
ラエレク
『ならばお前も同罪だっ!!
我々に話すべき有事を隠ぺいしていたんだからなっ!!』

ソーンヴァー
『俺は今日のこの日まで、何も知らされていなかったんだよっ!!』

ラエレク
『そんな出任せが通用するモノかっ!!』

ソーンヴァー
『だったら今、何でお前らの前に俺がいるんだっ!?』
35-1
ラエレク
『お前はいつもワシらに批判的だったではないか!?』

ソーンヴァー
『当たり前だ!
ホルフディルは、息子が首長の座に着いた時には、タロス崇拝を推し進めるようにと遺言で残したはずだっ!!
聖堂をひた隠しにし、あそこだけはサルモールに潰されまいと守り抜いたのは、その為だろっ!!
なのにお前らと来たら、帝国に頭(こうべ)を垂れてばかりで、サルモールを追い出そうともしない!!』
36
イグマンド
『状況が状況だ・・・仕方がないだろう・・・』

ソーンヴァー
『言い訳をするなっ!!
この街のノルドは、ホルフディルの約束があったから、お前を首長として認めたんだ!
なのにお前は、自分の父親を裏切ったばかりか、良民さえも裏切り続けたんだ!!
おかげでこの街には、病原菌がウジャウジャ蔓延るようになった!!
中途半端な帝国と同じ事をしているから、周りも同じ事をし出したんだよ!!』

38
ラエレク
『あの時、我々には選択肢が少なかったのだ・・・
ホルフディルの死後、彼の名誉を汚さぬ為にも、何が何でもイグマンドを首長の座に着かせねばならなかった!
帝国につくか、反乱につくか迫られた時、ウルフリックに与すれば、イグマンドは首長から引きずり降ろされ、一族さえも危うくなると考えたのだ・・・』

ソーンヴァー
『それでも叔父か?
落ちぶれた自分を悔やんでいたホルフディルが、自分と同じことを繰り返しているアンタ達を見て、喜ぶと思うかっ!?』

ラエレクは口を閉ざしてしまう。
39
ソーンヴァー
『アンタたちは・・・楽な道を選んだだけだ・・・』

イグマンドとラエレクは恥ずかしくなり、何も言えなくなってしまった。
ソーンヴァーは、真のノルドして、ホルフディルの遺言を守り通したかっただけだった。
しばしの空虚な時が流れる。
40
カルセルモ
『お三方、色々とあるだろうが、そろそろ次に進まないか?』

カルセルモは、ファリーンが心配でヤキモキし始めた。
41
イグマンド
『あんたが俺たちに味方してくれるって言うなら、反撃のチャンスもあるはずだ』

ソーンヴァー
味方じゃない!
お前達は今でも、俺にとっては政敵だ。
だが、弟のやり方を知った以上、今は利害が一致しているだけだ』
42
ソーンヴァー自身も、実の弟のこと故、ハッキリとは認めたくなかった。
彼は視線を逸らし下を向く。

ソーンヴァー
『残念だが・・・反撃はもう遅い・・・』

ラエレク
『何故だ?』
43
ソーンヴァー
『ソーナーは手練れの傭兵どもを、数えきれない程抱え込んでる。
俺にも把握しきれないほどにな。
弟の話だと、もう既にそいつらが動いている』
44
イグマンド
『アンダーストーン砦にも兵士達はいる』

ソーンヴァー
『まさか兵士の買収話が、夢物語だとでも思っていたのか?』

ラエレク
『ほ、本当だったのか・・・』

ラエレクの表情は青ざめた。
46
アイカンター
『おそらくですが、アンダーストーン砦を一歩でも出たら、もう戻ってこれないと考えた方が良いと思います』

イグマンドとラエレクは、目を見開いて驚いた。
事態はそこまで悪化していたのかと・・・
47
ソーンヴァー
『カルセルモ・・・どうやって街の外に出るんだ?』

カルセルモ
『まずは、外のファースウォーンを片付けるために、水攻めを優先しないといけない。
それが終わった後、再び水を貯める必要がある。
そうすれば、街の内外問わず、出入りが不可能になるからな
48
ソーンヴァー
『それじゃ、俺達だって出られないだろう?』
49
カルセルモは、イグマンドとラエレクに、再び水を貯める仕事を兵士達に任せた後、”死者の間”に集まるよう指示を出した。
50
その間残った三人で、アンダーストーン砦内を横切り、研究所から”ある物”を死者の間に運び込んだのである。
ソーンヴァーには、マルカルス兵士の格好に変装させ手伝わせた。
この時はまだ、シルバー・ブラッドによる占拠は始まっていなかった。
51
”死者の間”とは、土地の者の遺体を安置する場所であり、スカイリムの主要都市ならば大抵は設置されている施設である。
本来ここには”アーケイの司祭”がいるはずなのだが、マルカルスでは、ある不幸が起きてしまった為に不在であった。
おかげでここは封鎖され、誰も入れないよう鍵が掛けられていた。
52
しかしここは、アンダーストーン砦と外を結ぶもう一つの抜け道になっており、ラエレクは管理者権限として、ここの鍵を所持していたのである。
53
五人は死者の間に集まると、用意されたドゥーマーの鎧一式に着替えた。
そして研究所から運び込んだ”ある物”とは・・・
54
カルセルモ
”ドゥーマー・ヒュペリオン”と呼ばれる”外骨格強化パーツ”だ』

ソーンヴァー
『が、がいこっかく?』
55
アイカンター
『鎧の外側にこのパーツを装着すると、身体能力を大幅に強化してくれる装置です。
どんなに重い物でも軽く持ち上げ、飛べば自分の頭の倍以上の高さを越えられ、走れば突風の様に走る事ができます』
56
イグマンド
『そ、そんな物があったのか!?』

ラエレク
『兵士に利用するにはピッタリそうだな・・・』

ラエレクは何気なく口にした。
57
カルセルモ
正にそれだ・・・
これは発掘当初に発見した代物なのだが、構造が単純な故に量産が可能になる。
こんなモノを兵器として利用されたら、大変な事になるだろう。
なので全てを封印する事にしたのだ』

イグマンドとラエレクは息を飲む。
58
アイカンター
『兜には”水中呼吸”の符呪をしておきました。
これで遺跡内を泳いで行けます』

ソーンヴァー
『遺跡内?』
59
死者の間から外に出ると、すぐ右手にドゥーマーの遺跡に通じる地下道があった。
ここは嘗て、マダナックがシドナ鉱山から脱走し、出てきた場所である。
つまりはこの地下道を通り、今度は逆にシドナ鉱山から脱出しようというのである。
60
しかしマルカルスは、フォースウォーンとの戦いで南側半分が水没していた。
おかげでシドナ鉱山も水没していたのだ。
その為の水中呼吸である。
61
五人は水中を泳ぎながら、ドゥーマーの遺跡を抜け、シドナ鉱山に到達した。
カルセルモの道案内があったればこそなのだが、わずか5分と掛からない内に、マスカルスの外に出ることができた。
62
マルカルスの外壁の隅で頭を出した5人は、外の様子を伺った後、外壁から溢れ出る水の勢いに乗って、そのままカース川の支流に流されつつも、街から脱出する事ができたのである。
63
そしてその足で、カースワスティンへと向かって行ったのだ。



再びカースワスティンにて・・・
64
マルカルス兵A
『首長が・・・何故ここに!?』

マルカルス兵B
『フォースウォーンが街に侵入したんですか?』

マルカルス兵C
『マルカルスは、どうなったんですっ!?』

兵士達がイグマンドを質問攻めする。
皆の心配事は、首長が此処にいる以上、街がどうこう言うよりも、自分達の家族が心配だった。
65
ラエレク
『みんな落ち着け!フォースウォーンは撃退した』

マルカルス兵A
『じゃぁ・・・なんでここに?』

マルカルス兵B
『俺達の・・・救援ですか?』

彼らは一様に、イグマンドの行動を不可解に感じていた。
ラエレクには、兵士達の気難しい感情が手に取る様にわかった。
66
イグマンド
『シルバー・ブラッド家によるクーデターが起きたのだ』
67
マルカルス兵士達
『えっ・・・』

本来なら、何故街を離れたのか?という責め苦が返って来るものだが・・・
彼らは互いに顔を見合わせるだけで、さほど驚く様子を見せなかった。
まるで事の次第を予期していたかのように・・・
68
その態度を目にしたイグマンドは、自分の不甲斐無さを更に実感する事になる。

イグマンド
-情けない・・・-

彼は肩を落とす。
ラエレクには、掛けてやる言葉が思いつかなかった。
69
カルセルモ
『ファリーンはどこに行ったか知らないか?』

沈黙を破る様にカルセルモが前に出てきた。
70
マルカルス兵士C
『隊長殿なら、ここの後始末を我々に任せて、先にマルカルスへ帰還されました』

カルセルモ
『なんだとっ!?』
71
カルセルモの脳裏に不安が過った。
”まさか、フォースウォーンに捕らえられたんじゃ?・・・いやあるいは、シルバー・ブラッド家に捕まったんじゃ・・・”

ラエレク
『ファリーンは従士だ。
そうそう捕まるようなタマではない』

カルセルモの態度を読み取ったのか、ラエレクが声を掛けた。
73
マルカルス兵士A
『そういえば、女の子を一人救出しました。
隊長が抱えて行きましたよ』

ラエレク
『子供か?』

マルカルス兵A
『はい』
74
カルセルモを初めとする一行は、マルカルスを出た後ドワーフ・ヒュペリオンを利用し、サルヴィウス農園手前の山を登り、そのまま山伝いを使ってここに辿り着いていた。
マルカルスから離れた所まで逃げると、フォースウォーンに出くわす可能性もあったが、シルバー・ブラッドの見張りもいる可能性があると考えた末である。
また、カース川を氾濫させた以上、いくら自分達が強化されていたとしても、自然の勢いに流されてしまう可能性もあった。
75
カースワスティンの兵士達には、街の水が溢れ出ているため、2、3日様子を見てから戻るよう言い伝え、
彼らは一旦、カース川沿いをマルカルス方向に戻ってみる事にした。
76
コルスケッガ―鉱山手前に差し掛かった時、彼らもここで落石があった事がわかった。
岩山を上り下を覗くと、マルカルス兵達の無残な遺体の数々と遭遇したのである。
イグマンドは息を飲んだ。

ラエレクは、遺体に刺さった矢の方向から、彼らが囲まれて殺された事がわかった。
しかし、ファリーンの姿はここには見当たらない。
77
ラエレク
『カルセルモ、ファリーンは恐らく生きておるぞ』

カルセルモ
『そう、思うのか・・・?』

空からは、まるでカルセルモの心内を表現するかのように、雪が降り注いできた。

78
ラエレク
『彼女はフォースウォーンに囲まれた後、子供を抱えて川に飛び込んだに違いない』

カルセルモ
『こんな高い所から落ちたというのかっ!?』

ラエレク
『ファリーンは元々孤児だった。
生きる為の術を心得ているはずだ』
79
ソーンヴァー
『だがこの辺りは、急流の滝が続く。
もし生きていても、無傷じゃ済まないだろうな・・・』

カルセルモ
『うぅ・・・』

せっかくラエレクが気を使ったのに、ソーンヴァーの心無い一言で、彼は下を向いて項垂れてしまった。
80
アイカンター
『ですがおじ上、この川はこの先、右に曲がっています。
水の流れは一見、一定に見えますが、勢いは垂直なはず。
恐らくどこかの浅瀬に乗り上げているんじゃないですか?』

カルセルモ
『そうだっ!!
右に曲がるというなら、向かって右側に流れ着いているはずだ!』

甥の言葉に励まされる。
82
ソーンヴァー
『だが、今日はもうやめた方が良い』

カルセルモ
『なんだとっ!?』
83
ソーンヴァー
『辺りが暗くなっているし、雪が降り始めた。
こんな視界の悪い中で足を踏み外したら、俺達が被害にあってしまう』

ラエレク
『悪いがワシも同じ考えだ。
街中に水を再び溜めた以上、ソーナーがいつまた決壊させるか予想がつかない。
それにもし、フォースウォーンが退却してくるようなら、もっと厄介な事になる』
84
カルセルモ
『こんな寒い中で、女性と子供を放置するつもりか?
怪我をしているかもしれんのだぞ!?』

ラエレク
『気持ちはわかるが、二次災害の危険性があるのだ』
85
カルセルモ
『同じ仲間であろう!?』

ソーンヴァー
『シドナ鉱山を抜けた時から、俺達もびしょ濡れ状態だ。
夜中になると温度がもっと下がる。
俺達に凍え死ねって言うのか?カルセルモ?』
86
カルセルモ
『なんと薄情な連中なのだっ!!
これだから人間は、”劣等種”と呼ばれるのだっ!!』

ソーンヴァー
『なんだとっ!?』

彼らの気持ちを他所に、カルセルモは悪態をつき始めた。
最も一番の原因は、ソーンヴァーの月並みな発言なのだが・・・
87
カルセルモ
『サルモールの方が数倍頼りになるぞっ!!』

ソーンヴァー
『こおぉのジジイぃ~勝手な事言いやがってっ!』
87-1
カルセルモ
『やかましい!若禿の青二才がっ!!』

ソーンヴァー
『んだっと!ロリコンじじいっ!!』
88
サルモールのハイエルフ達は、スカイリム中を巡回しつつも、自分達こそが唯一無二の存在と吹聴していた。
それ故にノルド達には、高慢ちきな性格と思われ、忌み嫌われている事は明白だった。
89
嘗てオブリビオンクライシスという事件が、シロディールを中心に帝国を脅かした事があった。
【深淵の暁】と呼ばれたカルト集団が、オブリビオンの門を開けてしまい、”メイルーンズ・デイゴン”というデイドラの王子を呼び出してしまったのである。
90
これをオブリビオンに送り返したのが、嘗てクヴァッチの英雄と呼ばれた者と、セプティム家の最後の皇帝である、マーティン・セプティムだった。
しかしこの出来事は、シロディールに留まらなかった。
91
ハイエルフが故郷としている、サマーセット島にも被害が及んでいたのである。
シロディールには、”クヴァッチの英雄”やマーティンがいたが、サマーセット島ではサルモール達がこの門を自分達で塞いでいた
人間種は英雄やエイドラ神を頼ったくせに、ハイエルフ達は自分達で始末をつけたので、人間は劣等種だと決めつけられてしまった。
だがサルモールは嘗て、同種族の大虐殺を行った経緯もある。
92
なのでカルセルモの様に、人間に対して理解を示す者がいるのも確かなのである。
最もこの因縁は、更に昔からある物でもあるのだが・・・
93
だがカルセルモは、一人でも探すと言い張った。
それが影響してか、イグマンドも自責の念から手伝うと言い始める始末だった。
止む無くアイカンターも同行する事になり、ラエレクはソーンヴァーと、山小屋で待機する事にしたのである。

後編に続く・・・




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115
ここに一枚の地図がある。
この地図は、タムリエルに於いて最大の貿易会社とされている東帝都社の【輸送航路図】である。
この地図には、それぞれの輸送船がどの航路を辿り、そして今どの辺りを走っているのかが、一目で解るよう書かれている。
なので、これが盗賊ギルドの手にあるという事は、途方もない財宝を探り当てた事に等しいと言えるのだ。
116
そしてナディア自身が、たった一人でこれを盗み出しギルドに持ち込んできた。(第十二話EP2)
この地図は、スカイリムでも限られた場所にしか存在してない。
それは、ソリチュードにおける東帝都社の巨大倉庫内である。
117
ポエットがナディアに与えた策は二つある。
その一つは、この巨大倉庫を”空”にしてくれという事である。
つまり彼女が狙っているのは、帝国軍の生命線でもある糧道を絶つ事で、退却に追い込もうという事なのだ。
そしてこれを達成すれば、彼らは否応なしに動きが取れなくなってしまう。
それも一ヶ月、二ヶ月程度の問題ではない、少なくとも一年以上は・・・
118
ブリニョルフ
『こんなの無理だ・・・』

カーリア
『無理ね・・・』

ナディア
無理なのだぁ~^^
119
ブリニョルフ
『なんでお前が言うんだよ!?』

ナディア
『あふっ!ごめんなさいなのだ><;』
120
カーリア
船の出入り用の正門が一つ、詰所の入口も一つ。
そこに到達するまでの桟橋には、何人もの警備兵がいて、詰所の前にも警備兵、桟橋の船の周りにも警備兵。
守りはガチガチ過ぎるほどね

121
ブリニョルフ
仮に中に入れたとしても、倉庫内の物資は、山ほどの量なんてもんじゃない。
運び出すのにも何か月も掛かっちまう。
燃やすな濡らすな殺すなだとぉ・・・
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \・・・・』

ブリニョルフは高らかに笑い出す。
123
ブリニョルフ
『針山から針を探すんじゃなくて、針山全部盗めなんて・・・最初から無理があるんだよっ!!

ナディア
『あふぅ~><;』

カーリア
『よしなさいよブリュ~(´д`)』
124
するとデルビンがハチミツ酒を以て姿を現した。

デルビン
『まぁ、そうカッカすんなよ。
もう一つの案に掛けようじゃねーか』

ブリニョルフは鼻息を漏らす。

デルビン
『今日戻ってくるはずだ、それから考えても遅くねーだろ』
125
ヴェックス
『噂をすればなんとやら・・・戻ってきたみたいだぜw』
126
盗賊ギルドは、常日頃から各町に一人二人の工作員を潜り込ませている。
ブリニョルフは、ナディアが来たその日から、ソリチュードに報せを送っておいた。

工作員の一人であるウッドエルフのニルインの話よると、やはり倉庫内の警備はかなり厳しく、
侵入するのも一苦労な上、中身を全て奪うというのは至難の業だという結論に至った。
となると、もう一つの案にかけるしかない。
127
テュリウス率いる帝国軍は、遠征に次ぐ遠征もあり、糧米の消費量が普段の数倍に跳ね上がっていた。
その為、倉庫内の物資が普段よりも少ない状態にある。
彼はその点を見越してシロディールに物資の発注をし、補給船の依頼をしておいたのだ。
そしてその船は、あと三日とかからない内にソリチュード港に入港する予定だった。
128
ポエットがナディアに与えたもう一つの策とは・・・この補給船ごと盗んでしまうと言う事である。
プランはこっちの方がずっと単純だった。
ソリチュード港に入ってしまう前に、補給船を奪ってしまい、これをそのままウィンドヘルム港に向かわせるのだ。
これはウィンドヘルムにおいても非常に有益な話でもある。(SOS第十一話EP3)
129
ニルインは、ついでに面白い話を持ってきた。
ヴィットリア・ヴィキが暗殺されたというのである。
覚えておられるだろうか?
ヴィットリアは東帝都社の重役であり、そして現皇帝の従妹である。
130
ソリチュードは今現在、その噂で持ちきりだった。
首長エリシフは、彼女の死を無暗に口外せぬよう厳格な態度で臨んだ。
だが”人の口に戸口は立てられない”とは言ったもので、噂は瞬く間に広がり、彼女もこれを止めようがなかった。
執政のファルク・ファイア・ビアードの助言により、隠ぺいするよりも寧ろ公開し、人々に喪に服すよう指示を出す事になった。

しかしこれは、これから大規模な仕事をしようとする盗賊ギルドにとって、非常に都合の良い話でもある。
喪に服す間、警備の目が緩む可能性が高いからだ。
131
だが反対に、悪い情報も掴んでいた。

実は、テュリウスがホワイトランに出兵した翌日に、ヴィットリアは殺された。
その日の晩餐に毒が盛られていたらしく、彼女は新郎の隣で倒れてしまった。
エリシフもその様子を見ていたので、その日のうちに早馬がシロディールに向かって行った。
そしてその翌日には、皇帝の耳に入っていたのである。
132
ヴィットリアは東帝都社の重役であり、スカイリムの貿易業を一手に担っていた。
彼女が倒れてしまうと、会社の事業が回らなくなり、手詰まりとなってしまう可能性がある。
当然ながらこれは、ヴィットリアが皇族という影響が非常に強い。
となると、代役を回さないといけなくなる。
133
なので、シロディールから船を出し、彼女の代役を乗せてこちらに向かって来ているというのである。
それぞれの船足を考えると、同船や並行して進むというのは考え難いが、真後ろにくっついてくる可能性はある。
しかも皇族の代役となると、一族の可能性が非常に高い。
となると、皇帝直属の警備兵である”ペニトゥス・オクラトス”が同船している可能性があるという事である。
134
ブリニョルフ
『うむぅ~』

ニルイン
『あくまで小耳に挟んだだけだから、裏が取れてない分、本当かどうかまではハッキリしていないんだ』
135
ブリニョルフ
『もしその話が本当なら、奪っただけじゃすまないぞ。
船足は小舟の方が速いんだ。
こっちがウィンドヘルムに向かう途中で追いつかれたら、厄介な事になる』

ヴェックス
『下手すりゃぺ二公と殺り合うってか?』
136
カーリア
『もし接触していたとしたら、かなり厄介ね・・・』
137
ブリニョルフ
『デルビン、何か方法はないか?』

デルビン
『下準備には時間が足りなさ過ぎる。
とはいえ、このままやれば、一か八かの賭けになるだろう。
こいつは掟を破ったとしても・・・難しい結果になっちまうな』
138
ナディア
『殺しはダメなのだ』

一瞬皆が押し黙りナディアに注目が集まる。
139
デルビン
でもよボス、補給船に乗っている警備だけでも厄介なのに、そのうえぺ二公まで一緒だと、一戦は避けられねーぜ
140
ナディア
要は船を近づけないようにすればいいのだ^^

ブリニョルフ
『なんかあるのか?』
141
その後ナディアは、カーリアを伴い二人でアジトを出ていった。
彼女の話よると、手伝ってくれそうな人物がいるとの話だったのだが・・・
デルビン程の人脈を持つ者でも、難しいと結論を出したにもかかわらず、ナディアにそんな仲間がいるとは、少し考え難かった。





142
東帝都社の運搬業務は、陸海問わず、下請け業者に任せる事が殆どだった。
なので帝国資本と言われてはいるが、輸送船一つにしても、本社が船を出すことは滅多にない。
143
シロディールには、カーヴェイン社という運送会社があった。
この会社は、カーヴェイン夫妻が経営する会社で、かつてはブルーマの女伯爵だったナリーナ・カーヴェインを始祖とする由緒正しい家柄の会社であった。
つまりは貴族階級の会社である。
しかし、オブリビオンの襲撃、エルフとの大戦のおかげで会社は危機状態に陥ったのだが、現在の頭首であるプラウティスによって何とか没落を免れていた。
144
彼は今回のソリチュード遠征に、かなりの意気込みを見せていた。
何故なら、皇帝の従妹であるヴィットリア・ヴィキとの目通りを許されたからだ。
しかも婚礼の儀式の後に何度も続く、晩餐に招待されていた。
もしこれが旨く行けば、没落ギリギリの一族に、再び花を咲かせることができる可能性が出てくるからだ。
145
だが船舶業に付き物と言えば、やはり海賊である。
スカイリム北海ゴースト・シーには、海賊の被害が有名であり、その護衛として戦士ギルドの者を雇う事が義務付けられていた。
東帝都社にも、護衛を専門とする組織はあるのだが、彼らを雇えるのは貴族階級でも、かなりの名が売れている者しか雇う事が許されていない。
146
止む終えずプラウティスは、地元の戦士ギルドから数人雇う事にした。
料金的に言えば、東帝都社の護衛を一人で三人は雇える程だった。

大概の船舶業者は、プラウティスほど多くのギルド員を雇ったりはしない。
何故なら、管理の行き届いているシロディールやサマーセット島、あるいは商いが盛んなカジートとの取引をメインにしているからだ。
それでも、最低二、三人は雇い入れる。

なのにプラウティスは、内戦真っただ中のスカイリムへ、重要な物資を輸送しなければいけない。
これくらいして当たり前だと考えていた。
147
だが妻のサロニアは、ぶつぶつと文句ばかりを呟いている。

サロニア
スカイリムのクズ!!

都会育ちの彼女にとって、わざわざ夫婦で田舎に出向く必要なんてあるのかと、もっぱら不満を漏らしていた。
それでも夫のプラウティスは、今回の仕事にすべてを掛けていた。
148
彼らは、ハイロックの北岸ノースポイントを通り過ぎようとしていた。
あと半分進めば、ついにスカイリム北海ゴースト・シーに入る事になる。
今日中には抜け出せる予定だった。
149
???
そこの船!止まれ!!

船の右舷から大きな声が耳に入ってきた。
乗組員が一斉に集まる。

”海賊か?”プラウティスに緊張感が走った。
150
帝国兵士
『我々は帝国軍である!船の責任者を出せ!!』

プラウティス
”帝国軍?なんで帝国軍がこんな所に?”
151
プラウティス
『私です!』

プラウティスは慌てて声を上げて答えた。
152
帝国兵
『ここはノースポイントの海域だ!お前たちはここを通り何処へ行くつもりだ!?』

どうやら彼らはハイロックに駐在する帝国兵達らしく、この辺りの海域を警備していたようだった。
しかし自分達の船が通り過ぎる話を、彼らは耳にしていなかったようである。
プラウティスは、心中穏やかでない彼らを宥(なだ)めるよう、船の上から大きな声で答えた。
153
プラウティス
『私共は、スカイリムのソリチュードに向かう補給船です!』

帝国兵達は怪訝そうな表情を浮かべる。

プラウティス
『シロディールからの渡航許可証も持っています!』

彼はこの船は全くの無害だと、必死に訴えた。
154
帝国兵達は小船を横付けすると、査察と確認の為に輸送船に乗り込んできた。
暫くの間、船上は騒然となる。
怪しい物など何も載せていないと自負していたものの、プラウティスの心中は穏やかとは言い難かった。
恐らくスカイリムの内戦の為に、警戒を強めているのだろうとは思っていたのだが。

帝国兵達は居住区から、船倉とあちこちと調べたが、特に問題ないと判断すると、そそくさと退散することにした。
去り際にプラウティスに声を掛ける。
155
帝国兵
輸送の邪魔をしてすまなかったな主よ。
最近は輸送船と号して、金を握らせ、密偵を潜り込ませるような輩もいるのでな。
お前たちも余計な物を積まぬようにした方が良い。
それにゴースト・シーに入れば、海賊がいるかもしれん、十分に気を付けてくれ

プラウティス
『はぁ・・・ワザワザありがとうございます^^;』
156
プラウティスは笑顔で挨拶をし、彼らを見送った。
本来の貴族階級なら、なにもこんな一兵卒程度にヘコヘコするような事は無いが、彼は根っからの商人気質でもあり、
こういう”奢(おご)らない形”が、没落を防いでいたと言っても過言ではなかった。
157
もっとも妻のサロニアは不満そうだったが。






帝国兵達の目的は、内戦における警戒ももちろんだったのだが、もう一つ別件で警戒している事があった。






158
それはこの後、この海域を通る、皇族専用の船の警備だった。


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<備考>

◎ストクロは【軍師】を知らない?
以前も書いた事があるのですが、ストームクローク軍における役職は伝統色が非常に強いです。(SOS第十一話EP3)
”氷血の士”や”雪の鎚”はては”骨砕き”など、およそ他種族には受け入れ難い?理解ができないモノが多数を占めています。
ただ首長や執政などの官職は存在しているようなので、今までの部族的な集団から正規の軍団に発展しようとしている過程なのかもしれません。

また反乱軍は、言ってしまえば寄せ集めの集団だとも書きました。(SOS第十一話EP3)
事実、彼らはウルフリックの心意気に付いてきた者達なので、基本的には元農民だとか炭坑夫などの一般職に就いていたが者が、多数を占めていたと思われます。
彼ら一人一人の”過去の学び舎”を考えると、高学歴者というのは氷山の一角程度と思われます。(スカイリムにおける社会構成的な意味で)
なので同じノルドでも、家庭が裕福だったおかげで学習する事ができた者と、そうでない者、または貧乏であっても学ぶ事に貧欲だった者と、様々にいるとは思います。
ですがその殆どは、格差のおかげで、まともに学ぶ事ができず、肉体労働によって社会を知るといった構成だったのではないかと考えられます。
これについては、スカイリムのDLCの【Hearthfire】を導入していれば、その例ともいえる子供達があちこちに現れます。

という事で【軍師】といってもストクロには現に無い官職であり、正規の帝国軍にとっては当たり前のように知っていても、スカイリムでは聞き慣れないという形を取りました。

◎セプティム家の帝国とミード家の帝国・・・
TESのちょっとした歴史を説明すると・・・
第三紀の帝国を築き上げたのが【タイバー・セプティム】という人物で、彼は【ノルド人】であり、【ドラゴンボーン】でした。
ノルドの間では【タロス】という名前で信仰されています。
彼は死後に神格化され、今まで八大神だったのが九大神に変わったという訳です。
しかしそれを良しとしなかったのが、現在の【ハイエルフ】達であり、これが元でスカイリムでの内戦が始まりました。
【マーティン・セプティム】は、【タイバー・セプティム】の最後の血筋であり、そして第三紀最後ドラゴンボーンと言われています。
前作オブリビオンにおいて、彼は自らの命と引き換えにオブリビオンゲートを閉じたので、その後皇帝空位の時代が始まりました。(第四紀スタート)
この空位時代を制したのが、当時シロディールのコロヴィアの将軍だった、タイタス・ミード一世でした。
二世皇帝はどうやらその曽孫(孫の子)に当たるようです。

因みに第四紀の10年にオカトーは暗殺され、その7年後にタイタス・ミード一世は即位したそうです。
正確にはオカトーが殺され、帝国が指導者を完全に失った時代を【大空位時代】。
あるいは【ストームクラウンの大空位時代】と呼ぶそうです。(ストームクラウン=タロスの別名)
SOSでは、この辺の時間をワザとズラしました。
ここの意図としましては、実際のTESの歴史においては、【セプティム家の帝国】と【ミード家の帝国】は別物とも解釈できるからです。
SOSでは、ここを【同じ帝国】と位置付けています。(本編においてもおそらく同じ帝国と言う事なんでしょうが)
中国で言う前漢・後漢みたいなモノです。(血筋は違うけどw)

◎無知蒙昧(むちもうまい)
知恵や学が無く、愚かなさま。
今回はテュリウスとポエットの論激戦の際に、冒頭からポエットを怒らせるような事をテュリウスが口にしたために、
逆にポエットの怒りを買ったという事で、このような表現を使いました。
知者同士の争いとは、本来こうであるべきだとNadiaは考えています。
例え相手を怒らせても、真から怒りを顕にするのではなく、そこから相手の心理を冷静に分析できる者が、今後の流れを掴める。
とでもいいましょうか・・・

◎ペニトゥス・オクラトス(ラテン語で『隠れた目』と言うらしい)
通称『ぺ二公』。
現在の皇帝護衛役。
嘗てはブレイズという組織が、この役を引き受けていた。
セプティム王朝時代は、代々がドラゴンボーンの血筋と言う事もあり、またブレイズはドラゴンボーンの守護者と言う事からこの役職だったとの事。
だが彼らは独立した組織である事と、皇帝がその血筋ではなくなった事から、殆どお払い箱にされている。
白金協定の中には『ブレイズの解体』という条項も含まれていたので、ハイエルフで組織されたサルモールからも追われる存在に。

ぺ二トゥス・オクラトスは、彼らの後継組織ではあるが、限りなく帝国側の組織ではあるため、一概に独立しているとは言い難い。
とはいえ、ゲーム内においての彼らは内戦に一切干渉してこない。
組織的な規則なのか、ゲーム上の仕様なのかどうなのかは不明。
【闇の一党】を完全に敵視している。

皇帝の護衛役とは言うが、ゲーム内ではヴィットリアの結婚式の時には既にスカイリムにいるので、
皇族の護衛役もしているようである。

◎皇帝とは?
簡単に言えば『王』より上位の存在であり、各地の『王』を纏める者の事を言います。

中国では『秦の始皇帝』が有名であり、彼が初めて『皇帝』という称号を使いました。
この称号は、中国の伝説時代(殷王朝より前)に『三皇五帝(さんこうごてい)』と言われている人達から来ています。
これは『黄帝(こうてい)』とか『禹王(うおう)』などの時代で、三国志の時代よりも、もっともっと遥か昔のお話しです。
『皇』とは『自(はじめ)』と『王』を合わせた文字で、人類最初の『王』を意味しています。
『帝』とは元来『三本の糸を束ねる』という意味があります。

SOSにおけるポエットは、『諸国の王を纏めてもいないのに”皇帝”を名乗っているなんてどうかしている』
という意味で、テュリウスを詰(なじ)ってます。

◎ニルイン
元々はお金持ちのお坊ちゃま。
刺激を求めてヴァレンウッドの『銀の三日月』という盗賊ギルドに入ったが、父親にばれて勘当され、デルビンに誘われて今の盗賊ギルドに入ったウッドエルフ。
紳士的な性格で穏やか、弓のスキルトレーナ―でもある。

◎デルビン・マロリー
盗賊ギルドの参謀的存在。
彼の人脈は相当な広さで、スカイリムに限らずタムリエルの方々に広がっているようである。
彼を通して盗賊ギルドに入ってきた人間も少なくない。
また、メイビンに限らず他の盗賊ギルドや闇の一党との繋がりも持っている。
『シャドウマーク』という本の著者でもある。
ヴェックスに恋心?を抱いているようである。

◎カーヴェイン家
スカイリムのランダムイベントで登場する貴族階級の夫婦で、先頭に帝国兵を一人連れて、一応ソリチュードを目指している。
シロディールからヴィットリアの結婚式に出席するために、本来は陸路をひたすら歩く。
プラウティスに話しかけると、皇帝の一族と目通りができるチャンスだと。
サロニアに話しかけると、スカイリムのクズ!と何故か怒られるw
彼らに着いていくと、ソリチュードではなく何故かウィンドヘルムに行ってしまうとか・・・よくわからない二人である。

カーヴェイン家とは、前作オブリビオンに登場した『ナリーナ・カーヴェイン』という人物が、ブルーマで女伯爵をやっており、彼女は骨董品集めを好んでいたとか。
ただしゲーム中での彼女は独り身で、子孫を残したという話は出ていない。
とはいえ、その血族である可能性が高いと言われている。
因みにナリーナ本人が、運送会社をやっていたというのはSOSのオリジナルです。

物語中のナリーナのSSは、ツイッターにてお世話になっている【リエンさん】から撮影の協力をしていただきました^^
リエンさん、素敵なナリーナのSSを撮影していただきありがとうございますm(_ _)m
バッチグーです^^b
これからも機会がありましたらよろしくお願いいたします^^v

◎ファルク・ファイア・ビアード
ソリチュードの首長エリシフの執政。
ノルドの執政ではあるが、なかなか聡明な人物でもある。
前王トリグが亡くなった後、エリシフの信用を一心に買い、ソリチュードの問題を一括して任されている。
余談だが、従士のブライリングとは恋仲のようである。

◎新キャラ登場!!

b

【リサ】
ツイッターにてお世話になっている『火野』さんが作成されたフォロワーさんです^^
目がクリクリっとしててホントにかわいいですねぇ^^
一見大人びいているようにも見えるのですが、そんな中に見え隠れする幼さにも惹かれました^^
実は彼女のバックストーリーは、既に火野さんによって作成されているのですが、その内容がSOSにピッタリとハマったので、使わせていただきました^^
なのでリサさんのバックストーリーは、火野さんのサイト【のんびりタムリエルライフ】に書かれているのですが・・・
もちろんながらSOSでは、オリジナルも織り込ませております。

素晴らしいフォロワーさんを作成された火野さんには、感謝感謝でございますm(_ _)m

※彼女の立ち位置などに関しては、すでに火野さんに許可を頂いた上で使わせていただいております。


【アリッサ】
以前にも紹介した自作フォロワーの『アリッサ』でございます。
顔の頂点編集をやり直しました。(特に目じりの辺りと顎)
そして左目の義眼のテクスチャーを作り直しました^^
彼女の設定は基本的に変わっていません。

今回は皇族専用の船に乗船している二人ですが、SSが最後の一枚しか使わなかったので、詳しいバックストーリーについては今後のお楽しみと言う事で^^;
ですがこの一枚には、今後のSOSの物語を大きく左右する意味が込められております(; ・`д・´)ツモリ・・・

今話は、他の方々の協力のおかげもあり、色々な面でSOSの物語がより一層広がった感が否めません^^
大変喜ばしい限りでございます(^◇^)
リエンさん、火野さん、ありがとうございますm(_ _)m
これからも細々と続けていけたらと思いますので、ご声援の程よろしくお願いいたします(^◇^)ノ




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